December 15, 2022

ローコード開発とはIT人材不足解消の切り札として注目される新しい手法

業界や業務を問わずIT化が進められているなか、ローコード開発という開発手法が注目されています。ITに詳しい人材でなくてもシステム開発ができ、開発にかかる時間も短いため、慢性的なIT人材不足を補うことができると期待されているからです。

しかし、ローコード開発には制約が多くデメリットもあるため、向いている用途と向いていない用途があります。例えば、後述するSalesforceのカスタマイズはローコード開発に向いた用途と言えるでしょう。

今回は、ローコード開発の概要と注目される背景、ローコード開発のメリット・デメリット、効果的な使い方などを説明します。

ローコード開発とは

ローコード開発とは「できるだけコードを書かない開発手法」のことです。ただし、まったくコーディングが不要なわけではありません。ほかのシステムとの連携やカスタマイズなど、コーディングが必要になる場面があります。

コーディングとはいわゆるプログラミングで、プログラムを書くことです。コーディングには、プログラマーやシステムエンジニアなど専門的な知識を持つIT人材が必要ですが、現状はどちらも大幅に不足しています。

ローコード開発が注目されている背景

ローコード開発が注目されている背景には、次の3つの目的があります。

デジタル人材不足の解消

経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」によると、2025年にはIT人材不足が約43万人まで拡大し、「2025年の壁」の大きな原因となるとされています。

「2025年の壁」とは、「DXレポート」で警鐘が鳴らされている日本経済全体の危機です。レガシーシステムの維持、IT人材不足、IT予算不足などにより、日本企業の多くで競争力の低下が起こり、2025年以降には最大で12兆円の経済損失が見込まれるというものです。

ローコード開発ではあまりコーディングすることはないため、高いプログラミングスキルは必要ありません。高度なプログラミングスキルが不要なので、デジタル人材ではない現場のユーザーでも開発が可能です。つまり、ローコード開発を利用すればシステム開発に携わる人材を飛躍的に増大できます。
そのため、現在大きな問題となっているデジタル人材の不足を解決する方法のひとつとして注目されているのです。

スピーディーな開発が可能
ローコード開発なら、ユーザーが現場で必要なシステムを開発できます。開発担当者とのヒアリングや打ち合わせが必要ないため、スピーディーな開発が可能です。そのため、ビジネス環境や市場の変化に迅速に対応できます。

DX推進
現場でニーズに合ったシステムを内製することで、業務のデジタル化や社内のITリテラシーの向上が進み、業務効率化にもなります。これはDXの第一歩にもなるため、ローコード開発の普及はDX推進にも役立ちます。

ローコードツールとは

ローコードツールとは、ローコード開発するためのツールであり開発環境です。ローコードツールにはさまざまな用途のコンポーネントが搭載されており、それらを組み合わせることで開発の大部分を行います。

コンポーネントは、ツールに搭載されているパーツです。コンポーネントだけでは不十分なところがあれば、コーディングで補完できます。

ノーコード開発との違い

ノーコード開発は、コーディングしないで開発する手法です。ローコード開発同様、コンポーネントの組み合わせで開発します。ただしコーディングが使えないので、自由度や拡張性がありません。

ノーコード開発とローコード開発との違いについては、次の記事も参考にしてください。

「ノーコード開発で何ができる?どんな用途に向いているのか理解しよう」へのリンク

ローコード開発では必要最小限のコーディングができるため、ある程度の拡張性があります。そのため、ノーコード開発よりはスキルが必要です。

従来のようにコーディングでシステムを開発する手法は、「フルコード開発」と言います。フルコードでの開発には、高いスキルを持つ人材と長い時間が必要です。

ローコード開発のメリットとデメリット

ローコード開発にはメリットだけでなく、デメリットがあり、それぞれを理解する必要があります。

ローコード開発のメリット

開発時間が短い
現場で開発できるので、ベンダーとの打ち合わせや作業待ちの時間が不要です。そのためスピーディーに開発でき、業務フローやビジネス環境の変化に対応しやすくなります。

高いスキルがいらない
システム部門やプログラマーでなくても開発できるので、開発に携わる人材を確保しやすくなります。

一定の拡張性がある
ノーコードツールとは異なりコーディングの余地があるので、ある程度の拡張性が確保されています。
どの程度の拡張性があるかはツールにより異なります。

開発の内製化が可能
高いスキルが不要で社内での開発が可能なため、コスト削減できます。

ツールにより一定の品質が期待できる
基本的にはコンポーネントの組み合わせで開発するので、品質が低下しにくくなります。

ツールを使うので保守作業もしやすい
保守作業も、開発に使用したツールを使用するので容易です。

ツールによって開発中のセキュリティが確保されている
ローコードツールには、開発・ローンチ・保守運用作業中のセキュリティを確保する機能があります。開発したアプリケーションのセキュリティ設定も容易です。

既存のシステムとの連携も可能
コーディングの余地があるので、既存の別のシステムとの連携がしやすくなっています。

ローコード開発のデメリット

ユーザーにはある程度のスキルが必要
ローコード開発ではコーディングするので、ノーコード開発よりはスキルが必要です。

拡張性や汎用性には制約がある
ローコード開発はある程度のコーディングが可能ですが、拡張性や汎用性は一定の範囲内でしか実現できません。より大きな拡張性や汎用性が必要であれば、フルコード開発をする必要があります。

開発の難易度やセキュリティ管理はツールに依存する
ローコード開発はツール上で行うため、使いやすさや機能の多くはツールに依存します。ツールにない機能は実現できません。

ローコード開発の効果的な使い方

ローコード開発なら現場のユーザーでもシステム開発ができるため、次のような場合に向いています。

ローコード開発が向いている場合

  • 開発にかかる時間を短くしたい
  • 開発にかかるコストを抑えたい
  • 業務システムの導入により、現在の業務フローを変更したくないので現場に合わせたシステムが欲しい
  • ランニングコストを抑えるため保守運用も社内で行いたい
  • 現在使用しているシステムを、自社に合わせてカスタマイズしたい

なかでも、Salesforceのような業務システムのカスタマイズにはよく使われています。

Salesforceカスタマイズ

ローコード開発の代表的な用途として、既存システムや新しく導入するシステムのカスタマイズがあります。例えば、Salesforceは基本的に導入時にカスタマイズして使うものです。そのため、Salesforce本体に、ローコード開発で独自のアプリケーションを構築できるプラットフォームが提供されています。また、ほかのユーザーが開発したシステムを購入することも可能です。

とくに、ビジネスアプリ開発用のLightning Platformという機能を使えば、Salesforceと連動した業務アプリケーションをニーズに合わせて内製できます。

ローコード開発の事例

海外での日本人向けタクシー予約アプリ

言葉の壁や文化・通貨の違いがある海外でも、安心してタクシーを使える予約アプリです。モバイル端末向けの単機能アプリなので、ローコード開発で開発期間とコストを従来から40%ずつ削減することができました。また、不具合率も40%削減できました。この日本人向けタクシー予約アプリについてはこちらを参照してください。日本人向けタクシー予約アプリ – ベトナムオフショア開発企業 | リッケイソフト

医療機関向けポータルサイト

医師不足や医師の過重労働を解消するため、病院間で情報連携をして医師の労働環境改善に貢献するWebアプリで、モバイル端末向けに開発されました。

全国の病院と連携するというと大掛かりに聞こえますが、既存のシステムとデータ連携して情報を更新・共有するフロントエンドシステムですので、ローコード開発でも開発可能なシステムです。この医療機関向けポータルサイトについてはこちらを参照してください。医療機関向けポータルサイト – ベトナムオフショア開発企業 | リッケイソフト

ローコード開発の特性を理解してうまく利用しよう

ローコード開発は、IT人材不足をうまく補いながら、現場のニーズをくみ取ったシステム開発をする方法として期待されています。

しかし、ローコード開発にも限界があり、万能ではありません。また、ローコード開発にはある程度のプログラミングスキルを持つ人材が必要です。そのため、ローコード開発でも対応が難しいという企業も多いことでしょう。

その場合は、システム構築やカスタマイズに関するスキルやノウハウを持つ企業でのオフショア開発も選択肢のひとつでしょう。

例えば、株式会社リッケイでは、Salesforceのカスタマイズや導入支援、開発連携支援などのサービスを提供し、多くの知見を持っています。オフショア開発をご検討の際はご相談ください。

参考:

要約文:

ローコード開発は、基本的にはコンポーネントの組み合わせですが、ある程度のコーディングが可能な開発手法です。ノーコード開発とは異なりコーディングできるため、外部との連携といった拡張性や自由度もあります。ただし、ツールによってできることには制限があります。

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