January 31, 2023

失敗しないオフショア開発会社の選び方|開発パートナー選定のステップや比較ポイントを解説

オフショア開発の委託先国には様々な国々があります。また、オフショア開発会社の特徴も様々で、開発会社によって対応できる市場や得意分野も異なります。オフショア開発会社選びを間違えてしまうと、その後のプロジェクトが進むにつれて、納期の遅延や品質不良といった問題を引き起こしたり、プロジェクトの失敗リスクを高めることにつながりかねません。

本記事では、オフショア開発を検討している方に向けて、自社の開発パートナーとして最適な1社を見つけるために、オフショア開発会社のタイプや比較のポイント、パートナー選びの注意点などについて紹介します。オフショア開発会社選びにお悩みの方は、ぜひ最後までご一読ください。


オフショア開発の委託先国

オフショア開発では委託先をどこの国にするのかが重要で、コスト、言語、文化、時差、信頼性などさまざまな要素を考慮して選択する必要があります。

オフショアとは?

オフショア開発とは、業務を海外に委託、アウトソーシングすることです。特にシステムの開発や保守運用などを委託することが多く、その場合は「オフショア開発」とも言われます。また、オフショア開発と似たものにニアショア開発があります。オフショア開発とニアショア開発については、以下の記事も参考にしてください。

人気のオフショア開発の委託先国はどこの国

オフショア開発の人気の委託先は、さまざまな要因により変化します。現在の人気はベトナム、バングラディシュ、ミャンマーなどの東南アジアの国々で、賃金がまだ安いことが大きな理由です。特にベトナムは、スキルの高いエンジニアが多いため人気があります。

かつては中国やインドも人気でしたが、人件費が上がってコストが高くなってきたので、件数は減っています。オフショア開発における委託先の人気国については、以下の記事も参考にしてください。

  • 【2022年最新】オフショア開発の人月単価相場動向、人気のベトナムほか国別比較
  • オフショア開発会社の分類

    オフショア開発会社は国や企業によって様々ですが、その運営者の資本系列とターゲット市場によって分類することができます。以下は、ベトナムのオフショア会社を例に分類していますが、他の国の事情は異なるものの類似する傾向も見られるため、参考として国名を読み替えてイメージしていただければいただければと思います。

    ベトナム資本のオフショア開発会社

    • 大規模なオフショア開発会社のターゲットはグローバル市場

    欧米市場や日本市場などをターゲットとするグローバルな構成で、日本法人を設立して日本国内の大都市圏に拠点を設置して日本企業へのITアウトソーシングサービスを提供しています。

    ITエンジニアの人材リソース数も1,000名以上と多く、小規模から大規模まであらゆるプロジェクトに対応し、必要な人材を必要なタイミングで確保できるスケーラブルなリソースは、中小規模のオフショア会社ではできない大きな強みとなっています。

    また、対応範囲も幅広く、オープン系、汎用系、Web系、組み込み制御などに対応しています。

    例えば、BtoB向けでは、企業の基幹系システムや情報系システムなどの業務系アプリケーションや、金融・物流・製造など様々な業界業種の基幹系システム開発・構築・運用・保守、オンプレミス環境からクラウドサービスへのマイグレーション、また自動車や製造業界向けのCAD/CAEやIoT、AI開発などにも対応しています。

    また、IoT、AI、ブロックチェーンなどの先端IT技術にも積極的に取り組むほか、SFAやCRMの導入支援やローコード開発によるカスタマイズやRPA導入支援などのDXサービスなども提供しています。

    BtoC向けでは、Web系としてECサイト、予約サイト、SNS、ゲーム、メディア・エンターテインメントなどのWebアプリケーションの開発などを行っています。

    このように、コスト競争力の高さと豊富でスケーラブルな人材リソースという利点を兼ね備えているとともに、日本企業とのプロジェクト実績も豊富なため安心感があるという点も大きな魅力となっています。

    • 中小規模のオフショア開発会社のメインターゲットは日本市場

    日本への留学経験や日系企業での勤務経験があるITエンジニアが起業した企業が近年増えつつあります。従業員規模は10~50名と小規模な企業が多いため、日本に拠点がない場合もあります。しかし、経営者は日本への留学経験や日本のビジネス慣習をある程度把握している若手起業家が多く、また日本語での意思疎通が可能な語学力を持っている場合が多いため、経営層とは比較的スムーズにコミュニケーションすることがでしょう。

    対応する領域は、Web系を中心と、会社ごとに得意分野はさまざまとなっています。

    日系資本のオフショア開発会社

    • アウトソーシング事業主体

    日本企業からの委託先として、多く利用されています。従業員100名未満の小規模な企業から1,000名以上規模まで、また顧客層も規模規模に応じてベンチャー企業から上場企業までさまざまです。

    開発会社の成長に従い、開発に必要な体力、経験、知見を培い、日本企業の細かなニーズにも柔軟な対応ができます。また、ベトナム資本の会社と比較すると日本人従業員の割合が比較的多いため、コミュニケーションの良さをアピールする企業が多くあります。コストメリットもあり、SIerを通さずに直接発注する企業も増加しています。ただし、日本人従業員が多いためか、ベトナム資本の企業に比べるとコストは割高になる傾向があります。

    対応領域は、業務システム、Webシステム、アプリ開発、ゲーム、AR(拡張現実)など、さまざまな分野に対応する会社が存在します。会社によって得意分野や対応領域、経営スタイルなどに特色があります。

    • 大手SIerの海外開発拠点

    日本の大手SIerの海外拠点で、メインターゲットも日本企業です。日本人スタッフも多く、日本語のコミュニケーションも可能でビジネス環境にも精通しており、大型案件や長期プロジェクトも安心して委託できます。

    欧米資本のオフショア開発会社

    • アウトソーシング事業主体

    主なターゲット市場は欧米で、日本法人もない場合が多く、コミュニケーション言語は英語及び資本系列の母国語になります。文化的にも、相手を察したり空気を読んだりといった、言葉ではなくコンテクスト(文脈)に頼るコミュニケーションスタイルは通用せず、日本語によるコミュニケーションも期待できません。支払い方法もドル建てが多く、積極的な選択肢とはなりにくいでしょう。

    オフショア開発会社選びでよくある失敗と対策

    • 予想よりも工数がかかった

    労働時間や技術者のレベルについて、委託元と委託先の意識や意見にズレがあることが原因です。対策には契約締結時に内容を細かく確認することや、プロジェクトを理解するためのコミュニケーション、こまめな進捗管理などが必要です。

    • 仕様がうまく伝わらない

    仕様書や言葉の解釈の違いにより、使用が上手く伝わらず、委託元と委託先の間に意識や意見のズレが生じてしまうことがあります。上記と同じように、対策には契約時の確認やコミュニケーション、進捗管理などが必要です。

    • 不具合が発生した、品質が基準を満たしていない

    テスト不足が原因ですので、テストの回数や内容、対応についても細かく決めておきましょう。

    • デザインやUIが不満である

    デザインやUIについては、日本人と委託先の国の感覚が異なることや、思い込みによるすれ違いが原因であることが多いです。事前に細かく打ち合わせし、すり合わせましょう。

    委託するオフショア開発会社の選び方

    委託先を決めるには、どのように情報を収集し、どこをポイントに選べばいいのでしょうか。

    オフショア開発会社の情報の集め方

    オフショア開発会社の情報は次のようなところから集めます。

    • 企業のコーポレートサイト、サービスサイト
    • 委託先の比較サイト
    • IT関係の展示会やイベント
    • 知人からの口コミ
    • Linked Inのようなビジネス用のSNS

    また、オフショア開発国の情報は、日本貿易振興機構(JETRO)や各国の産業団体、協会で入手可能です。

    オフショア開発会社選びのポイント

    オフショア開発会社を選ぶときには、次のようなポイントに気をつけましょう。

    • 日本企業との取引実績

    日本企業との取引実績が豊富な企業であれば、日本的な開発スタイルやビジネス習慣を把握しており、コミュニケーションにも安心感があります。プロジェクト経験したプロジェクト数の多さや、大規模なプロジェクトの経験、類似案件の経験があるかなどをチェックしましょう。

    • 日本語でのコミュニケーションの可否

    意思疎通のために、日本語でのコミュニケーションできるのかは大変重要です。メールやチャット、ミーティングや仕様書などのドキュメント類にいたるまで、日本語でどの程度のコミュニケーションが可能なのかチェックしましょう。また、日本語能力試験の取得レベルごとに何人いるか、社内で日本語教育を行っているかなども確認します。メンバーをアサインする際には、必ず実際に面接してスキルレベルを確認してください。できれば日本人のスタッフがいれば、よりスムーズに仕事ができます。

    • エンジニアの在籍数と能力レベル

    ITエンジニアの従業員数と合わせて、職種ごとの在籍数も確認しましょう。特に、特定の開発環境や言語に対応できる欲しい人材が欲しい場合には、そそスキルを保有するエンジニアの人数やアサイン可能な時期も確認しましょう。エンジニア数が少ない小規模なオフショア開発会社の場合は、発注元が確保したい人材リソースが足りなかったり、人材がいたとしても他のプロジェクトに従事しているため対応してもらえない場合があります。

    • 得意分野(業種業態、開発領域)

    過去の実績だけでなく、開発会社の得意分野をチェックします。「何が出来るのか」という問いには、得てして「何でもできます」と回答されるケースが多いものですが、何ができるかよりも「何が得意か」がポイントです。

    ひと言で、IT系、システム開発といっても範囲は幅広く、自社のニーズに合った得意分野を持っている開発会社なんかどうかは判断しづらいものです。実績もあり得意分野でもあるのはオープン系なのか、Webアプリケーションなのか、あるいは組み込み系なのかなど、開発実績などと合わせて確認しましょう。AI、ブロックチェーン、IoTなどの先端技術分野のニーズがある場合は、大規模または専門分野に特化したオフショア開発会社がおすすめです。

    • 自社に合う契約形態、開発手法に対応できるか

    オフショア開発会社が対応している契約形態や開発手法も重要です。請負契約、ラボ型契約、SES契約、B-O-T方式など、契約形態や、ウォーターフォール、アジャイル、あるいはそのハイブリッドなどの開発手法に制限がないか確認します。

    • 日本法人の有無

    日本国内に法人(子会社)や支社などの拠点があるかを確認します。外国企業とのビジネスを行うにあたり、契約の準拠法を日本法にするか外国法にするかは注意しなければならないポイントです。日本法人があれば、準拠法は日本法で、支払いは円建てで、といった交渉も行いやすく、リーガルリスクや為替リスクなどを回避しやすくなります。

    • 委託先のオフショア開発会社の現地訪問視察

    委託先候補として選んだ数社の中から2〜3社程度に絞り込めたら、必ず相見積もりを取って比較検討します。
    また、最終候補に挙げられたオフショア開発会社には、できるだけ現地訪問して視察しましょう。実際に、相手企業を視察して、オフィス施設や設備、セキュリティや、従業員の執務スペースとそこで働く従業員の笑顔や様子を見ることで、その会社の良い点も悪い点も含めて、実際に見なければわからなかったことが見えてくるはずです。そして、実際に顔を合わせてやりとりすれば、お互いの意思や感情も理解しやすくなるでしょう。

    オフショア開発会社の選定ポイントはコスト以外にもたくさんある

    オフショア開発を初めて検討する方は、開発会社をどのように選べばよいのかを悩んだり迷ったりすることが多いと思います。それは、実際に選定するポイントがたくさんあるからです。

    オフショア開発会社選びには、委託先国のカントリーリスク、資本分類や企業規模ごとのオフショア開発会社の対応領域や得意分野、エンジニアの在籍数と能力レベル、日本企業との取引実績、日本語でのコミュニケーションの可否、自社に合う契約形態、開発手法への対応度など、幅広い角度から確認してください。

    そして最後は、同じ目標に向かって仕事をしていく自社のビジネスパートナーとして、信頼できる相手かどうかを判断するために、現地訪問や面談などで実際に顔を合わることは大いにパートナー選びの参考となるはずです。

    また、株式会社リッケイではオフショア開発に関するEbookを提供しています。オフショア開発の委託先選びに迷ったら、ぜひ参考にしてください。


    本ブログでは、オフショア開発に関するお役立ち情報や、IT業界で注目を集めている話題をテーマとして多様な情報をお届けしています。

    株式会社リッケイでは、国内に東京・名古屋・大阪・福岡の4地域に拠点を置き、ベトナムのオフショア開発サービスを提供しています。

    弊社では、様々な業界業種の基幹系システムの開発・構築・運用・保守やマイグレーション、Webアプリケーション、ECサイト構築、ゲーム開発など、幅広い領域に対応します。また、Saleforce導入支援やカスタマイズなどのDX支援も行っております。

    オフショア開発をご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。貴社に最適なソリューションをご提案いたします。

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    January 31, 2023

    ラボ型開発(ラボ契約・ODC)とは?請負契約との違い、メリット・デメリットや向いている案件を解説

    アプリケーションなどのソフトウェアを開発において、自社内で開発する内製と、外部の開発会社に開発を依頼する外製(外注)の2つ選択肢があります。内製は、自社の技術開発力の向上につながるメリットがある反面、専門知識を保有する技術力の高い社員エンジニアの存在が不可欠であり、システム完成後も人材の維持確保が必要になるというデメリットもあります。 一方、外製では専門性の高い部分を全て外部に委託でき、プロジェクトの遅延も発生しにくいことから、外製によるソフトウェア開発を行う企業が多くあり、昨今では人材不足や開発コスト削減などの観点から、オフショア開発が盛んに行われています。 今回は、オフショア開発のなかでもラボ型開発と呼ばれる形態について、その概要やメリット・デメリット、ラボ型開発に向いている案件について解説します。 ラボ型開発(ラボ契約・ODC)とは ラボ型開発とは、海外のリソースや企業を活用して開発する「オフショア開発」の類語で、「ラボ契約」「オフショア開発センター(ODC)」と呼ばれることもあります。ラボ型開発はオフショア開発における契約形態のひとつで、近年は、契約請負よりもラボ型開発を含む準委任契約での開発が盛んに行われています。 請負契約仕事の完了までを請け負う。契約発注者は要件を明確に定義し、ベンダーは作成された仕様書に沿って設計・開発から実装・テストまでを行い、期日までに成果物を納めるという請け負う。 準委任契約特定の業務を遂行することを定めた契約。請負契約とは異なり、成果物の完成の有無は問わない。準委任契約は、さらにラボ契約とSES契約に分けられる。 ラボ契約(ラボ型開発)すべてのエンジニアは日本国外に滞在する。発注者は一定期間(およそ半年~2年程度)の契約を結び、エンジニアチームを組んでプロジェクトを進めていくというもの。 SES契約エンジニアを発注元に常駐させる。ラボ型開発同様、エンジニアチームを組んでプロジェクトを進めていく。より流動的な案件や、エンジニアを教育したい場合などに用いられる。 BOT方式現地オフショア会社が人材リソースを確保し安定運用後にチームを丸ごと買い取る方式。Build(設立)、Operate(運営)、Transfer(委譲)を略した言葉。 請負契約では、ベンダーが納品した成果物に対して報酬が支払われます。一方で準委任契約ではベンダーが行う労働そのものに対して報酬が支払われるため、請負契約とは異なりプロジェクトの内容や進捗状況に応じて柔軟な変更が可能です。 近年では、ラボ契約とSES契約の両方を活用する「ハイブリッド型」の契約形態をとることも多く見られます。例えば、プロジェクトのキックオフから1〜2ヵ月間はSES契約で業務に慣れてもらい、その後帰国してラボ契約で働いてもらったり、人数を減らしたりするといったケースです。 オフショア開発について、別の記事「オフショア開発とは|メリット・デメリット・成功に導く6つのポイント」で紹介しています。 ラボ型開発と準委任契約の違い ラボ型開発(ラボ契約)は準委任契約の形態のひとつです。 システム開発における委託契約は前述の「請負契約」または「準委任契約」によってなされますが、請負契約が成果物の完成を目的とするのに対し、準委任契約は労働の代行を目的としている点が異なります。 単純に「準委任契約」と言う場合はシステム開発以外にも使われ、準委任契約のなかのシステム開発における形態がラボ型開発ということになります。 ラボ型開発(ラボ契約・ODC)のメリット ラボ型開発には、以下のようなメリットがあります。 一定期間、専属開発チームとしてメンバー固定でエンジニアを確保できる ラボ型開発では期間を決めて契約するため、期間内であれば継続的に案件の発注が可能です。期間内にいくつか連続して案件が入る場合でも、案件ごとにチームを組み直したり、一から情報共有をしたりする手間が省けます。 近年、東南アジア諸国のエンジニアのスキルは、日本国内のエンジニアと同等またはハイスキルな場合少なくなく、優秀な人材を中~長期間にわたり確保できます。 中~長期間腰を据えて案件に取り組むことで、ラボ型開発の委託先が発注側の業務体制や企業風土に慣れることができ、安定的に開発できるのも大きなメリットです。優秀な人材リソースを安定的に確保して開発できれば、機能を拡張しバグを改修する作業や業務を進めるための時間的リソースも確保しやすくなります。それにより、エンジニアも高いクオリティの成果物をスピーディーに納品することが可能になります。 自社内に開発や経験を暗号化できる ラボ型開発では、同じエンジニアメンバーと一定期間連携するため、自社内で開発が伏せられやすいのも大きなメリットです。 必須がはっきり決まっていないプロジェクトでも取り組むことができる ラボ型開発では、請負契約と異なり成果物が明確に決まっているとは限らず、途中で仕様変更をしたり、各種調整したりすることも容易です。企画や施策が確定していない状態でも、協働しながら進めていけるでしょう。請負契約のように、仕様変更や調整について追加費用が発生することもなく、契約期間内なら自由にリソースを使えます。 例えば、ラボ型契約で5名のエンジニアに開発を依頼した場合、最初の4カ月は全員に新規のアプリケーション開発を依頼し、その後の2カ月は3名が追加機能の実装を担当し、2人に細かいバグ対応や改善を担当するなど、フェーズや状況に応じて臨機応変かつ柔軟にチームを動かすことができます。 ラボ型開発(ラボ契約・ODC)のデメリット ラボ型開発には、以下のようなデメリットがあります。 チームの立ち上げや維持にコストがかかる ラボ型開発は一定期間専属のチームを確保できる契約なので、一定量の発注を続けられる場合はコストパフォーマンスが良いです。 一方、契約期間内はコストが発生し続けるため、依頼する案件の業務や作業量が極端に少ない場合に予定よりも早く開発が完了しても、その後に依頼する案件がない期間があるとその分は余計なコストとなり、請負契約よりもコストが高くなってしまう可能性があります。特に、単発の案件や短期の案件の場合は割高になってしまう可能性があり、チームを中長期に渡って押さえておくメリットが得られにくいでしょう。 契約期間中はリソースを無駄を生じさせないように、一定の業務量を発注できる準備を行っておく必要があります。少なくとも3カ月以上の開発が必要となる案件や、複数の単発・短期の案件を準備しておき、リソースを余らせないようにするのがおすすめです。 発注者が主体的にマネジメントする必要がある 開発をスムーズに進めるためには、チーム構築のほかに体制作りが必要です。特に、ラボ型開発では請負契約のようにすべてを発注先に任せられるわけではなく、チームとして協働する形態となるためコミュニケーションが特に重要になります。そのため、発注元が主体的にチームビルディングやマネジメントをする必要があることから、発注元の負担は請負契約と比べると大きくなります。 オフショア開発では、日本語が堪能な委託先に依頼できるとは限りません。国内に日本法人や支社があるオフショア開発会社を選んだり、開発技術だけでなくコミュニケーション言語の能力も含めて人選したりして、コミュニケーションに齟齬(そご)が生まれないような体制作りが必要です。 チームビルディングに時間がかかる ラボ型開発では、初めにチームを構築します。チームメンバーを選ぶ際には、単純にスキルが高い人材を集めればよいとは限らず、開発内容や自社の文化などさまざまな要素を考慮し、開発内容に合っていて相性の良い人材を慎重に選んでチームを構築する必要があります。 また、チーム構築から実際に開発に入るまでは、一般的に半月~3カ月程度の期間が必要なため、その期間も考慮しなくてはなりません。 また、ラボ型開発では、発注元がチームの一員となって開発を指示する必要があります。成果物の仕様にズレが生じないようチェックしたり、メンバーに体制や企業風土についてレクチャーしたりすることもあるでしょう。チーム結成後の滑り出しがうまくいくとは限らず、チームとしての機能が軌道に乗るまではある程度時間がかかることを念頭に置きましょう。 ラボ型開発(ラボ契約・ODC)が向いている案件 ラボ型開発は、以下のような案件に向いています。 定期的に発生する案件がある 業務委託したい案件が定期的に発生するのであれば、ラボ型開発がおすすめです。特に、既存のアプリやサービスの運用・改修をする場合に向いているでしょう。契約期間中は自社専属の開発チームを確保でき、案件が変わるごとにチームを再構築したり、一から情報共有したりする必要がありません。 そのため、開発案件が途切れず発生するけれど人員が足りないという場合にラボ型開発を利用すれば、案件ごとに依頼先を探したりすり合わせをしたりする手間がかからず、コストやストレスの軽減につながるでしょう。 仕様変更や修正が生じる可能性がある ラボ型開発は契約期間内であれば追加費用なしで対応してもらえるので、完成形がはっきり決まっていない案件や、仕様の追加や変更が生じやすい案件に向いています。請負型に比べてコストが抑えられるだけでなく、中~長期にわたって同じチームで作業していくので、指示を的確に理解して適切に作業してもらいやすいでしょう。 また、AI等の先端技術を用いたIT開発や、完成形が定まりにくい研究開発の要素を含むという場合にもラボ型開発は向いています。 アジャイル型開発の案件である システムやアプリの開発には、大きく分けてウォーターフォール型とアジャイル型の2つの開発体制があります。 ウォーターフォール型開発の最初の段階で要件や仕様を詳しく決定し、すべて完成してからリリースする。 アジャイル型 要件や仕様はざっくりとした状態で開発をスタート、短期間で設計、リリース、テストを繰り返しながら改修と開発を進めていく。 ウォーターフォール型の開発は初めに要件や仕様を詳しく決めるため、請負契約に向いています。一方、アジャイル型はスピーディーにリリースできる半面、あとから細かな改修や開発を繰り返していくため、ラボ型開発との相性が良いです。 […]

    December 23, 2022

    ノーコード開発で何ができる?どんな用途に向いているのか理解しよう

    ノーコード開発は、今注目されている開発手法です。ノーコードツールを使えば、高い専門知識を持つIT人材でなくてもアプリケーションやWebサイトを開発でき、コストも開発期間も抑えられます。IT人材の不足が大きな問題になっているなかで、新たにIT人材を雇用したり育成したりしなくてよいのは大きなメリットです。 しかし、ノーコード開発はコーディングしないため拡張性や汎用性が低く、できることには限界があります。今回はノーコード開発の概要と、できることとできないことを説明します。 ノーコード開発とは ノーコード開発とは、コーディングせずにシステムやサービスを開発すること、またはその開発環境のことです。開発環境はノーコードツールとも呼ばれます。コーディングは一般的にプログラミングとも呼ばれるもので、プログラミング言語を用いてプログラムを書くことです。 ノーコード開発ではコーディングが不要なので、高度なスキルや知識がない、非IT人材でも開発できます。そのため、ユーザーが現場で必要なアプリケーションを開発でき、現場のニーズに合わせた開発が可能です。システム開発の担当者との打ち合わせも不要なので、開発時間を短縮できます。 そのため、ノーコード開発はIT人材不足を補い、デジタイゼーションを進め、DXを推進する方法のひとつとして期待されているのです。 ノーコード開発では、コーディングの代わりにツール上で用意されたコンポーネントと呼ばれる部品を組み合わせて開発します。コンポーネントを使うため、必要なものを素早く開発することが可能です。 ただし、コンポーネントのないものは作れないので、自由度は低く、オリジナル部分の多い開発や大規模開発には向きません。また、コーディングの余地がないため、カスタマイズや拡張も不得意です。 ローコード開発との違い ノーコード開発と似たものに、ローコード開発があります。ローコード開発とは、ほとんどの部分をノーコードで開発できるものの最小限のコーディングが必要な開発手法や、その開発環境のことです。コーディングするため、ノーコード開発よりも高い汎用性や拡張性があります。 一方でノーコード開発はソースコードの記述をせずに開発でき、開発に高いスキルは不要です。ただし、コードが使えないため、細かな部分での修正や調整ができません。また、ノーコード開発は開発ツールによってできることが変わります。 従来のように「すべての部分をコーディングで作成する」場合はフルコード開発と言います。最も難易度が高く、専門的なスキルが必要ですが、自由度や拡張性も高い方法です。 ローコード開発や、IT人材不足との関係については、次の記事を参考にしてください。 「ローコード開発とは? IT人材不足解消の切り札として注目される新しい手法」 ノーコード開発、ローコード開発、フルコード開発の違い   ノーコード開発 ローコード開発 フルコード開発 コーディング 不要 少し必要 必要 スキル 高いスキルは不要 高いスキルは不要だが、ある程度のスキルは必要 高いスキルが必要 拡張性、自由度 低い コーディングにより確保可能 高い拡張性と自由度がある 開発期間 短い 短い 長い ノーコード開発が向いている場合 ノーコード開発は次のような場合に向いています。 スモールビジネスを行う個人である場合ネットショップ運営やアプリ制作などのスモールビジネスに使えます。また、ほかの業種でも、スモールビジネスを行う個人が必要なアプリケーションを制作することも可能です。 小規模なソフトウェアベンダーである場合小規模アプリの開発を行うベンダーで開発環境として使えます。 スタートアップ・ベンチャーである場合開発期間を短縮し、効率的に事業を始められます。 部署内で小さなアプリケーションが必要な場合情報システム部門に頼らず、短期間で欲しいアプリケーションを制作できます。その他、開発コストを抑え、短期間でサービスをリリースしたい場合に向いています。 ノーコード開発でできることとできないこと その性質上、ノーコード開発にはできないことがあります。特徴と限界を理解して使いましょう。 ノーコード開発でできること Webページ制作企業・団体のWebサイト、商品のサービスサイト、ECサイトなど。 Webアプリ制作フロントエンド、バックエンド、データベースといったWebベースのアプリケーション。 業務の自動化・効率化のための小さなアプリケーション制作日常的な業務を効率化する小規模なアプリ、単機能に特化したアプリ、データ管理アプリなど。 モバイルアプリ制作業務に利用するスマートフォンアプリ。 ノーコード開発でできないこと ノーコード開発では、次のようなシステム開発はできません。 大規模で複雑なシステム開発拡張性や自由度が低いので、複雑なシステム開発には向いていません。 独自部分の多いシステム開発ツールに装備されているコンポーネントを使って開発するため、独自部分の多い開発はできません。 ツールの対象となっていない分野の開発ノーコードツールにはそれぞれ対象とする分野があります。 ゲームのように表示速度が重要なシステムの開発ノーコードで開発した場合、ページの読み込み速度が遅くなる傾向にあります。 […]