February 28, 2023

オフショア開発でコミュニケーションの壁を乗り越える基本的な手段とは?

オフショア開発において、言葉の壁や文化の違いは円滑なコミュニケーションの障害となることがしばしばあります。異なる母国語や習慣を持つエンジニアとの間での誤解を回避し、プロジェクトの成功を確保するためには、適切な対策が不可欠です。本記事では、オフショア開発におけるコミュニケーションの壁を乗り越える上でもっとも基本的なオフショア開発の形態や方法について解説します。

適切なオフショア開発形態を選択する

適切なオフショア開発形態を選択する

まずは、オフショア開発をどのような形態や方法によって行うかによって、コミュニケーションのしやすさが大きく異なってきます。オフショア開発の形態は、各企業やプロジェクトよってさまざまです

代表的には、以下のような形態があります。発注元の企業は、プロジェクトの性質や要件、予算などを考慮して、最適なオフショア開発方法を選択する必要があります。

  • オフショア開発(オフショアリモート開発)

発注元の国や地域とは異なる国や地域に開発を委託し、プロジェクトの進行をオンラインツールやコミュニケーションプラットフォームを通じて遠隔で管理します。クライアントと開発チームは物理的には近くにいないため、リモートでのコミュニケーションが主要な手段となります。

  • オフショア開発(オフショアリモート開発)

開発チームや担当者がプロジェクトの発注元の国や地域に派遣され、クライアントの現地で作業を行います。オンサイトのメンバーは直接クライアントとコミュニケーションを取り、要件の理解やフィードバックの収集を容易にします。

  • ハイブリッドアプローチ

開発チームや担当者がプロジェクトの発注元の国や地域に派遣され、クライアントの現地で作業を行います。オンサイトのメンバーは直接クライアントとコミュニケーションを取り、要件の理解やフィードバックの収集を容易にします。

  • オフショア開発センター

オフショア開発センターは、発注元の国や地域とは別の国や地域に、独立した開発拠点を設置する方法です。これにより、外部の開発会社とは独立した開発チームを持つことができます。クライアントが自社の拠点を持つことで、プロジェクトのコントロールとセキュリティの管理をより直接的に行うことができます。

言葉の壁や文化の違いを乗り越えて、コミュニケーションを円滑にする方法

1. 日本語でコミュニケーションできるブリッジSEを必ずアサインする

オフショア開発チームと日本語でコミュニケーションを行おうとする場合は、しっかりと日本語で技術的なコミュニケーションができる人材が在籍しているオフショア開発企業を選定する必要があります。実際にメンバー選定する場合には、どの程度の水準でコミュニケーションが可能なのか、実際に面談するなどして確認しておきたいところです。

特に、日本企業のプロジェクトでは、確定した設計仕様の変更などが生じるケースがありますが、こうした場合にはコミュニケーションは特に重要となります。例えば、日本語で何とか会話出来るというレベルと、きちんと意思疎通できて安心感のあるコミュニケーションができるレベルでは、開発現場においてその差はとても大きなものとなるはずです。

オフショア開発企業によっては、日本語を流ちょうに話すものの、技術的知識やスキルが少ないコーディネーター(またはコミュニケーターと呼ばれる人)をブリッジとしてアサインするケースがあります。そのようなケースでは、技術的な意思疎通がうまく得られないという問題が生じ、コミュニケーションロスに苦戦する可能性があります。

一方、日本企業向けに特化した日本企業とのプロジェクトの経験豊富なオフショア開発企業であれば、オンサイトで日本在住経験があり日本語レベルが高く、日本文化や日本型の開発手順への理解度も高いSEが在籍しており、日本人SEが在籍している場合もあります。こうしたブリッジSEはドキュメントも日本語で作成しますので、会話や文字による意思疎通にも安心感が得られるはずです。

また、こうした日本企業向けのオフショア開発企業では、オフショア現地においても従業員の教育体制を整えて日本語教育を行っており、日本語能力試験のN1、N2に合格するレベルのコミュニケーションができる多数のエンジニアが在籍しています。

2. オフショア開発会社のエンジニアにオンサイト常駐してもらう

オフショア開発における「オンサイト」には、多くのメリットがあり、コミュニケーションに関連するメリットが重要です。以下に主なメリットを列挙します。

  • コミュニケーションの円滑化

オンサイトメンバーが現地にいることで、クライアントとのコミュニケーションがスムーズに行われます。リアルタイムで会話をすることで、要件や課題の理解が深まり、ミスコミュニケーションのリスクが低減します。

  • フィードバックと変更への対応

オンサイトメンバーが直接プロジェクトの進捗を把握できるため、クライアントのフィードバックや要件変更に対応するのが容易です。迅速な対応により、プロジェクトの品質向上やタイムリーな納品が可能となります。

  • 現地の文化や業界知識の理解

オンサイトメンバーがクライアントの現地にいることで、その国や地域の文化や業界のニーズをより深く理解することができます。これにより、より適切なソリューションの提供が可能となります。

  • 信頼関係の構築

直接会って顔を合わせることで、クライアントとオフショア開発チームとの間に信頼関係が築かれやすくなります。信頼関係があると、プロジェクトの協力的な進行や問題の解決が円滑に行われるでしょう。

  • グローバルな視野の拡大

オンサイトメンバーが直接プロジェクトの進捗を把握できるため、クライアントのフィードバックや要件変更に対応するのが容易です。迅速な対応により、プロジェクトの品質向上やタイムリーな納品が可能となります。

ただし、オンサイトにはコストや時間の面での課題もあるため、企業はオフショア開発とオンサイトの組み合わせを検討し、プロジェクトの要件や条件に応じて最適な方法を選択する必要があります。

3. 日本側のPMがオフショア現地に常駐してマネジメントする

日本側のプロジェクトマネージャー(PM)がオフショア現地に常駐することには、いくつかの重要なメリットがあります。特に、コミュニケーション面においては以下のようなメリットがあります。

  • コミュニケーションの円滑化

現地にいることで、リアルタイムで会話をし、課題や進捗状況を共有できるため、ミスコミュニケーションのリスクが低減し、開発チームとのコミュニケーションがスムーズに行うことができます。

  • 要件の適切な伝達

直接顔を合わせることで、誤解を防ぎ、要件の理解度を確認することができるため、要件やニーズをより正確に伝えることができます。

  • フィードバックの収集と即時の対応

オフショア現地にいることで、プロジェクトに関する質問や修正が即座に行われることが可能になります。フィードバックを容易に収集し、必要な変更に素早く対応できます。

  • 文化的な違いの理解

オフショア現地の文化やビジネス慣習をより深く理解できます。これにより、開発チームとの間に信頼関係が構築され、円滑なコミュニケーションが促進されます。

  • 緊急時の対応

緊急の課題やトラブルに迅速に対応できます。時間差がある場合、オフショア開発チームが問題に対処するのに時間がかかることがありますが、PMが現地に常駐することで、素早い対応が期待できます。

このように、PMがオフショア現地に常駐することで、コミュニケーションの円滑化やプロジェクトの成功に寄与します。ただし、常駐には様々なコストや準備時間の面での課題もあるため、プロジェクトの要件や条件に応じて、最適なアプローチを選択する必要があります。

4. 英語を共通言語にする

母国語としないアジアの国々も含めて海外のオフショア開発会社とコミュニケーションを取る際、共通の言語として英語を選択する理由は複数あります。

英語は世界的に広く普及しており、アジアの多くの国でも教育やビジネスで使用されているため、異なる母国語を持つ相手と円滑なコミュニケーションを図るのに適しています。

また、アジアの国々がグローバルなビジネス展開を進めているため、国際取引やプロジェクトにおいて英語が共通の言語として選ばれることが増えています。

さらに、英語を共通言語とすることで、文化的な違いを克服し、より明確なコミュニケーションが可能となります。アジアには多様な言語が存在するため、特定のアジア言語を共通言語とすると相手とのコミュニケーションが難しくなることもあります。しかし、英語は多くのアジアの国々で使用されているため、より広範な相手とのコミュニケーションが可能です。

これらの理由から、英語を共通言語として選択することで、オフショア開発会社とのコミュニケーションが円滑になり、グローバルな展望を促進できると言えるでしょう。

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オフショア開発入門ガイド2023

オフショア開発を始める前の気になる疑問を解決!オフショア開発を検討中の方に向けて、オフショア開発の基本的な知識から注意点までを解説します。

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August 15, 2024

ベトナムのデジタル経済の未来 – 日本にとっての高度IT人材供給源 –

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August 7, 2024

リッケイ、ベトナム IT Day2024に参加!日本におけるオフショア開発の積極展開で表彰

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July 4, 2024

AI開発人材の確保ならベトナムオフショアがおすすめ

AI技術の進展とデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、企業は優秀なAI開発人材の確保が急務となっています。しかし、日本では少子高齢化による労働力不足や教育・研修体制の遅れ、人材獲得競争の激化などの課題から、国内でAI開発人材の確保が難しい状況です。そこでAI開発人材の外部調達が注目されています。本記事では、AI開発人材が求められる背景や社内育成と外部調達の比較、外部調達先としてのベトナムオフショアの魅力などについてご紹介します。  AI開発人材が求められる背景 AI技術の急速な進歩 AI技術は近年急速に進歩しており、特に機械学習やディープラーニングなどの分野で大きな成果が上がっています。これにより、AI技術を活用した新しいサービスや製品の開発が進んでいます。例えば、画像認識、自然言語処理、生成AIなどが多くの分野で実用化されています。企業が競争力を維持するためには、AI開発人材の確保が急務と言えます。  デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める中で、AI技術の導入が不可欠と考えています。AIを活用することで業務の効率化や新たなビジネスモデルの構築、顧客体験の創出が可能となります。  労働力不足 日本では少子高齢化に伴う労働力不足が深刻な問題となっています。AI技術を活用することで、労働力不足を補い、生産性を向上させることが期待されています。特に、単純作業の自動化やデータ分析の効率化などが挙げられます。  日本でAI開発人材の確保が難しい理由 教育・研修体制の遅れ AI技術は急速に進化しており、最新の知識やスキルを継続的に学び続けることが求められます。しかし、日本の教育機関や企業の体制はこのスピードに追いついていないのが現状です。AI技術を習得するためには、統計学や数学、プログラミングスキルなど高度な専門知識が必要であり、これを学ぶためには多大な時間と労力がかかります。  人材獲得競争の激化 AI技術は多くの産業で需要が高まっており、特に大企業や先進的なスタートアップが優秀な人材を争奪しています。このため、中小企業や新興企業が優秀なAI開発者を確保するのが難しくなっています。  海外への人材流出 優秀なAI開発者は、より高い報酬や研究環境を求めて海外に流出する傾向があります。特にアメリカや中国など、AI研究が盛んな国々が魅力的なオファーを提供しているため、日本国内に優秀な人材を留めるのが難しくなっています。 AI開発人材は社内育成すべき?それとも外部調達すべき? 社内育成のメリット 企業文化と業務理解の向上 社内で育成された人材は、企業の文化や業務プロセスに精通しているため、外部から採用する人材よりもスムーズにプロジェクトに適応できます。これにより、AI開発プロジェクトが企業の具体的なニーズや目標に沿った形で進行しやすくなります。 迅速な対応と柔軟性 社内のAIチームは、急な変更や新しい要件に対して迅速に対応できます。外部のパートナーに依存することなく、即座に対応策を講じることが可能です。社内チームは直接的なコミュニケーションが可能であり、フィードバックループが迅速に回るため、プロジェクトの進行がスムーズです。  知識とスキルの蓄積 社内で育成された人材は、プロジェクトを通じて得た知識やスキルを組織内に蓄積することができます。これにより、継続的なプロジェクトや新たな取り組みにおいてもその知識を活用することができます。  社内育成のデメリット 高コスト 社内育成には、設備投資、教育プログラムの設計・実施費用、継続的なスキルアップのための追加コストがかかります。これらのコストは一時的なものではなく、継続的な投資が必要です。これらの費用は特に中小企業にとっては大きな負担となる可能性があります。  最新の技術や知識をカバーできない 社内の教育プログラムだけでは、最新の技術動向や高度な専門知識を完全にカバーすることが難しい場合があります。特にAI分野は急速に進化しているため、外部の専門家や最新の研究成果にアクセスすることが求められることがあります。社内育成だけでは、これらの知識をタイムリーに取り入れることが難しくなる可能性があります。 引き抜きリスク 社内で育成した人材が他社に転職してしまうリスクがあります。せっかく時間とリソースをかけて育成した人材が流出すると、投資が無駄になり、再度新たな人材を育成する必要が生じます。特にAI開発人材は市場での需要が高いため、他社からの引き抜きリスクが常に存在します。  外部調達のメリット コスト効率 外部調達は、社内でAIチームを構築する場合に比べてコスト効率が高いです。特に、インフラやソフトウェアツールの初期投資が不要であり、外部パートナーが既に必要な技術とプラットフォームを持っているため、運用コストを削減できます。  専門知識と技術へのアクセス 外部調達により、AI開発の専門知識を持つグローバルな人材プールにアクセスできます。これにより、最新の技術やトレンドを活用することができ、内部チームでは得られない高度なスキルを持つ専門家と協力できます。  即戦力の確保 外部からAI開発人材を調達することで、即戦力となる専門家を迅速に確保できます。これにより、プロジェクトの立ち上げや進行がスムーズに行え、時間を節約できます。特に、急ぎのプロジェクトや高度な専門知識が必要な場合には大きな利点となります。 柔軟なリソース管理 外部調達により、プロジェクトのニーズに応じて人材を柔軟に増減することができます。これにより、リソースの無駄を減らし、コスト効率を高めることができます。特に、短期的なプロジェクトや特定のスキルセットが必要な場合には、外部調達が効果的です。  外部調達のデメリット データセキュリティの懸念 外部パートナーにデータを提供する際には、データのプライバシーやセキュリティに関する懸念が生じます。適切なセキュリティ対策が講じられていない場合、データ漏洩のリスクが高まります。  コミュニケーションの課題 言語や文化の違いにより、細かなニュアンスが伝わりにくいことがあります。コミュニケーションの質がプロジェクトの成功に直結するといっても過言ではないため、特にオフショア開発を利用する際は、事前にブリッジSEなどの日本語能力に問題がないか確認する必要があるでしょう。    コントロールの喪失 外部パートナーに依存することで、プロジェクトの進行や品質に対するコントロールが難しくなることがあります。特に、外部パートナーが企業のビジネスプロセスや文化を十分に理解していない場合、期待通りの成果が得られないことがあります。  AI開発人材の外部調達ならベトナムオフショア! 近年、ベトナムはオフショア開発先として最も注目されています。ベトナムオフショアはコストメリットだけでなく、ベトナムTopの理系大学であるハノイ工科大学がベトナム初の生成AIに特化したプログラムを開講するなど、優秀なAI開発人材の調達先として関心を集めています。ここでは、一般的なベトナムオフショアのメリットを紹介します。  コスト削減 ベトナムのAIエンジニアの人月単価は日本と比べて大幅に低く、ベトナムオフショアを利用することで、国内企業に依頼するよりも大幅にコストを削減することができます。国内企業に依頼すると、1人月150万円以上かかる場合がありますが、ベトナムのAIエンジニアだと半額程度に削減することができる場合もあります。  豊富な若手人材 ベトナムは若くて優秀なIT人材が豊富であり、政府もICT分野の人材育成に力を入れています。毎年57,000人ものIT技術者が育成されており、AIやデータサイエンスに関心を持つ若手が多いです。 地理的・文化的な親和性 ベトナムは親日国として知られており、時差も2時間と少なく、地理的に日本が一緒にビジネスをしやすい国の一つと言われています。また、勤勉な国民性という共通点もあり、文化的にも非常に協働しやすいです。  […]

September 15, 2023

DX人材の確保でオフショア開発が注目される理由とは

デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が、日本国内だけでなく世界中で急速に高まっています。特に欧米を含むグローバル市場では、競争に勝つためにはデジタル化による生産性向上や新商品開発が不可欠です。ところが、日本のDX化は遅れているとの指摘もあります。本記事は、日本におけるDX化の遅れやDX人材育成の重要性と課題を探りつつ、DX人材に求められる技術的/非技術的スキル、人材育成における外部リソースの活用ポイント、DX推進におけるIT人材不足の有力な解決手段としてのオフショア開発の利点などについて解説します。 世界のデジタル競争力ランキング1位はデンマーク、日本は過去最低の34位 スイスに拠点を置く国際経営開発研究所(IMD)が2022年の「デジタル競争力ランキング」を発表しました。このランクキングは、IMDが策定・公表しているデジタル競争力に関する国際指標で、国によるデジタル技術の開発・活用を通じ、政策、ビジネスモデルおよび社会全般の変革への影響を分析し、国のデジタル競争力を測定するものです。 デジタル競争力ランキングの1位はデンマークで前年の3位から躍進、次いで2位は前年首位のスイスでした。トップ10には、同じアジアから香港と台湾がランクインしており、香港は前縁から2つ順位を上げ5位、台湾は7位に上がりました。またトップ30では中国が17位、韓国が27位にランクインしています。日本は過去最低の34位に沈んでおり、アジア内での競争力低下が明らかになっています。 日本のDX化が進まない要因はIT人材不足 デジタル競争力ランキングはDX推進の現状を示すもので、日本の低ランク化にはIT人材不足が影響しています。特に、最新技術を備えたDX人材の不足が深刻化しています。 日本においてもDX化の重要性が各所で叫ばれていながら、なぜ、日本のデジタル競争力ランキングは上がらないのでしょうか。その要因の一つは、日本国内のIT人材不足だといわれています。それも、最新の技術スキルを持つDX人材が不足しており、この課題の解決が急務となっています。 高度なデジタル化を実現するには、専門知識と経験を持つ人材が必要であり、日本企業はその獲得を真剣に考える必要があります。今後の競争力向上のためにも、人材育成や多様な採用策が求められています。 DX推進において重要な技術とは DXの進化に伴い、DX技術は多岐にわたります。企業はそれらの新しいテクノロジーを活用して競争力を高めなければなりません。ここでは、DX技術の中でも特に重要な技術を紹介します。なお、これらの技術については、下記の記事で詳しく解説していますのでそちらもご覧ください。 【別記事】DX推進に必要な技術と活用事例を詳しく解説 1. 人工知能(AI)と機械学習 AIと機械学習は、DX推進におけるキーテクノロジーです。これらの技術は、売上予測や生産最適化など、多岐にわたる役割を果たしています。 また、画像解析を通じた自動運転や医療支援、音声解析によるカスタマーサポート向上、不正検出や法律分析、文章解析による業務効率化など、その応用は広範です。 ロボティクス分野でも活躍し、自動運転から農業支援まで多岐にわたる活用が期待されています。異業種での採用も増加し、DXの進化に欠かせない要素となっています。 2. 生成AI(Generative AI) 生成AI(Generative AI)は、いま最も注目を浴びている技術です。生成AIは、データのパターンを学習し、新しいコンテンツを作り出す技術です。2022年11月にOpenAIが「ChatGPT-3.5」を公開すると、その性能が大きな話題となり、2ヶ月で1億ユーザーに達しました。生成AIは、テクノロジーの進歩やデータ量の増加などの要因が組み合わさって急速に進化しており、その応用範囲も広がっています。 生成AIは、ChatGPTのような対話型AIチャットの他にも、画像生成、音楽・映像制作、製品デザイン、広告、コンテンツ生成、顧客対応、製造最適化、データ可視化などに活用され、新製品開発やマーケティング戦略の向上、プロセス効率化、品質向上などに寄与します。こうして生成AIは、企業のビジネスプロセスにさまざまな革新をもたらし、社会的変化をもたらす可能性が高まっています。 生成AIの進化は、労働市場にも影響を及ぼす可能性があります。ゴールドマン・サックスの調査(英語)によると、生成AIは10年間で世界のGDPを7%引き上げる可能性がある一方、将来的には現在の仕事の業務の4分の1がAIによって自動化でき、その影響を受けて 世界で3 億人のフルタイム雇用に相当する人々が自動化の対象にさらされる可能性があると示唆しています。同様に、日本でも約70%の労働人口がAIの影響を受けると予測されています。 3. クラウド・コンピューティング クラウドコンピューティングは、インターネットを介してオンデマンドでコンピュータリソースやサービスを提供する技術であり、企業が効率的にDXを実現するための基盤を提供します。クラウドを活用することで、スケーラビリティや柔軟性を実現し、ITインフラの効率を向上させることができます。クラウド上でアプリケーションを展開することで、迅速な開発と運用が可能となります。 クラウドコンピューティングは、DXの基盤を提供し、企業に多様なメリットをもたらす技術です。企業は、クラウドを活用することでスケーラビリティや柔軟性を実現し、ITインフラを効率化し、アプリケーションの迅速な開発と運用を行うことができます。また、SaaS、PaaS、IaaSを組み合わせて戦略的に利用することで、ビジネスプロセスを改善させることができます。新たなサービスの提供、データ解析、柔軟なインフラ運用など、競争力の強化と持続的なイノベーション推進のために、適切なクラウド戦略の構築が求められています。 4. ビッグデータとアナリティクス ビッグデータ技術とアナリティクスは、企業のDX推進において欠かせないツールとなっています。ビッグデータは大量のデータから価値を抽出し、アナリティクスはデータを解析し、トレンドやパターンを見つけ、戦略的な意思決定を支援します。 ビッグデータは通常のデータベースでは処理できない巨大なデータセットを指し、非整理データも含まれます。ビッグデータは「3V」(ボリューム、バラエティ、速度)の特徴を持ち、多量で多様な形式のデータが含まれます。 一方、アナリティクスはデータを分析し、傾向やパターンを理解し、ビジネスインテリジェンスや予測分析などに活用されます。データを可視化し、統計的手法や機械学習、AIを使用して価値ある情報を引き出すプロセスです。 製造、金融、物流、小売、旅行、エンターテインメント業界など、広範囲な業種かつビジネスの様々な分野で活用されています。データ駆動の戦略を通じて、データを活かしたイノベーションを促進し、競争力の向上と事業成長を実現することが期待されています。 5. IoT IoT(Internet of Things)は、競争力向上や効率化、革新を通じたDXの一環として、企業にとって欠かせない存在です。物体やデバイスがインターネットを通じて接続され、リアルタイムの情報を交換することができる革新的テクノロジーです IoTは、センサーとアクチュエーターを備えたデバイスがデータを収集し、送信し、処理・分析され、意思決定と制御が行われ、結果が表示されるプロセスで構成されます。センサーとデバイスが相互に通信するIoTは、データ駆動の戦略を展開し、即座の意思決定を可能にします。 すでに、製造、小売、医療、交通、農業、エネルギーなど多様な業界でIoTが活用され、データドリブンの進化と新たなビジネスモデルの創造に寄与しています。 6. ブロックチェーン ブロックチェーン技術は、信頼性と透明性の確保のためにDXに活用されます。ブロックチェーンの基本的な仕組みは、分散化、ブロック連鎖、暗号学的ハッシュ、コンセンサスアルゴリズム、スマートコントラクトの自動実行などから成り立っています。 ブロックチェーンは、暗号技術を用いて取引情報を1本の鎖状につなげ、分散型で透明な台帳を実現します。メリットとしては、信頼性向上、中間業者排除、トレーサビリティ、新ビジネスモデル創出などが挙げられます。 ビジネスにおける応用例としては、製造業でのサプライチェーン管理や知的財産管理、小売業での偽造防止や報酬ポイント、金融業での国際送金の効率化、医療業での患者データの共有、ゲーム業でのNFT利用などに活用されています。 7. ノーコード開発/ローコード開発 ノーコード開発とローコード開発は、DX推進の要となる技術であり、ビジネス革新を助ける重要なツールです。どちらもプログラミング知識が限られたユーザーでもアプリケーションを構築できる手法です。 ノーコード開発はプログラミングが不要で、直感的なインターフェースを通じてアプリを作成することができます。一方、ローコード開発は少量のコードを使い、効率的なアプリ構築が可能です。両者ともビジネスのデジタル化と革新を支援します。 主なローコード開発ツールとしては、Mendixはエンタープライズ向けローコード開発プラットフォームとして知られており、ビジネスプロセスの最適化や効率向上に適しています。この他、Microsoft Power AppsやSalesforce Lightningなどがあり、業務効率向上やデータ分析、モバイルアプリ開発、顧客エクスペリエンス向上、イノベーション促進など、さまざまな目的で活用され、企業のDX戦略には欠かせないツールとなっています。 【別記事】DX推進に必要な技術と活用事例を詳しく解説 […]

August 18, 2023

DX推進に必要な技術と活用事例を詳しく解説

DXの浸透に伴い、企業は新しいテクノロジーを活用して競争力を高める必要があります。DXに必要な技術は多岐にわたりますが、その中でも特に重要な技術と業種別の活用事例などを紹介します。 DX推進において重要な技術 以下に紹介する技術は、DXを推進するために不可欠であり、企業がこれらの技術を適切に組み合わせて活用することで、業務効率化、革新的サービスの提供、市場競争力の維持・強化などが可能となります。 1. 人工知能(AI)と機械学習 DXに必要な各種技術の中でも、AIは主要なカギを握っています。AIは人間の知能を模倣し、情報処理能力を超越する技術であり、多岐にわたる業務に活用されています。以下に、AIがDX推進に果たす役割ついて見ていきましょう。 【AIが果たす役割と活用例】 (1) 予測・分析  AIは膨大なデータを学習し、特徴を抽出して予測や分析を行う能力を持っています。新たなデータを読み込むことで、予測精度を向上させます。 小売業では売上予測や在庫最適化にAIを活用されたり、市場トレンドの予測や顧客の購買行動の分析に活用もされます。 (2) 最適化  AIは異なる目的や制約を考慮して最適な選択肢を導き出し、意思決定を支援します。 製造業では生産ラインの最適化や資材調達の最適化にAIを活用し、効率とコスト削減を実現しています。また、さまざまな業界で、棚割最適化や運転計画の最適化、プロモーション戦略の最適化などに応用されています。 (3) 画像解析  AIは画像解析技術と組み合わせて、画像の分類や検出を行います。ディープラーニングによる学習により、物体の特徴や特性をより正確に把握できます。顔認識や異常検知などで活用されます。 自動車業界では自動運転車のセンサーデータを解析して周囲の状況を把握し、安全な運転を支援します。医療業界ではX線画像の解析にAIを導入し、病変の早期発見を支援します。製造業では製品の欠陥検出や安全監視に活用されています。 (4) 音声解析 AIは音声解析にも応用され、話し声を文字に変換する能力を持っています。コールセンターでは音声解析により顧客の声から感情や要望を把握し、カスタマーサポートの向上に貢献しています。 また、言語翻訳アプリケーションもAI技術を利用しています。医療業界では、診療記録の自動化や診断支援に活用されています。スマートフォンの音声アシスタントやスマートスピーカーの技術により、人間とのコミュニケーションを支援します。 (5) 文章解析 AIは文章を解析し、情報の把握や分類、ラベリングを行います。文書の要約や業界固有の名詞認識など、文章処理を効率化します。 金融業界では不正検出にAIを活用し、怪しい取引を自動的に検出して防ぎます。また、法律業界では契約書の分析や法律文書の要約にAIを導入して効率化を図っています。 (6) ロボティクス AIと連携することで、ロボット工学が進化します。センサーデータの収集とAIの処理を組み合わせ、汎用物体把持や秤量などの作業を効率的に行います。 自動車業界では自動運転技術などに活用され、製造業では産業ロボットの制御にも活用されています。農業業界ではドローンにAIを搭載して作物の成長状況をモニタリングし、効果的な農作業計画を立てる例があります。また、物流センターでは自動倉庫ロボットがAIによって荷物の取り扱いを最適化しています。 2. 生成AI(Generative AI) AI技術の中でも注目を集めているのが生成AI(Generative AI)です。この技術は、コンピュータが既存のデータセットから学習し、新たなコンテンツやデザインを生成する能力を持つものです。 文章、画像、音楽などの創造的な要素をAIが生成し、新しいアイデアやコンセプトの発展を支援するため、クリエイティブな領域に大きな可能性をもたらしています。企業は生成AIを活用して革新的なプロジェクトを推進することが可能です。 【生成AIが果たす役割と活用例】 生成AIは、幅広い領域で活用することが可能です。以下にいくつかの具体例を紹介します。 (1) 文章生成 生成AIは文章の生成にも活用されます。記事、物語、詩などの自動生成が行われ、ブログやニュースサイトなどでコンテンツの生成に使用されています。特定のトピックに関する文章を自動的に生成することで、コンテンツ制作の効率を向上させることができます。 対話型AIチャットサービス「ChatGPT」は、生成AIの実用的な応用例として挙げられます。ChatGPTは、ユーザーと自然な対話を行いながら文章を生成する能力を持ち、カスタマーサポートからクリエイティブな執筆まで幅広い領域で活用されています。 (2) 画像生成と修復 生成AIは、写真の修復や画像の生成に使用されます。古い写真の劣化を修復したり、写真から新しい視覚的な要素を生成する際に活用されます。また、デザイナーやクリエイターは生成AIを使用して新しいデザインやアートワークを生成し、クリエイティビティを刺激します。  画像生成AIサービス「Stable Diffusion」などの画像生成AIサービスは、生成AIを用いて画像を生成する例です。この手法は、リアルな画像を生成する際に、ディープラーニングの手法を活用し、高品質な画像を生成することが可能となりました。この技術は、デザインや映像制作などの分野で大きな影響を与えています。 (3) 音楽生成 音楽の作曲にも生成AIが用いられます。既存の楽曲のパターンを学習し、新しいメロディーやハーモニーを生成することが可能です。これにより、新しい楽曲の制作やバリエーションの生成が容易になります。 (4) 映像生成 動画の生成や編集にも生成AIが活用されます。既存の映像から新しいシーンやエフェクトを生成したり、映画の予告編や広告の制作に使用されます。また、アニメーション制作などでも活用されています。 【企業における生成AIの応用範囲】 […]

March 27, 2023

受託開発とは?メリット・デメリット、オフショア開発での受託プロジェクト例

ビジネス環境の急速に変化やテクノロジーの進化によって、競合力の維持が課題となる中、様々な開発アプローチが模索されています。各種の開発手法における提柔軟性と効率性はどの方法が最適か、多くの企業にとって重要な戦略的オプションとなっています。 本記事では、受託開発に焦点を絞り、その要点やメリット・デメリット、受託開発の流れを解説するとととに、オフショア開発によって行われている受託開発プロジェクトについても紹介します。 自社開発と受託開発 自社開発と受託開発は、ソフトウェアやプロジェクトの開発方法論に関する2つの異なるアプローチです。企業はプロジェクトの性質や企業の戦略に応じて自社開発と受託開発を組み合わせて使用することで、効果的なソフトウェア開発に効果を発揮します。 自社開発とは 自社開発は、企業が自社の内部リソースを使用してソフトウェアプロジェクトを設計、開発、運用する方法です。企業はソフトウェア開発の全体のプロセスを管理し、プロジェクトに直接関与します。開発者は会社の従業員となります。 自社開発は、自社内に開発チームを組織し、自社製品やカスタムアプリケーションを開発し、自社のビジネスニーズに合わせて柔軟に対応する場合に行われます。 受託開発とは 受託開発とは、企業などの委託主(クライアント)が、自社のプロジェクトやソフトウェア開発に関する特定のタスクや作業を、外部の専門的な開発会社や個人(受託先、開発者、ベンダー)に委託する方法です。 クライアントは開発会社に対してプロジェクトの要件や仕様を提供し、開発会社はそれを実装し、クライアントに成果物を提供します。受託開発は、専門的なスキルやリソースにアクセスするため、自社開発では不足している場合や一時的なニーズに対処するために利用されます。 受託開発は、ソフトウェア開発、ウェブ開発、モバイルアプリ開発、データ分析、品質保証など、さまざまなIT関連プロジェクトに適用されます。 また、受託開発は、フルスクラッチ開発以外の依頼も可能です。受託開発は、新規のソフトウェアプロジェクトを完全に新たに開発するだけでなく、以下のような様々な形態のプロジェクトにも適用されます。 【受託開発のプロジェクト適用例】 (1)既存システムのカスタマイズ 既存のソフトウェアやシステムに特定の機能追加や変更を加えるために受託開発を依頼することがあります。これにより、既存システムを新しい要件に適応させることが可能です。 (2)既存プロジェクトのサポート 既存のプロジェクトやアプリケーションの保守、運用、トラブルシューティング、アップデート、セキュリティパッチの適用など、サポート関連の作業を受託開発に委託することがあります。 (3)アプリケーションの移行やマイグレーション 既存のアプリケーションやデータを新しいプラットフォームに移行するための受託開発プロジェクトも一般的です。これはデータベース移行、クラウド移行、ハードウェアの更新などを含みます。 (4)サードパーティ製品の統合 サードパーティのソフトウェア製品やAPIを既存のシステムに統合するためのカスタム開発が必要な場合、受託開発を利用します。 (5)テストと品質保証 ソフトウェアテストや品質保証作業を外部の専門家に委託することがあります。特に大規模なプロジェクトでは、独立したテストチームが品質管理を行います。 受託開発は、新規開発だけでなく、既存のソフトウェアやプロジェクトの拡張、改善、保守、統合などにも適用され、クライアントの特定のニーズに合わせてカスタマイズされることが一般的です。 受託開発のメリットとデメリット 受託開発の主要なメリットとデメリットは、主に以下の通りです。 受託開発のメリット ・専門知識の活用 開発会社は技術的な専門知識と経験を持っており、クライアントはその専門知識を活用できます。これにより、高品質で効率的なソフトウェア開発が可能です。 ・コスト削減 開発会社は設備やリソースを共有できるため、クライアントは自社での開発に比べてコストを削減できます。また、受託開発会社は人件費などのリソースに関する管理も行います。 ・コアビジネスに専念できる クライアントはソフトウェア開発に関するすべての責任を開発会社に委託できるため、自社のコアビジネスに専念できます。 ・スケーラビリティ 開発会社はプロジェクトの規模や要件に応じてリソースをスケールアップまたはダウンでき、柔軟性があります。 ・リスク分散 開発会社はプロジェクトのリスクを共有し、問題が発生した場合にも対応できる体制を持っています。 ・フルスクラッチ開発の自由度 受託開発では、ソフトウェアをフルスクラッチで開発できるため、機能や仕様に関して自由度が高いです。クライアントの要求に合わせてカスタマイズされたソリューションが提供されます。 受託開発のデメリット ・コミュニケーションの課題 クライアントと開発会社の間で適切なコミュニケーションが確保されない場合、要件の誤解やプロジェクトの方向性のずれが発生する可能性があります。 ・品質管理の難しさ クライアントは開発の進行状況をリアルタイムで把握しづらいため、品質管理やテストの監視が難しい場合があります。 ・コントロールの喪失 開発会社がプロジェクトの制御を握っているため、クライアントは一部の意思決定権を委任しなければならない場合があります。 ・細部の把握の難しさ クライアントは開発の詳細なプロセスや技術的な側面について十分な知識を持っていない場合、プロジェクトに対するコントロールが難しくなる場合があります。 ・契約や法的な課題 契約や法的な問題が発生する可能性があるため、契約書の明確な取り決めが必要です。 受託開発の流れ システム開発における受託開発の一般的な開発フローは以下の通りです。 1. システム構築の検討・決定 システム構築の必要性を検討し、社内での検討と決定プロセスを実施します。どのようなシステムが必要か、現行システムの制約事項、パッケージソフトウェアやクラウドサービスの適用可能性などを評価します。 […]