「The Model」(ザ・モデル)とは?セールスフォースの営業プロセスモデルの魅力に迫る(前半)
目次
「The Model」(ザ・モデル)は、セールスフォース が採用する営業プロセスモデルの一つです。2019年に発売された福田康隆氏による書籍『The Model』ではその手法を詳しく説明しており、多くの企業が実践しているプロセスモデルでもあります。
この記事では、その特徴と The Model がビジネスおよび顧客体験にどのようなプラスの影響を与えるかを、前半・後半に分けて解説します。The Model が持つメリットを最大限に活かし、ビジネスにおける成功を収めるための戦略を探りましょう。
1. The Model とは?セールスフォースの営業プロセスモデルの基本
The Model とは、セールスフォース・ジャパンの営業プロセスモデルのひとつで、優れた顧客体験を提供するために生まれたものです。
セールスフォース・ジャパンによると、インターネットの発達などによって「購買プロセスの67%は、営業が接点を持つ前に終わっている」という時代になりました。
「The Model」(ザ・モデル)とは?概念と実践をSalesforceが分かりやすく解説
何かを購入する際、スマートフォンなどで事前にレビューを読んだり、商品に関する情報を検索したりする方も多いと思います。見込み顧客が意思決定をする際、営業からのアプローチよりも自発的な調査が重要な要素となりつつあるのではないでしょうか。
さらに、一度契約、購入したらそれで終わりではなく、サブスクリプションのように都度契約を更新するサービスや商品が増えたことも、顧客やユーザーの行動に変化をもたらしています。顧客は現行のサービスやコンテンツ内容に満足できない場合、すぐに契約を解消して他のサービスに移ってしまいます。
このことから、営業担当がすべてのプロセスを一人で練り、企画書を持って回るといった従来のやり方では思うような成果が得づらい環境があるのが現状です。
The Model は、顧客へのアプローチを段階ごとに分け、外勤営業だけでなくカスタマーサクセスも重要なプロセスモデルとして位置づけています。つまり、各部門の連携を充実させることで、顧客体験をより良いものにしながら売上を向上させる概念といえます。
2. The Model の特徴
セールスフォース・ジャパンでは、The Model の営業プロセスを以下 4 部門で段階ごとに分けています。
- マーケティング
- インサイドセールス
- 外勤営業
- カスタマーサクセス
これにより生産性の向上、効率化を図ることができるだけでなく、各部門における目標やゴールを数値化し、管理しやすくなります。各部門の目標数値は「母数」「成功率」「ゴール」の3つに分けられ、数値は部門間で共有されます。
ここで簡単に、The Model における各部門の役割をご紹介します。

2.1. マーケティング部門
マーケティング部門の役割は「見込み顧客の獲得」です。これまで、マーケティングは営業が顧客にアプローチする前に情報提供をしたり、商談への橋渡し的な役割を担ったりすることもありました。しかし顧客自身がリサーチを行うようになった現在、セールスフォース・ジャパンではマーケティングの役割および目標を以下のように設定しています。
- 母数:来訪者数
- 成功率:獲得率
- ゴール:見込客数
マーケターには、見込み顧客をネクストアクションにつなげるための広告やイベント開催といった手段の提供だけでなく、対見込み顧客、対各部門へのコミュニケーターとしての関わり方も一層求められるようになるといえます。
2.2.インサイドセールス
セールスフォース・ジャパンでは、インサイドセールス部門の役割を「見込客の育成、案件発掘」であるとしています。従来は決められたリストにある顧客の順序を問わず、電話をかける手法をとっていたこともあるかもしれません。しかし昨今ではマーケティングオートメーションが可能になったことで、以下の指標に基づいて、その役割をより効率よく果たす必要があります。
- 母数:見込客数
- 成功率:案件化率
- ゴール:案件数
インサイドセールス=電話での内勤営業をするだけの人ではなく、見込み顧客に優先順位をつけ、事前のリサーチや過去の実績から得られた情報に基づき会話を進めるスキルが求められます。
2.3. 外勤営業
これまで、外回りをした後に資料を作成したり、新規顧客の開拓をするなど、外勤営業の負担の多さに課題感を覚える企業もあったかもしれません。あるいは逆に、あらかじめ決められた、受注ができそうな企業だけを回ってフォローするといった働き方もあったかもしれません。The Model における外勤営業の役割は「商談管理と受注」です。
各部門の役割の細分化により、仕事の属人化から脱却するとともに、外勤は以下の指標に基づき「組織の営業を担う大事な一要素」として動くことが求められます。
- 母数:案件数
- 成功率:受注率
- ゴール:受注数
セールスフォース・ジャパンでは、各案件の受注までのステップをフェーズごとに分けて管理することも推奨しています。見込み顧客から実際に商談を実現させたか、その評価から最終的な意思決定、受注獲得まで達成度を数値で管理するとマネジメントが容易になるだけでなく、その後のフォローアップや今後の案件で課題が発生した際の対策も可視化できます。
2.4. カスタマーサクセス
カスタマーサクセスの役割は「活用支援と契約継続」であるとしています。カスタマーサービスは聞いたことがあっても、カスタマーサクセスはあまり聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。これは文字通り、The Model におけるカスタマーサクセスが「支援要員」ではなく、導入支援からテクニカルサポートといった契約後の細やかなフォローまで、多岐にわたって担当することに由来しています。このためカスタマーサクセスにも以下の指標に基づき、顧客体験を向上させるための一翼を担うことが求められます。
- 母数:受注数
- 成功率:契約更新率
- ゴール:継続契約数
これらすべてを踏まえて、KPI を設定します。KPIは各部門の数値を洗い出した上で設定され、各部門のメンバーが合意できるものであることが重要です。

3. The Model のメリット
ここまで、The Model における各部門の役割をご紹介しました。これらの内容から、The Model を導入することには以下のメリットが挙げられます。
- 営業プロセスを部門ごとに分け、細分化することで各部門が「本来重点的に取り組むべき仕事」に注力できる。
- 合意に基づく KPI の設定や、同一案件にも連携して取り組むワークフローの確立により、部署横断的に仕事に取り組むことができる。
- 属人的な進め方に埋もれてしまい、数値化しきれていなかった成果や弱点が可視化できる。
この記事では、The Model の特徴やそれらがもたらすメリットについてご紹介しました。
The Model は見込み顧客の獲得、既存顧客の定着率の向上など、営業活動の改善を通してビジネスをさらに成長させるだけでなく、組織の連携にも貢献するプロセスであるといえます。
後半の記事では、The Model の概念についてさらに掘り下げるとともに、The Model 型営業組織を成功させるためのポイントとして情報共有に欠かせないデータやツールの活用についてご紹介します。
The Model の導入やプラットフォーム運用などに関して、ご不明な点がございましたらいつでもお気軽にお問い合わせください。
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