October 12, 2022

【2022年最新】オフショア開発の人月単価相場動向、人気のベトナムほか国別比較

オフショア開発で最適な国を決定するときには、コスト、言語、文化、時差(タイムゾーン)、信頼性など考慮すべき要素がいくつかあります。詳しくは『オフショア開発とは|メリット・デメリット・成功に導く6つのポイント』でも紹介していますのでご覧ください。本記事では、オフショア開発に最適な国を知る上で重要となる、各国の人月単価と国ごとの特徴について紹介します。

オフショア開発国のITエンジニアの人月単価相場

ITエンジニアにかかるひと月あたりの人件費を人月単価と言います。人月単価は、コスト削減を目的としたオフショア開発で最適な国を決定する際の1つの尺度となります。昨今の日本国内のITエンジニアの平均人月単価の相場が80~100万円前後と言われています。

日本人ITエンジニア 職種別平均人月単価

それでは、オフショア開発委託先の国の人月単価相場はどの程度低いのでしょうか。人月単価相場は、それぞれの国の物価や人件費、ITエンジニアの技術力の差などによって異なります。以下の表は、株式会社Resorz(オフショア開発.com)が発表した『オフショア開発白書 2022年版』によるオフショア開発委託先の国のITエンジニアの人月単価相場を元に当社が作成したものです。

日本企業のオフショア開発の聡明期から委託先として主流だった中国とインドは、他国に比べて人月単価相場が高めになっています。また、中国とインドのブリッジSEの相場が昨年から高騰しており、日本との人件費の差がかなり縮まって相場的にはコスト削減効果は薄れています。なお、最新の北京や上海のSEの人月単価は下記の表よりも大幅に値上昇して「日中逆転現象」も発生しています。

各国の職種別平均人月単価

一方、ベトナム、バングラディッシュ、ミャンマーなどの東南アジアの国々の相場は、日本の相場と比較してもまだ魅力的な人月単価相場となっています。

特に、ベトナムは、ITエンジニアのレベルが高い人材が多い上に、人月単価相場は急騰することもなく安定的に推移しており大変魅力的な国となっています。

また、バングラディッシュでは、PG、SE、ブリッジSEの相場が急騰しており、今後が気になるところです。

ITエンジニアの人月単価相場は、必要とされるリソースの需要と供給のバランスによって左右されるほか、各国の経済状況や雇用状況、為替変動などの影響により変動します。円安・円高などの為替変動によるリスクを回避するために、円建ての取引きやその他の為替リスクヘッジ対策を行うことも重要です。

オフショア開発で人気の各国の特徴と国内事情

ベトナム

ベトナムは、日本のIT企業に人気No.1のオフショア開発国です。ベトナムは古くから日本が政府開発援助(ODA)などで支援をしていたこともあり、親日派が多いことで知られています。また日本の電機メーカーや自動車メーカーや二輪メーカーが多く進出しており、身近に日本を想起させるものが多いことも日本への親近感を強くしている理由です。

ベトナムは社会主義国ですが、安定した政治と高い経済成長率を保っています。柔軟で慎重な金融政策により、消費者物価指数は年率4%未満を維持しており、世界でも急速に経済成長を遂げている国のひとつです。

IT政策の面では約300の大学と専門学校でICTトレーニングを提供し、ICT履修生徒数は約55,000人を数えるなど、インダストリー4.0向けのデジタル人材を国家戦略として積極的に育成しています。充実したICT教育により、高度なスキルとモチベーションの高い豊富なIT人材プールを保有しています。IT人月単価は中国、インドよりも安く、バングラデシュ、ミャンマーよりはやや高めです。

中国

オフショア開発の黎明期に人気No.1だったのが中国です。中国は文化大革命後に驚異的な経済発展を遂げ、今やGDPでは日本を抜き世界第2位となりました。政情は中国共産党一党独裁であり、国の事情に応じて規制がすぐ変化するのが難点と言えます。これをカントリーリスクと捉え、中国から撤退する外国企業や日本企業も近年は多くなっています。

中国は人口が多く、IT人材も豊富で高度な技術力を持つ優秀なITエンジニアがいることが特徴です。一方、人月単価は相対的に高騰しており、直近では日米逆転現象も起こっているケースが見られます。また、転職を繰り返すジョブホッパーが多いので、人材の入れ替わりが激しいことは覚悟しておく必要があります。

インド

インドは中国と並び、昔からオフショア開発が盛んな国です。中国と同様に人口が多くIT人材も豊富で、高度な技術力を持つ優秀なITエンジニアがいることが特徴です。なお、未だにカースト制度の影響が残っているため高度な教育を受けられる人は限られています。

日本とは友好関係にあり、円借款によりインド国内では上下水道の整備や鉄道の拡充などが行われています。インドのオフショア開発は欧米企業との取引が多く、コミュニケーションは英語が中心です。IT人月単価は相対的に高めです。

フィリピン

フィリピンもオフショア開発では人気の高い国です。フィリピンには、以前から日本が積極的に経済援助しているため両国の関係は良好です。日本企業も多く進出しており、ソフトウェアを中心としたIT人材も比較的多いと言えるでしょう。

ただし、フィリピンは近年こそ政情的に安定はしていますが、治安には問題があります。犯罪率は年々減少しているものの、強盗や殺人などの重大犯罪が多く、赴任や出張などの際にはセキュリティに注意が必要です。コミュニケーションは英語が中心です。IT人月単価はベトナムと同程度で、バングラデシュやミャンマーよりもやや高めです。

バングラデシュ

人件費によるメリットと年21%のICT市場の年間平均成長率(バングラデシュICT省2019資料より)を背景に、近年ポストベトナムと呼ばれるほど注目を集めてたのがバングラデシュです。バングラデシュは全方位外交を進める国であり、近隣のインドをはじめ、中国、アメリカ、日本などと友好関係にあります。

日本からは政府開発援助として資金提供しており、運輸や電力などのインフラ整備を積極的に行っています。しかし、原材料・部品の現地調達の難しさや通関に時間を要すること、電力不足・停電、従業員の賃金上昇など、まだ不安定な要素が多いことが課題となっています。

国としてはIT立国を目指しており、教育投資の結果、近年はIT人材が急増しています。人月単価はベトナムやフィリピンより安く、ミャンマーより若干高い水準。ただしインターネット環境など、ITのインフラ整備がまだ追いついていなかったり、電力需要が日々増加しており電力需要が発電能力を常に超えているため、しばしば停電を強いられることなどが難点となっています。

ミャンマー

以前から日本はミャンマーに対して多額の政府開発援助を行っており、日本との関係が深い国です。IT系大学のトップレベルの優秀なIT人材でも買い手市場と言われ、人月単価もバングラデシュより若干低い水準で「アジア最後のフロンティア」などと呼ばれて注目を集めた時期もありました。しかし、まだまだ発展途上のためにITインフラが整っておらず、輩出する人材数はそれほど多くなく技術レベルにも差があります。

2021年2月1日に国軍によるクーデターが発生して1年以上を経過しましたが、現在もなお同国は揺れている状態です。これまでに国軍の弾圧により多くの民間人の死者や拘束者が出ており、2022年になった現在も増加しています。クーデターに加えてコロナの影響も加わり経済状況は悪化しています。このような状況下において、進出している日系企業のビジネスへの影響が懸念されています。

オフショア開発委託先の選定は総合的に判断

コスト削減を目的としたオフショア開発では、ITエンジニアの人月単価だけに注目することは危険です。オフショア開発国を選定する際には、優秀な人材やスキルの供給源として長期的な視点で関係性を築いていくことも大切なことです。そういった視点を加味したうえで、IT人材が豊富であることや、人月単価、政情や治安など総合的にバランスがとれているベトナムに人気が集中している点はうなずけます。

また、何よりオフショア開発のプロジェクトを円滑に進められなければ、オーバヘッドにより人件費オーバーになってしまう危険性もあります。オフショア開発の委託先となるパートナーが信頼関係を築くことができる相手なのか、優秀なIT人材が確保できるのか、自社の開発プロセスで必要な工程をアウトソーシングできるのか、言語やコミュニケーションの壁をどのように乗り越えられるのかなど、日本企業とのビジネスが円滑にできるかどうか、実績や経験も踏まえて総合的にチェックしておきましょう。

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オフショア開発入門ガイド2023

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February 13, 2025

オフショア開発の新潮流:チャイナリスクを避け、分散とリソース確保へ

近年、オフショア開発の目的は「コスト削減」から「リソース確保」へとシフトしています。特にチャイナリスクの高まりを受け、多くの企業が開発拠点の分散を進めています。  最新の「オフショア開発白書2024」によると、オフショア先としてベトナムが42%のシェアを獲得し、依然として最も人気のある国であることが明らかになりました。一方、中国は26%と2位を維持していますが、規制強化や単価上昇により新規発注の割合は減少傾向にあります。  本記事では、「オフショア開発白書2024」のデータを基に、チャイナリスクの現状、オフショア先分散の重要性、オフショア開発の最新トレンドについて解説します。  チャイナリスクの現状 「オフショア開発白書2024」によると、中国をオフショア先として活用する企業の割合は26%と依然として高いものの、近年さまざまなリスクが浮上しています。ここでは、企業が直面する具体的なチャイナリスクを整理します。  カントリーリスクの高まり 中国政府による規制強化や日中関係の悪化は、オフショア開発に大きな影響を与えています。特に以下の点がリスクとして指摘されています。  データセキュリティ規制の強化 近年、中国ではデータ管理に関する法律が厳格化され、国外とのデータのやり取りが制限されるケースが増えています。  ジオポリティクスの影響 米中対立の影響により、中国に拠点を置く企業が輸出規制や制裁の対象となるリスクが高まっています。  規制によるビジネス環境の不透明さ 突然の法律改正や政策変更が事業運営に影響を及ぼすことが懸念されています。 エンジニア単価の上昇 中国のプログラマーの平均人月単価は44.4万円と、ベトナムの39.4万円と比較して約12%高い水準となっています。さらに、シニアエンジニアやプロジェクトマネージャーの単価も高騰しており、特に高度技術分野(AI、ブロックチェーンなど)では、日本国内とほぼ同等、またはそれ以上のコストが発生するケースもあります。  中国には多くの優秀なエンジニアが存在し、先端技術(AI、クラウド、ブロックチェーン)の分野では依然として強みを持っています。しかし、これまで中国に開発を集中させていた企業は、カントリーリスクやコスト増により、開発の分散を進める必要性を感じています。「オフショア開発白書2024」によると、オフショア先の分散を検討している企業の割合は前年より増加しており、ベトナムやインド、フィリピンへのシフトが進んでいます。  最新のオフショア開発委託先ランキング 前章でも述べたように、中国のデータセキュリティ規制の強化や米中対立の影響、中国のエンジニア単価の上昇等の理由により、中国から他の国へ開発拠点を移行する企業が増加しています。  「オフショア開発白書2024」のランキングによると、2024年のオフショア開発委託先は以下のようになっています。  引用元:オフショア開発白書 2024年版 なぜベトナムがオフショア委託先として最適なのか ① コストパフォーマンスが高い ベトナムのプログラマーの平均人月単価は39.4万円と、中国より約12%安価です。シニアエンジニアやプロジェクトマネージャーの単価も、他のオフショア国と比べて競争力があります。 ② IT人材が豊富 ベトナムは国家としてIT人材の育成に力を入れており、エンジニアの供給が安定しています。日本語対応エンジニアの育成も進んでおり、日本市場向けの開発に強みを持っています。  ③ 日本との親和性が高い ベトナムは親日国であり、日本市場をターゲットにするIT企業が多いです。ブリッジSEの充実により、日本企業とのコミュニケーションもスムーズです。  ④ 開発分野の多様化 近年、ベトナムのオフショア開発は、従来のWebシステム開発やスマホアプリ開発に加え、AI・ブロックチェーン・クラウドなどの先端技術開発にも対応する企業が増えています。  ベトナム以外のオフショア開発候補として、インド、フィリピン、東欧諸国も注目されています。それおぞれの特徴は以下の通りです。  インド:  AI・ブロックチェーンなどの先端技術に強い。エンジニアのスキルレベルが高いが、プロジェクト管理が難しいことも。  フィリピン: 英語対応が可能で、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)やグローバル案件に適している。  東欧諸国: 高品質な開発が可能。欧米市場向けの案件が多いが、日本市場向けの経験が少ない。  オフショア開発の委託先を分散する重要性 近年、オフショア開発の戦略として「開発拠点の分散」が注目されています。ここでは、分散化が求められる理由と、具体的な分散戦略のポイントについて解説します。  1カ国依存のリスク オフショア開発の拠点を1カ国に集中させることは、ビジネスの継続性に大きなリスクをもたらします。  ①カントリーリスク 中国の規制強化、ミャンマーの政情不安、突然の法改正や貿易規制により、開発継続が困難になる可能性があります。  ②為替リスク 円安や現地通貨の変動によって、開発コストが大きく変動するリスクがあります。例えば、円安の影響で、中国の開発単価が前年比約10%上昇しました。  ③人材確保のリスク 特定の国でエンジニアの需給バランスが崩れると、採用競争が激化し、コスト増加につながります。  分散戦略のメリット ①事業継続性(BCP)の確保 特定の国で問題が発生しても、別の拠点で開発を継続できます。 例:ミャンマーの政情不安を受け、開発をベトナム・フィリピンへ分散する企業が増加。  ②コスト最適化 国ごとの単価差を活用し、コストパフォーマンスを最適化できます。 例:ベトナムでの基本開発 + インドでの高度技術開発 + フィリピンでのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)などの組み合わせ。  ③技術・スキルの最適配置 国ごとの得意分野を活かし、開発効率を向上できます。 例:AI・ブロックチェーン開発はインド、モバイルアプリ開発はベトナム、サポート業務はフィリピンなど。  オフショア開発の分散化は、カントリーリスクやコスト上昇リスクを軽減し、安定した開発体制を構築するために不可欠な戦略です。多くの企業が中国依存を避け、ベトナムを中心に複数の国へ開発拠点を分散させる動きを加速させています。  特にベトナムは、コスト・技術・リソースのバランスが取れており、分散戦略の中心に適した国です。  オフショア開発の最新トレンド:コスト削減からリソース確保へ オフショア開発は従来「コスト削減」を最大の目的として活用されてきました。しかし、2023年から「開発リソースの確保」が主要な目的へと変化しています。  ここでは、その変化の背景と、今後のオフショア開発の方向性について解説します。  […]

February 12, 2025

ポストチャイナとベトナムの可能性 – (2)日本企業が新たな拠点を求める理由

本記事は2部構成の後編です。前編では、日本企業が直面しているチャイナリスクと米中貿易摩擦の影響について解説しました。後編では、日本企業が中国から他国へ拠点を移転する動向と、その中でも特に注目されているベトナムの優位性について詳しく見ていきます。 ▼前編の記事はこちら2025年、ポストチャイナとベトナムの可能性 ー (1)チャイナリスクと米中貿易摩擦の行方 日本企業の中国から他国への移転状況 近年、日本企業は中国から他国への生産拠点の移転を加速させています。この動きの背景には、チャイナリスクの高まりやコスト競争力の低下があり、企業は新たな展開先を模索しています。 事業展開が有望な国・地域ランキング 国際協力銀行(JBIC)が実施した「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」によると、今後3年程度の有望な事業展開先として、インドが3年連続で首位を維持し、ベトナムが2位となっています。一方で、中国は6位に順位を落とし、有望国としての中国離れが鮮明になっています。このランキングは、日本企業が中国から他国への移転を検討する際の指標となっており、特にインドとベトナムが注目されています。 日本企業の海外直接投資(FDI)動向:中国 vs ベトナム 本企業の海外直接投資の動向を見ると、ベトナムへの投資が増加傾向にあります。大和総研のレポート「ベトナムへの進出/ビジネス拡大の好機(2024/11 /20 )」(PDF)によると、2023年の日本の対ベトナム投資額は、対中国投資額の1.1倍に達しており、ベトナムへの投資選好の高まりが示されています。この傾向は、ベトナムが製造業の新たな拠点として注目されていることを反映しています。 日本企業の拠点移転動向(製造業・IT業) 製造業においては、人件費の上昇や地政学的リスクを背景に、中国からベトナムやインド、メキシコなどへの生産拠点の移転が進んでいます。一方で、IT業界では、ベトナムがオフショア開発の拠点として注目を集めています。ベトナムの若年層の豊富な労働力と技術力の向上が、IT業界の進出を後押ししています。 これらの動きは、企業がリスク分散とコスト競争力の確保を目指していることを示しています。中国からの移転先としては、ベトナム、インド、メキシコが有力な選択肢となっており、中でもベトナムは製造拠点と市場の両面での魅力が評価されています。 ベトナムの優位性と今後の展望 ベトナムの経済成長率と労働人口 ベトナムは近年、安定した経済成長を遂げています。ベトナム統計総局によると、2024年の実質GDP成長率(推計値)は前年比7.09%であり、1人当たりGDPは4,700ドル(前年より377ドル増)と推定されています。 労働人口に関しては、2023年にベトナムの人口は約1億300万人に達し、そのうち6,700万人以上が生産年齢人口(15~64歳)に該当します。平均年齢は31歳と若く、豊富な労働力が経済成長を支えています。 このような経済成長と若年層の豊富な労働力は、ベトナムが製造業やIT業界の新たな拠点として注目される要因となっています。 チャイナ・プラスワンの他の候補国に比べてベトナムが有利な点 チャイナ・プラスワン戦略において、ベトナムは他の候補国と比較していくつかの優位性を持っています。 まず、ベトナムの賃金水準は他の新興国と比較して依然として低く、豊富な労働力を有しています。これにより、低コストでの生産が可能となり、多くの企業が進出を検討する要因となっています。 次に、ベトナムは政治的に安定しており、外交リスクが小さいため、企業の進出先としての安心感があります。加えて、地理的にも中国と国境を接しており、中国のサプライチェーンとの連携が容易であることも大きなメリットとなっています。 また、ベトナムは積極的に貿易協定を締結しており、多くの貿易相手国と関税面での優遇措置を享受する環境にあります。これにより、輸出入のコストが抑えられ、企業にとっての競争力を高める要因となっています。 これらの要因により、ベトナムはチャイナ・プラスワンの候補地として他国よりも有利な位置にあると考えられます。 低賃金と豊富な労働力:ベトナムは他の新興国と比較して賃金が安く、豊富な労働力を有しています。 政治・外交リスクの低さ:ベトナムは政治的に安定しており、外交リスクも小さいため、企業の進出先として安心感があります。 地理的優位性:ベトナムは中国と国境を接しており、中国のサプライチェーンとの連携が容易です。 積極的な貿易協定の締結:ベトナムは多くの貿易協定を締結しており、輸出入における関税面での優遇を受けやすい環境にあります。 ポストチャイナ時代に向けた日本企業の新たな選択肢 日中関係の変化や米中貿易摩擦の影響を受け、日本企業の「ポストチャイナ」戦略は今後も続くと予想されます。その中で、ベトナムは製造業の生産拠点としてだけでなく、IT開発の拠点としても成長を続けています。 製造業の拠点移転に留まらず、ITオフショア開発を活用しながらDXを推進することで、日本企業の競争力強化が求められます。ベトナムは「生産」「市場」「IT開発」の3つの側面で、日本企業の成長を支える重要な拠点となる可能性が高いと考えられます。 日本企業のサプライチェーンは、大きな転換期を迎えています。地政学リスクやコストの上昇、貿易摩擦の影響により、中国への依存を見直す動きは不可避となりました。 その中で、ベトナムは製造業の新たな拠点としての競争力を高めるだけでなく、IT開発・デジタル市場の成長により、日本企業にとって多面的な魅力を持つ国へと変貌しつつあります。チャイナ・プラスワンの有力候補として、今後もその存在感を増していくことは間違いありません。製造・市場・IT開発の3つの軸で、新たな事業展開を模索する日本企業にとって、ベトナムは今、最も注目すべき国の一つといえるでしょう。 ▼前編の記事はこちら2025年、ポストチャイナとベトナムの可能性──チャイナリスクと米中貿易摩擦の行方 無料eBookのダウンロード チェックリストでわかる 失敗しないオフショア開発会社の選び方 オフショア開発会社選びの準備から開発開始まで、多様な角度からチェックポイントを網羅。チェックリストを活用して効率的な選定や基準作りに役立ちます。 今すぐダウンロード(無料) 無料eBookのダウンロード 保存版 オフショア開発入門ガイド オフショア開発を始める前の気になる疑問を解決!オフショア開発を検討中の方に向けて、オフショア開発の基本的な知識から注意点までを解説します。 今すぐダウンロード(無料)

September 9, 2024

医療業界におけるAIの活用事例

人材不足や過酷な労働環境という課題を抱える医療業界において、企業や医療機関はAIを積極的に導入することで診断精度の向上や労働環境の改善につなげています。本記事では、医療業界でAIの導入が求められる背景や、具体的な導入事例をご紹介します。  医療業界でAIの導入が求められる背景 創薬 新薬の開発プロセスを大幅に効率化するためにAIの活用が進んでいます。AIは、膨大な化学データや生物学データを迅速に解析し、効果が期待できる分子を特定するために利用され、臨床試験の成功率を予測したり、副作用のリスクを評価したりするのに貢献します。これにより、研究期間の短縮および新薬の迅速な提供が期待されています。  例えば、AIを活用した創薬分野のスタートアップであるシンセティックゲシュタルトは、 大規模な化合物データを基にAIモデルを構築し、新薬候補を特定しています。特に、ウクライナのEnamine社のデータベースを活用し、従来よりも20倍以上のデータを使用してAIを訓練することで、予測精度を向上させま。さら。さらに、化合物の3次元構造データを考慮することで、化合物発見の可能性を大幅に向上させています。  疾病予測と予防 AIを用いて患者の健康データやライフスタイル情報を解析することで、将来の病気リスクを特定することが可能です。これにより、疾患の早期発見や発症前の予防が可能となります。  例えば、カナダのRetiSpecは、AI技術を使い、眼科検査でアルツハイマー病の早期発見を目指しています。網膜の画像を解析し、認知症の原因とされるアミロイドβの蓄積を予測することで、病気の初期段階での診断を可能にします。この技術により、アルツハイマー病の早期治療や生活の質向上が期待されています。  パーソナライズド・メディシン AIを活用したパーソナライズド・メディシンは、個々の患者の遺伝情報、生活習慣、医療データを分析し、最適な治療法を提供する医療アプローチです。これにより、従来の画一的な治療法に比べて、患者ごとにより効果的で副作用の少ない治療が実現します。AIは膨大なデータを迅速に解析し、個々のニーズに合った治療を提案することで、精度の高い医療をサポートします。  例えば、日立製作所は、ユタ大学およびレーゲンストリーフ研究所と共同で、複数の治療薬を要する2型糖尿病患者向けに、AIを活用した治療薬選択支援システムを開発しました。このシステムは、ユタ州およびインディアナ州の電子カルテデータを統合・分析し、患者の体重や検査値、治療薬などのデータを基に、過去に病態が類似する患者の治療パターンを学習しています。実際に2剤以上の併用治療において検証した結果、83%以上のケースで治療薬の選択を支援可能という結果が得られています。  医療画像解析 X線、CTスキャン、MRIなどの医療画像の解析にAIを用いることでがんや心疾患などの早期発見や診断精度を上させるのに役立ちます。AIは膨大な画像データを学習し、腫瘍や異常な組織を迅速かつ高精度で検出することができ、これにより医師の診断作業を効率化し、人的エラー(見落とし等)を減らすことが可能です。  例えば、エルピクセル株式会社は、胸部X線画像から肺がんが疑われる肺結節を検出するAI医用画像解析ソフト「EIRL Chest Nodule」を提供しています。このソフトは医師の診断支援により、見落とし防止に大きく寄与し、放射線科専門医で9.95%、非専門医で13.1%の感度向上が認められました。継続的な改良により、医療現場での活用が期待されています。  メンタルヘルスケア メンタルヘルスケアにおいて、AIは精神的な健康状態のモニタリングや予防に役立ちます。AIは、患者の言動や生体データを分析してストレスや不安、うつ病の兆候を早期に検知し、個別に適したサポートを提供します。  例えば、エストニアのソフトウェア企業であるShen.AIは、顔認識技術を活用して遠隔で健康状態をチェックできるシステムを提供しており、ラテンアメリカのヘルステック企業VivaWellと提携しています。この技術により、ユーザーはスマートフォンを使って心拍数や呼吸数などのバイタルサインを測定し、医療機関に行かずに自宅で健康状態をモニタリングできます。これにより、予防的なヘルスケアが手軽に実現され、特に医療アクセスが限られた地域での健康管理が向上します。  まとめ 膨大な医療データをAIで解析できるようになったことで、創薬や診断の効率化、個別化医療の実現を促進し、医療現場での診療エラーの低減や精度向上が期待されています。医療業界において、今後ますますAIの導入が促進されると予想されます。  本記事の読者の中で、AIの導入を検討されている企業様がいらっしゃいましたら、是非リッケイにお任せください!株式会社リッケイは、べトナムTop10のICT企業の日本法人であり、グループ全体で1800名以上のエンジニアを擁しています。また、AIに特化した関連子会社も有しており、ChatGPT搭載のロボットや生成AIを活用した人事向け履歴書分析ツールなどを開発しています。お客様のプロジェクトに最適なAI開発人材を迅速に用意可能ですので、お気軽にお問い合わせください。 

August 16, 2024

ベトナムのアプリ市場が急拡大!アプリ開発ならベトナムオフショア!

ベトナムのアプリ開発市場は、近年急速に成長しており、グローバルなITアウトソーシングのハブとして注目を集めています。本記事では、ベトナムのアプリ市場の最新動向やアプリをベトナムオフショアで開発するメリット・デメリットをご紹介します!  ベトナムのアプリ市場の最新動向 ベトナムのアプリケーション市場は急成長を遂げています。2023年には、ベトナムの開発者によるアプリが56億件以上ダウンロードされると予測されています。  これは、ベトナムが世界で最も急速に成長している市場の一つであることを示しています。2024年7月11日にハノイで開催された「ThinkApps 2024」イベントで、Googleのベトナム市場担当エグゼクティブディレクターであるMarc Woo氏は、ベトナムのアプリとゲーム開発業界が2年連続で世界トップ5に入っていることを強調しました。  特に、ベトナム製のゲームとアプリのダウンロード数は11億増加し、毎分10,700回のダウンロードが行われています。  一方で、ダウンロード数に対してアプリを通じた収益が伸び悩んでいるという課題があります。ベトナムはアプリ内購入による収益で世界第28位に位置していますが、収益は2億ドルにとどまっています。比較として、キプロスでは300のアプリ会社が1.4億ドルの収益を上げているのに対し、ベトナムでは1,500の企業で2億ドルしか収益をあげることができていません。  このため、特にゲームのアプリ開発者は高価値の体験設計に注力し、持続可能な収益源を生み出すことが求められています。  さらに、Googleによれば、ベトナムの開発業界はAI統合においても多くの課題に直面しています。AI専門家や質の高いトレーニングプログラムの不足、AI関連製品の試験や開発のためのインフラの欠如などが挙げられます。  Googleは、最新のAI技術とサポートプログラムを通じて、ベトナムの開発者が高品質のアプリケーションを構築し、グローバルにアクセスし、持続可能なビジネス成長を達成することを目指しています。  ベトナムオフショアでアプリ開発するメリット 開発コストが削減できる 日本国内での開発に比べて、人件費の低いベトナムのITリソースを活用することで、開発コストを大幅に削減することができます。ベトナムオフショアを活用することで、日本と同じスキルセットを有するベトナムのエンジニアを約1/2のコストで調達することが可能です。また、ベトナムのインフラやオフィススペースのコストも比較的安価であるため、総合的な運用費用を削減することができます。これにより、企業は限られた予算内で高品質なアプリを開発することができ、他の重要なビジネス活動に資金を再配分することが可能になります。  多様なスキルを持つIT人材が豊富 ベトナムは、若くて優秀なIT人材が豊富な国として知られています。毎年12万人の大学卒業生がIT関連の学位を取得し、特にプログラミングやソフトウェア開発、データサイエンスなどの分野で高いスキルを持つ人材が市場に供給されています。これにより、企業はプロジェクトのニーズに応じて多様なスキルセットを持つ人材を確保することができます。ベトナムのIT人材は、最新の技術トレンドにも敏感で、AI、ブロックチェーン、IoTなどの新しい技術にも対応可能です。このようなスキルの多様性は、複雑なアプリケーションの開発や革新的なソリューションの実現を可能にし、企業の競争力を高める要因となります。  IT産業を国家の重要産業と位置付けている ベトナム政府は、IT産業を国家の重要な成長分野と位置付け、IT大国を目指して積極的に政策を推進しています。政府は教育機関と連携してIT教育を強化し、2025年までに110万人のIT技術者を育成する目標を掲げています。 また、外国企業の投資を促進するための優遇措置やインフラ整備も進めており、IT産業の発展を支える環境が整っています。これにより、ベトナムは国際的なIT企業やスタートアップの拠点として注目を集めています。ベトナムオフショアを利用する日本企業にとっては、こうした国家的な取り組みが信頼性の高い開発環境を提供し、長期的なパートナーシップを築く上での安心材料となります。  日本と文化が近い ベトナムは親日国として知られており、日本と文化的に多くの共通点を持っています。勤勉さや礼儀正しさ、チームワークを重視する姿勢など、ビジネスにおいて重要な価値観が共有されているため、円滑な協力関係を築きやすいです。また、ベトナムでは日本語教育が盛んで、日本語を話せるIT人材も多く存在します。これにより、コミュニケーションの障壁が少なく、プロジェクトの進行がスムーズになります。さらに、時差が2時間と少ないため、リアルタイムでのやり取りが可能で、プロジェクト管理や緊急対応が迅速に行えます。これらの要素は、ベトナムをオフショア開発のパートナーとして選ぶ際の大きな利点となります。  ベトナム発の世界的なアプリも生まれている ベトナムは、革新的なアプリやゲームが世界的に成功を収める例が増えており、特に注目されています。その一例が、ブロックチェーンゲーム「Axie Infinity」です。このゲームは、ベトナムのスタートアップSky Mavisが開発し、デジタルペットを育成・対戦させるというユニークなコンセプトで、世界中のユーザーを魅了しています。Axie Infinityは、プレイヤーがゲーム内で得たアイテムを暗号資産として取引できる仕組みを持ち、ブロックチェーン技術を活用した新しいビジネスモデルを確立しています。この成功は、ベトナムの開発者が持つ技術力と創造力を示しており、ベトナムがグローバルなIT市場での存在感を高める要因となっています。日本企業にとって、ベトナムのようなイノベーションが生まれる環境で開発を行うことは、新しいアイデアや技術を取り入れたプロジェクトを実現する大きなメリットとなります。  ベトナムオフショアでアプリ開発するデメリット コミュニケーションの課題 言語や文化の違いにより、コミュニケーションがスムーズに進まないことがあります。特に、プロジェクトの細かなニュアンスや仕様変更を正確に伝えるのが難しい場合があり、期待通りの成果が得られないリスクがあります。適切なコミュニケーションを確保するためには、ブリッジSEの活用や日本語能力レベルの確認、定期的なミーティングが必要です。   品質管理の難しさ オフショア開発では、物理的な距離があるため、開発プロセスの進捗や品質を直接確認するのが難しいことがあります。これにより、納期遅延や品質のばらつきが生じるケースが考えられます、品質管理を徹底するためには、明確な基準設定や定期的なレビューが重要です。   データセキュリティの懸念 日本国内、オフショアに関わらず、パートナーにデータを提供する際には、データのプライバシーやセキュリティに関する懸念が生じます。適切なセキュリティ対策が講じられていない場合、データ漏洩や不正アクセスのリスクが高まります。セキュリティを確保するためには、契約時に厳格なセキュリティポリシーを設定し、定期的な監査を行うことが求められます。  アプリ開発はベトナムオフショアがおすすめ! ベトナムは、急成長するアプリ市場と豊富なIT人材で、ITアウトソーシング先として世界から注目されています。ベトナムオフショアを活用したアプリ開発は、コスト効率や多様なスキルを持つ人材の活用が可能で、文化的な共通点や時差の少なさも日本企業にとってメリットのある選択肢と言えます。一方で、オフショアのメリットを存分に享受するためにもコミュニケーション、品質管理、データセキュリティという課題への対策をしっかり行う必要があります。  本記事の読者の中で、ベトナムオフショアを活用したアプリ開発を検討している企業様がいらっしゃいましたら、リッケイにお任せください!  リッケイは、Android、iOS、クロスプラットフォームにおけるアプリ開発、高いセキュリティが求められる金融・証券系アプリ、ヘルスケアアプリなどの開発実績が豊富にございます。グループ全体で1,800名以上のエンジニアが在籍しており、お客様の要件に最適な人材を即座に提供可能です。詳細に関しましてはこちらお気軽にお問い合わせください。  

August 15, 2024

ベトナムのデジタル経済の未来 – 日本にとっての高度IT人材供給源 –

ベトナムのデジタル経済を牽引するAI革命 Googleは、ベトナムのデジタル経済が2030年までに11倍に成長し、2,200億ドルに達すると予測しています。これは、ベトナムの現在のGDPのほぼ半分に相当します。  国家イノベーションセンター(NIC)とGoogleが7月11日に開始した「ベトナムのAI未来の創造」プログラムで、Googleアジアパシフィックのベトナム担当CEOマーク・ウー氏は、東南アジアのデジタル経済が劇的に成長し、AIの力で2030年までに8,350億ドルに達すると述べています。  Googleは、AIがベトナムの経済成長において重要な要素であると考えていますが、AI分野の人材不足や専門家の不足が課題となっています。これにより、市場の需要と人材の供給の間にギャップが生じています。  特に、AIスタートアップ企業は、必要なインフラやツールへのアクセスが不足しており、製品開発や市場拡大に苦労しています。計画投資省のチャン・ズイ・ドン副大臣は、ベトナムが第4次産業革命の課題を克服するために、政府や首相に積極的に助言してきたと述べています。  これに基づき、計画投資省は、以下のことを行うために省庁と調整しました。  (i) 2030 年までの第 4 次産業革命に関する国家戦略を調査し、公布のために首相に提出する。   (ii) エコシステム形成を促進するためのナショナル・イノベーション・センターの設立提案。   (iii) 世界中の何千人ものベトナムの専門家や知識人とベトナムイノベーションネットワークを形成し、発展させる。   (iv) 2030 年までに 50,000人の半導体技術者を育成することを目標とする「半導体産業人材育成プロジェクト」を策定し、内閣総理大臣に提出する。    さらに、計画投資省とGoogleは、「ベトナムのAI未来の創造」プログラムを通じて、人材育成とビジネス創造の2つの柱に焦点を当てています。このプログラムでは、全国の80以上の大学の職員、講師、学生を含むベトナムの若い世代を対象に、最新のAIスキルを学ぶためのコースを提供し、4万人に奨学金を授与する予定です。  ベトナムは引き続き日本にとってのIT人材供給源 上述したように、ベトナムは2030年までAIによってデジタル経済が大きく成長することが見込まれており、多くのAI人材の育成・輩出が期待されています。つまり、ベトナムは日本企業日本企業にとって引き続きIT人材の供給源となることでしょう。  日本におけるベトナムオフショア企業の最新動向として、2024年7月7日にベトナムIT企業によって日越DX協会(VASX JAPAN)が発足しました。当社株式会社リッケイの代表取締役であるBui Quang Huy(ブイ・クワン・フイ)氏は、同協会の共同会長に就任しました。  日越DX協会は、日越間の技術交流を促進し、両国のデジタルトランスフォーメーションの発展を促進することを目的として設立されました。また、先進技術ソリューションの協力と共有を推進し、情報技術および通信分野で活動する企業を結び付けるプラットフォームとして機能します。    日越DX協会は、今後デジタルテクノロジー分野における両国間の協力と発展を促進する戦略的な架け橋となるとともに、デジタルトランスフォーメーションプロセスの加速と効率向上を図り、持続可能な経済社会の発展に貢献することを目指します。 加えて、高度ITエンジニアを育成し、日本に数万人の高品質なITエンジニア、ベトナムに数十万人の日本語が堪能なエンジニアのチームを構築することを掲げ、2030 年までに 789,000 人と推定される日本の人材不足を補うことに貢献することをことを目指しています。  【関連記事】リッケイ、在日ベトナム企業と日越DX協会を設立し、共同会長に就任 まとめ ベトナムは、AIを活用したデジタル経済の成長が期待される中、深刻なITリソース不足に陥っている日本企業にとって今後も重要IT人材供給源となることが考えられます。また、日越DX協会の設立により、日越間の技術交流が促進され、デジタルトランスフォーメーションの発展が期待されています。  数多くあるベトナムオフショア企業の中で、当社リッケイは小売、物流、金融、製造など幅広い業種のお客様への豊富な支援実績がございます。クラウド、AI、IoT、ブロックチェーンなどの最先端技術に精通した1,800名以上のIT人材が在籍しており、お客様のニーズに合った人材を即座にアサインすることが可能です。「ITリソースが不足している」などのお悩みをお持ちの企業様はお気軽にお問い合わせください。