February 28, 2023

失敗事例から学ぶ、オフショア開発成功への9つのヒント

昨今、ITシステム開発の現場では、オフショア開発という選択肢は一般的となりました。しかし、中には当初に想い描いた通りにはプロジェクトを進めることができなかったという声も聞こえてきます。そこで、本記事では、オフショア開発の失敗事例から学ぶ、失敗原因や成功へのヒントにについて紹介します。

オフショア開発で陥りやすい失敗事例

まずは、オフショア開発での失敗事例としてよく耳にする話題をいくつかご紹介します。

失敗事例1:仕様伝達に失敗し、納期が遅延してしまった

発注元の担当者は、発注先のオフショア開発会社に日本語ができるブリッジSEをアサインしてもらい、仕様と作業内容を文書にまとめてブリッジSEとミーティングを行って説明した。

ミーティングは日本語で行ったが、ブリッジSEも要求をよく理解してくれているように見えたため、日本語のコミュニケーションでも問題ないと判断していた。その後の進捗状況の確認でも、ブリッジSEからの報告は常に「問題なし」という回答があり安心していた。

しかし、次第にブリッジSEから1日に数回の質問が毎日のように届くようになった。担当者はその質問への回答作業に追われる日々となってしまい、レビューによる品質確認を行う時間を確保することができぬまま納期を迎えてしまった。

これは、オフショア開発会社への仕様の伝達がうまくいかずに作業の遅延が発生してしまったケースです。原因は、発注先の窓口となるブリッジSEとの日本語による意思疎通ができたため、仕様伝達のハードルは低かったと思い込んでしまったことにあります。

しかし、発注先のオフショア開発会社の窓口となるすべての人が技術面について知識を持っているとは限りません。 中には、主に通訳を役割とするコミュニケーターと呼ばれるべき人材にブリッジSEという肩書きを与えているオフショア開発会社も存在します。

このような失敗を回避するためには、窓口となるブリッジSEの日本語の言語能力の確認にとどまらず、そのブリッジSEの職務範囲や職能まで確認しておくことが大切です。

もし、オフショア会社の窓口担当者の技術的な内容の理解度に不安を感じる場合には、そのコミュニケーターを介して仕様伝達を行うのではなく、直接現地のSEと英語でやりとりを行う方がお互いの理解度を確認しながら進めることができるでしょう。その方が結果的には二度手間の発生を抑制でき、間接コストも削減することができるでしょう。

失敗事例2:度重なる仕様変更により、コストが増大してしまった

全体の仕様が確定しておらず、一部の仕様は暫定的なものとして見積を行い、そのまま見切り発車で発注した。

暫定部分は、発注後に五月雨式に仕様伝達を行ったものの、その後も仕様変更が繰り返され曖昧な仕様が残ったままだったため、ドキュメント作成やメールやチャットなどの仕様伝達の工数が増大した。

また、開発現場でも仕様の混乱や手戻りが発生し、当然スケジュールも大幅に遅延して収拾がつかなくなった。そのため、開発途中でブリッジSEと仕様確認の仕切り直しが必要となった。

その結果、コミュニケーションと開発の工数が増大し、最終的には、見積金額を大幅に超えてしまった。

これは、仕様が曖昧なまま発注したうえに仕様変更を繰り返した結果、コストと納期がオーバーしてしまったケースです。国内開発の発注においても発生し得るような例ですが、走りながら徐々に要求仕様を決めていくというやり方は、典型的な日本型の開発アプローチと言えます。

オフショア開発をこのような国内開発の感覚で行ってしまうと、信頼関係にひびが入ってしまい想像以上にトラブルを拡大させてしまう危険性があります。信頼関係がなければプロジェクトが失敗する確率は限りなく高くなるでしょう。そうなれば、金銭面でもトラブルに発展しまう可能性があります。

仕様を変更すること自体は問題ないのですが、問題は仕様変更をスムーズに進めるための段取りとコミュニケーションにあると考えられます。オフショア開発ベンダー側の状況を考慮して伝達することが大切です。

失敗事例3:日本語での意思疎通の失敗

ある過去に一度、開発を依頼したことがあるオフショア開発会社に、新規のプロジェクトを依頼した。初めて発注した際は、日本語でのコミュニケーションに多少の不安を抱いていたものの、アサインされたブリッジSEがとても優秀で、日本語スキルや技術レベルは事前の説明通りにレベルが高く、プロジェクトは無事成功を収める事ができた。

そこで、同じオフショア開発会社に別のプロジェクトを追加発注したところ、アサインされたブリッジSEの日本語スキルが低く、前回のブリッジSEと比較すると大幅に劣っていた。

事前に、コミュニケーション言語は日本語で行うとの取り決めていたものの、メールで質問を受け付けても一体何を伝えたいのか理解できないようなことがかった。そこで英文でのやりとりも試してみたが英語もさほど得意ではないらしく、結局、意思疎通はなかなか改善せず苦労した。

オフショア開発会社からの事前説明での「日本語コミュニケーションが可能な優秀な技術者が在籍している」との話に期待したところ、その事前期待が結果と異なっていて失敗したケースです。

たしかに、最初のプロジェクトにアサインされたブリッジSEは期待以上の能力を発揮してくれたため、次のプロジェクトでも期待するのは自然なことです。

初めての取引の際は、どこのオフショア開発会社もエース級の人材をアサインしてくるとうのはよくあることです。とはいえ、そのように優秀な人材が社内に多数在籍していて、発注者が希望するタイミングでいつでもアサインできるかどうかはまた別の話です。

このケースでは、エース級の人材は少数しか在籍していなかったり、または優秀な人材は別のプロジェクトに参加していて自社の案件にはアサインできなかったのかもしません。

顧客の要望に応じて、最適な人材を安定的にアサインできるかどうかは、オフショア開発会社それぞれの事情によって大きく異なります。特に、人材の豊富さは事業規模が大きいオフショア開発会社の方が有利でしょうし、また特定分野の人材であれば、小規模でもその分野に専門特化したオフショア開発会社なら最適な人材を確保できるかもしれません。

なお、日本市場に注力して事業を展開しているオフショア開発会社では、社内で日本語教育を行っていることは珍しくありません。しかし、その教育内容や方法も企業にとってさまざまで、営業やブリッジSEに限定して教育している場合もあれば、その他のエンジニアも含めて行う場合もあります。

また、日本語認定資格の取得を奨励し、資格取得手当てなどの制度を設けている企業もありますし、採用段階で選考基準として日本語のスキルレベルの高い人材や、日本国内でのビジネス経験や日本企業とのプロジェクト経験がある人材を多く採用しているケースもあります。オフショア開発会社選びの際には、そのような日本語教育のへの取組み状況状況も確認しておくとよいでしょう。

オフショア開発を成功に導くための9つのヒント

先述の陥りがちなオフショア開発での失敗事例のような問題は、実は日本国内での日本人エンジニアによる開発でも起こり得ることです。オフショア開発の現場では、とりわけ言語、文化、国民性の違いによるコミュニケーションのギャップが問題を生じさせる原因となる場合が多いです。そこで、ここではオフショア開発での失敗を回避し、開発プロジェクトを成功させへと導くための9つのポイントを紹介します。

1. コミュニケーション言語のスキルレベルを確認する

日本語や英語など、オフショア開発会社とのコミュニケーション言語を取り決める際には、コミュニケーションに支障がない程度の言語スキルを持っているかを事前に確認しましょう。

例えば、コミュニケーション言語を日本語にすると取り決めた場合、そのスキルレベルを客観的に把握する一つの目安としては日本語検定試験(JLPT)があります。日本語能力試験は、日本国内および海外で日本語を母語としない人を対象として日本語の能力を測定し、認定することを目的として行う試験です。試験はN1からN5レベルまでの5段階に分けられており、N1は最も難易度が高くなっています。

N1は幅広い場面で使われる日本語を理解することができるレベルで、N2は日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができるレベルとされています。そうしたことから、外国人を採用する企業では、在留資格・ビザ取得の観点からもN1〜N2を選考基準としている場合が多いようです。

N1は日本語ネイティブでも満点を取るのが難しいレベルの試験と言われていますので、N1保持者であればビジネスシーンでの活躍を期待できるでしょう。しかし、必ずしもすべてのエンジニアがN1レベルを取得している必要はなく、担当業務に合わせて日本語能力がどの程度必要なのかを基準とするのがよいでしょう。オフショア開発の場合では、ブリッジSEの日本語能力は重要ですが、オフショア国現地で働くエンジニアには必ずしも日本語スキルは必要とされません。

なお、日本語能力試験の問題は文章読解と聴解のみのため、書く、話す、といった能力は測ることはできません。そのため、ブリッジSEをアサインする際には、面接やディスカッション、メールのやりとりなどを取り入れると良いでしょう。

2. 日本との文化や国民性の違いを認識し、明確に意思表示する

日本と海外では、考え方や仕事の進め方も異なります。日本では、物事をこと細かく伝えなくても相手は当然のごとく察してくれるだろうと期待してしまいがちです。しかし、海外では、相手に明確な意思表示をしなければ伝わらないコミュニケーション文化を持つの国の方が多いです。むしろ、相手に繊細かつ高度な感性を求める日本式コミュニケーションの方がガラパゴス的と言えるかもしれません。

こうした文化や国民性の違いによって意思疎通や相互理解がうまくいかなくなってしまうと、結果として品質低下や手戻りが発生してしまうことがあります。

本側から物事を依頼する時は、目的(なぜやるのか)、スコープ(何をやるのか)、タイム(いつまでに必要か)、コスト(いくら以内でやるのか)を可視化してプロジェクトの目的を一致させ、認識の食い違いを防止することが大切です。

また、開発先の文化や国民性を理解しておくと、誤解や思い違いを少なくできます。時にはやり方を日本式に合わせてもらうように強制するばかりではなく、お互いに文化が違う国であることを理解し歩み寄る姿勢も大切です。

3. 情報共有や取り決めは、可能な限り文書化する

日本では、話し手と聞き手の間に共有されていることが多いため、行間を読み、暗黙的なコミュニケーションが成立しやすい文化といえます。また、日本では会議の場での共有や明確化をすることが多くなりますが、口頭による伝達や暗黙知の共有が含まれるため文書化しにくかったり、伝達する内容が多く労力がかかるという理由から、文書化しないケースが度々見られます。

一方、海外では、共有する情報や経験が少ないため、文章や図解、数値などによって、誰が見ても理解できるような形式で客観的に表現された形式知によるコミュニケーションが行われること多々あります。これは、個人主義的な文化の国ほど強くなえる傾向が見られます。そのため、母国語が異なる国のメンバーと日本語で業務を進めるオフショアの場合には、仕様等を確実に文書化してデータベースで共有するのが望ましいでしょう。

過去にオフショアで失敗を経験した日本企業による教育指導的な役割によって、日本企業とのプロジェクト経験が多いオフショア開発会社ほどそのような体制が整っています。こうした取り組みは、転職率の高いオフショア開発の課題をカバーするためにも有効です。

また、口約束で決まったと思っていたことが後になって変更となり、問題になることがあります。決めごとは合意と承認があって成立するものですので、可能な限り文書化して相互に承認ルールを確認し徹底することが大切です。

4. 仕様変更と品質レベルに関する考え方の違いを意識する

日本では、度重なる仕様変更が生じても、それに対応することが当然であると考えられがちです。一方、オフショア開発では、契約締結後に仕様変更を行うことは一般的とは言えません。そのため、仕様変更を巡ってはトラブルが発生する可能性があります。

これはオフショア開発の場合に限りませんが、特に海外ベンダーに開発を依頼する場合は、要件定義書や仕様書の内容を明確に記載することが大変重要です。表現されない要件はシステムとして実現されません。

日本企業同士では通じる「伝えなくても相手が理解してくれるだろう」という暗黙の了解は海外では通用しません。それどころか「行間を読め」「そんなことは常識」「言った言わない」などの表現されない要件はトラブルの元になります。また、言葉にしたことがそのままの意味として理解されてしまうことが多いので、曖昧さや複数の意味として解釈できるような表現は避けることが賢明です。また「今までと同じ」というような伝え方も避けるべきでしょう。

要件定義は開発全体の成否を左右する重要な工程です。曖昧な要件のまま開発をスタートさせたり、要件を先送りしたりすることは、プロジェクトの失敗リスクが高まってしまい大変危険です。せっかくコスト削減できる予定であたったものが、かえって時間や工数が増えてコスト高になってしまう可能性もあります。

そうしたリスクを回避するためにも、システム機能要件のみならず、性能、信頼性、セキュリティ、移行・運用方法などの非機能要件、既存システム接続要件、プロジェクト特有の制約条件、将来を見込んだ稼働環境をしっかりと定めベンダーと綿密にすりあわせしておきましょう。数値化できる要件はできるだけ数値化しましょう。

かつての日本企業によるオフショア開発は、詳細設計以降のプログラム作成、単体テスト、結合テストまでの下流領域のみ担当するのが主流でした。しかし、近年では、ベトナムなどにおいて経験があり優秀なエンジニアを確保できるオフショア開発会社や、日本人PMやSEが在籍しているベンダーにおいては、上流から下流工程まで一気通貫で対応ができる企業も増えています。もし、要件定義書の作成が困難な場合には、そのような上流工程から対応可能なベンダーを選定するとよいでしょう。

なお、オフショア開発でもラボ型開発であれば、要件や仕様があいまいな状態なままで開発を開始し、短期間で改修を繰り返しながら運用することは可能です。アジャイル開発、スクラムなどといった場合でも、オフショアのラボ型開発が数多く活用されています。

5. 事前にレビューやテストに関する指針を示し、開発の初期段階でレビューする

念を入れて仕様書を作成しても、言語の違い、慣習や商習慣の違いから、発注元の意図を正確に伝えられていないことも想定しておく必要があります。これに対処するため、発注元を交えて早期にレビューすることが有効です。

このレビューは、早い段階で行うことがポイントです。受注側の設計書がまだ作成の途中でも、とにかく早めにレビューしましょう。早期にレビューする狙いは、いわゆる「ボタンのかけ違い」を早めに検出して軌道修正することです。最初に大きな認識違いがあったり、ソフトウェアのアーキテクチャに大きな考慮モレがあったりしたとしても、早期の段階であれば、手戻りは最小限で済みます。

この取り組みの狙いは、欠陥を見つけ出すことよりも、むしろ軌道修正を早期に施すことで「鉄則:バグを作り込まないで最初から正しく実装する」ことを狙ったものです。

6. 受注側のレビュー計画とテスト計画をレビューし、計画どおりに行われることを見届ける

品質レベルについて、どこまでの品質を確保するのかに関して考えの差があります。発注する際には、レビューやテストに関する指針を具体的に提示しておくべきでしょう。

受け入れテストはあくまでもサンプリングになるケースが多いので、受け入れテストの前に、受注側で必要十分なレビューやテストが行われることが必要です。

受注側でどんなレビューやテストを実施してもらうか、指針を発注元で示しておき、それに沿って受注側で具体的な計画に落とし込んでもらいましょう。受注側と日本とで品質に関する捉え方が異なることを受け、レビューやテストの観点・範囲に、発注元の要望を受注側に予め伝えておくのが無難です。例えば、異常ケースはどこまで想定してレビューしておくか、といったものが挙げられます。

また、計画倒れになってしまったり、表面的な取り組みになってしまったりしないように、レビューやテストが計画どおりに実施されているか、発注元で定期的に見届けるようにしましょう。

この取り組みは、「鉄則:作り込んだバグは可能な限り早い段階で検出して修正する」ことを狙ったものです。

7. 属人的な進め方をせず、仕組み化する

国内での開発でも言えることですが、「その人(担当者)しか分からない」という属人的なプロジェクトの進め方では、継続的に高い品質のサービスを作ることは難しくなります。

開発を行っていくうえで、コーディング規約や納品物の仕様など、絶対に守ってもらいたいと考えていることは、現地のブリッジSEと開発メンバーに背景含めて伝達することはもちろん、「担当者を複数配置する」、「社内Wikiやチェックリストなどの情報共有ドキュメントを作成する」、「ツールを活用してオープンな場でコミュニケーションを行う」など、仕組みでカバーするようにしましょう。

こうした属人化を解消する取り組みは、継続していくとチーム内で開発に対する意識や観点が揃っていき、コミュニケーションロスや手戻りが少なくなります。導入当初は効率が悪いと感じるかもしれませんが、結果的に数ヶ月後には以前よりも効率的に進行できるようになるはずです。

8. 綿密なコミュニケーションをとる

オフショア開発を成功させるうえで最も重要なことは、綿密なコミュニケーションです。コミュニケーションをとることで信頼関係が生まれやすくなりますし、またプロジェクト内での共通で理解できる言語を決めておくと、お互いの認識が一致しやすくなります。

また、ベトナムなどのオフショア開発会社には日本語や英語でのコミュニケーションが可能なブリッジ人材が多いですが、日本語や英語を母国語とせず第2、第3言語とする国の場合、言語能力は人によってばらつきがあります。以下の点に注意することにより、コミュニケーションロスを減らすことができます。

(1) わかりやすい日本語(英語)で伝える

言葉の伝達方法を工夫すると、外国人にも理解してもらいやすくなります。例えば、1つの文章には1つのメッセージだけを込めて表現することを心がけてください。これを行うだけでも文章が簡潔になり、とても理解してもらいやすくなります。

また、1つの文章の中で否定する言葉を2回使用して肯定を示す二重否定なども避けましょう。例えば、「追加できないわけではない」などという表現は避け「追加できる」というように簡潔な肯定文で伝えましょう。作業指示などは箇条書きにして順番をつけてリスト化することなども有効です。

その他、た複数の意味を持ったり日本独特の曖昧な表現は避ける、カタカナ英語や擬音・擬態語は避けるのが無難です。

(2) コミュニケーションツールやタスク管理ツールを活用する

依頼側と開発側の2者間だけのメールやインターネット通話の場合、コミュニケーションが可視化されません。しかし、slackやchatworkのようなチャットツールを活用することで、チームメンバー間でチャットのやり取りを可視化することができるようになり、伝達した情報の理解度の把握や認識のずれが発生した場合の検証などが可能になります。

また、地理的に離れた相手と文章だけのやりとりだけでは冷たいコミュニケーションになりがちですが、チャットツールを使うことで、相手の顔のアイコンが表示されたり、絵文字を利用したりすることで円滑なコミュニケーションに役立ちます。

ビデオ会議ツールも有効です。ドキュメント画面を共有しながら説明したり理解度を確認する上で役立つだけでなく、言葉を聞いているだけの状況よりも、相手の顔の表情を見ることができ、伝えたいことの伝達度をうかがい知ることができます。

(3) 開発プロジェクトの大切な仲間というマインドセットを持つ

少なくとも週1回はオンラインでミーティングを実施するなど、定期的なコミュニケーションをとることが必要です。ミーティングでは口頭のみではなく、形に残るように会話の内容をテキスト化することで認識の齟齬が生まれにくくなります。

また、たまには現地へ出張して、開発チームのメンバーと直接会ってコミュニケーションする機会を設けることも有効です。一緒に食事したり雑談したりすることは業務とは無関係ではありますが、仲間意識が芽生え、お互い気軽に声を掛け合える関係性を構築できるようになれば、目標意識の共有化や役割の明確化、また価値観の相互理解に役立つはずです。

9. 進捗状況をこまめに確認する

進捗状況をリアルタイムで確認できれば、失敗のリスクを低く抑えてオフショア開発を成功に導くことができます。プロジェクト進行の管理については、RedmineやBacklog、その他のプロジェクト管理ツールやドキュメント管理ツールを活用しましょう。

プロジェクトの規模によっては、ブリッジSEが複数におよびますし、タスクが埋もれてしまうこともあります。誰がどのタスクを持っているか、進捗状況はどうか、 漏れはないか、バグ管理などを可視化し即座に確認してフォローできるようなツールの活用は大変有効です。

また、各エンジニアにタスクの進捗状況や明日の予定タスクなどを、毎日報告してもらえるように事前にルール化しておくとよいでしょう。報告をする際に使用するツールや、報告の仕方なども事前にすり合わせをしておきましょう。進捗状況をこまめに確認することによって、オフショア開発の各メンバーの抱える仕事量やキャパシティを把握できれば、追加で割り当てることができる仕事量を見い出してタスクをチーム全体に効率よく分配することもできるでしょう。

プロジェクト管理ツール、ドキュメント管理ツールなどを使って随時確認できるようにしておきましょう。打合せや毎日の報告をする際の使用ツール、要件の伝え方や報告の頻度など、事前にすり合わせをしておくと開発がスムーズに進みやすくなります。

事前準備が失敗を避け、オフショア開発を成功へと導く

オフショア開発はIT人材の確保やコスト削減など、いろいろなメリットがありますが、「開発先の企業を選んですべて丸投げすればよい」といった安易な考え方ではプロジェクトは失敗します。

日本とは習慣や文化も違う国とプロジェクトを進めるため、明確な要件定義、綿密なコミュニケーションや慎重に進捗管理するなど、発注側もしっかりとしたプロジェクト管理が必要です。

また、はじめてのオフショア開発を進める場合は、実績がある会社や自社のプロジェクトに合った開発先を選ぶことが大切でしょう。

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本記事は2部構成の後編です。前編では、日本企業が直面しているチャイナリスクと米中貿易摩擦の影響について解説しました。後編では、日本企業が中国から他国へ拠点を移転する動向と、その中でも特に注目されているベトナムの優位性について詳しく見ていきます。 ▼前編の記事はこちら2025年、ポストチャイナとベトナムの可能性 ー (1)チャイナリスクと米中貿易摩擦の行方 日本企業の中国から他国への移転状況 近年、日本企業は中国から他国への生産拠点の移転を加速させています。この動きの背景には、チャイナリスクの高まりやコスト競争力の低下があり、企業は新たな展開先を模索しています。 事業展開が有望な国・地域ランキング 国際協力銀行(JBIC)が実施した「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」によると、今後3年程度の有望な事業展開先として、インドが3年連続で首位を維持し、ベトナムが2位となっています。一方で、中国は6位に順位を落とし、有望国としての中国離れが鮮明になっています。このランキングは、日本企業が中国から他国への移転を検討する際の指標となっており、特にインドとベトナムが注目されています。 日本企業の海外直接投資(FDI)動向:中国 vs ベトナム 本企業の海外直接投資の動向を見ると、ベトナムへの投資が増加傾向にあります。大和総研のレポート「ベトナムへの進出/ビジネス拡大の好機(2024/11 /20 )」(PDF)によると、2023年の日本の対ベトナム投資額は、対中国投資額の1.1倍に達しており、ベトナムへの投資選好の高まりが示されています。この傾向は、ベトナムが製造業の新たな拠点として注目されていることを反映しています。 日本企業の拠点移転動向(製造業・IT業) 製造業においては、人件費の上昇や地政学的リスクを背景に、中国からベトナムやインド、メキシコなどへの生産拠点の移転が進んでいます。一方で、IT業界では、ベトナムがオフショア開発の拠点として注目を集めています。ベトナムの若年層の豊富な労働力と技術力の向上が、IT業界の進出を後押ししています。 これらの動きは、企業がリスク分散とコスト競争力の確保を目指していることを示しています。中国からの移転先としては、ベトナム、インド、メキシコが有力な選択肢となっており、中でもベトナムは製造拠点と市場の両面での魅力が評価されています。 ベトナムの優位性と今後の展望 ベトナムの経済成長率と労働人口 ベトナムは近年、安定した経済成長を遂げています。ベトナム統計総局によると、2024年の実質GDP成長率(推計値)は前年比7.09%であり、1人当たりGDPは4,700ドル(前年より377ドル増)と推定されています。 労働人口に関しては、2023年にベトナムの人口は約1億300万人に達し、そのうち6,700万人以上が生産年齢人口(15~64歳)に該当します。平均年齢は31歳と若く、豊富な労働力が経済成長を支えています。 このような経済成長と若年層の豊富な労働力は、ベトナムが製造業やIT業界の新たな拠点として注目される要因となっています。 チャイナ・プラスワンの他の候補国に比べてベトナムが有利な点 チャイナ・プラスワン戦略において、ベトナムは他の候補国と比較していくつかの優位性を持っています。 まず、ベトナムの賃金水準は他の新興国と比較して依然として低く、豊富な労働力を有しています。これにより、低コストでの生産が可能となり、多くの企業が進出を検討する要因となっています。 次に、ベトナムは政治的に安定しており、外交リスクが小さいため、企業の進出先としての安心感があります。加えて、地理的にも中国と国境を接しており、中国のサプライチェーンとの連携が容易であることも大きなメリットとなっています。 また、ベトナムは積極的に貿易協定を締結しており、多くの貿易相手国と関税面での優遇措置を享受する環境にあります。これにより、輸出入のコストが抑えられ、企業にとっての競争力を高める要因となっています。 これらの要因により、ベトナムはチャイナ・プラスワンの候補地として他国よりも有利な位置にあると考えられます。 低賃金と豊富な労働力:ベトナムは他の新興国と比較して賃金が安く、豊富な労働力を有しています。 政治・外交リスクの低さ:ベトナムは政治的に安定しており、外交リスクも小さいため、企業の進出先として安心感があります。 地理的優位性:ベトナムは中国と国境を接しており、中国のサプライチェーンとの連携が容易です。 積極的な貿易協定の締結:ベトナムは多くの貿易協定を締結しており、輸出入における関税面での優遇を受けやすい環境にあります。 ポストチャイナ時代に向けた日本企業の新たな選択肢 日中関係の変化や米中貿易摩擦の影響を受け、日本企業の「ポストチャイナ」戦略は今後も続くと予想されます。その中で、ベトナムは製造業の生産拠点としてだけでなく、IT開発の拠点としても成長を続けています。 製造業の拠点移転に留まらず、ITオフショア開発を活用しながらDXを推進することで、日本企業の競争力強化が求められます。ベトナムは「生産」「市場」「IT開発」の3つの側面で、日本企業の成長を支える重要な拠点となる可能性が高いと考えられます。 日本企業のサプライチェーンは、大きな転換期を迎えています。地政学リスクやコストの上昇、貿易摩擦の影響により、中国への依存を見直す動きは不可避となりました。 その中で、ベトナムは製造業の新たな拠点としての競争力を高めるだけでなく、IT開発・デジタル市場の成長により、日本企業にとって多面的な魅力を持つ国へと変貌しつつあります。チャイナ・プラスワンの有力候補として、今後もその存在感を増していくことは間違いありません。製造・市場・IT開発の3つの軸で、新たな事業展開を模索する日本企業にとって、ベトナムは今、最も注目すべき国の一つといえるでしょう。 ▼前編の記事はこちら2025年、ポストチャイナとベトナムの可能性──チャイナリスクと米中貿易摩擦の行方 無料eBookのダウンロード チェックリストでわかる 失敗しないオフショア開発会社の選び方 オフショア開発会社選びの準備から開発開始まで、多様な角度からチェックポイントを網羅。チェックリストを活用して効率的な選定や基準作りに役立ちます。 今すぐダウンロード(無料) 無料eBookのダウンロード 保存版 オフショア開発入門ガイド オフショア開発を始める前の気になる疑問を解決!オフショア開発を検討中の方に向けて、オフショア開発の基本的な知識から注意点までを解説します。 今すぐダウンロード(無料)

September 9, 2024

医療業界におけるAIの活用事例

人材不足や過酷な労働環境という課題を抱える医療業界において、企業や医療機関はAIを積極的に導入することで診断精度の向上や労働環境の改善につなげています。本記事では、医療業界でAIの導入が求められる背景や、具体的な導入事例をご紹介します。  医療業界でAIの導入が求められる背景 創薬 新薬の開発プロセスを大幅に効率化するためにAIの活用が進んでいます。AIは、膨大な化学データや生物学データを迅速に解析し、効果が期待できる分子を特定するために利用され、臨床試験の成功率を予測したり、副作用のリスクを評価したりするのに貢献します。これにより、研究期間の短縮および新薬の迅速な提供が期待されています。  例えば、AIを活用した創薬分野のスタートアップであるシンセティックゲシュタルトは、 大規模な化合物データを基にAIモデルを構築し、新薬候補を特定しています。特に、ウクライナのEnamine社のデータベースを活用し、従来よりも20倍以上のデータを使用してAIを訓練することで、予測精度を向上させま。さら。さらに、化合物の3次元構造データを考慮することで、化合物発見の可能性を大幅に向上させています。  疾病予測と予防 AIを用いて患者の健康データやライフスタイル情報を解析することで、将来の病気リスクを特定することが可能です。これにより、疾患の早期発見や発症前の予防が可能となります。  例えば、カナダのRetiSpecは、AI技術を使い、眼科検査でアルツハイマー病の早期発見を目指しています。網膜の画像を解析し、認知症の原因とされるアミロイドβの蓄積を予測することで、病気の初期段階での診断を可能にします。この技術により、アルツハイマー病の早期治療や生活の質向上が期待されています。  パーソナライズド・メディシン AIを活用したパーソナライズド・メディシンは、個々の患者の遺伝情報、生活習慣、医療データを分析し、最適な治療法を提供する医療アプローチです。これにより、従来の画一的な治療法に比べて、患者ごとにより効果的で副作用の少ない治療が実現します。AIは膨大なデータを迅速に解析し、個々のニーズに合った治療を提案することで、精度の高い医療をサポートします。  例えば、日立製作所は、ユタ大学およびレーゲンストリーフ研究所と共同で、複数の治療薬を要する2型糖尿病患者向けに、AIを活用した治療薬選択支援システムを開発しました。このシステムは、ユタ州およびインディアナ州の電子カルテデータを統合・分析し、患者の体重や検査値、治療薬などのデータを基に、過去に病態が類似する患者の治療パターンを学習しています。実際に2剤以上の併用治療において検証した結果、83%以上のケースで治療薬の選択を支援可能という結果が得られています。  医療画像解析 X線、CTスキャン、MRIなどの医療画像の解析にAIを用いることでがんや心疾患などの早期発見や診断精度を上させるのに役立ちます。AIは膨大な画像データを学習し、腫瘍や異常な組織を迅速かつ高精度で検出することができ、これにより医師の診断作業を効率化し、人的エラー(見落とし等)を減らすことが可能です。  例えば、エルピクセル株式会社は、胸部X線画像から肺がんが疑われる肺結節を検出するAI医用画像解析ソフト「EIRL Chest Nodule」を提供しています。このソフトは医師の診断支援により、見落とし防止に大きく寄与し、放射線科専門医で9.95%、非専門医で13.1%の感度向上が認められました。継続的な改良により、医療現場での活用が期待されています。  メンタルヘルスケア メンタルヘルスケアにおいて、AIは精神的な健康状態のモニタリングや予防に役立ちます。AIは、患者の言動や生体データを分析してストレスや不安、うつ病の兆候を早期に検知し、個別に適したサポートを提供します。  例えば、エストニアのソフトウェア企業であるShen.AIは、顔認識技術を活用して遠隔で健康状態をチェックできるシステムを提供しており、ラテンアメリカのヘルステック企業VivaWellと提携しています。この技術により、ユーザーはスマートフォンを使って心拍数や呼吸数などのバイタルサインを測定し、医療機関に行かずに自宅で健康状態をモニタリングできます。これにより、予防的なヘルスケアが手軽に実現され、特に医療アクセスが限られた地域での健康管理が向上します。  まとめ 膨大な医療データをAIで解析できるようになったことで、創薬や診断の効率化、個別化医療の実現を促進し、医療現場での診療エラーの低減や精度向上が期待されています。医療業界において、今後ますますAIの導入が促進されると予想されます。  本記事の読者の中で、AIの導入を検討されている企業様がいらっしゃいましたら、是非リッケイにお任せください!株式会社リッケイは、べトナムTop10のICT企業の日本法人であり、グループ全体で1800名以上のエンジニアを擁しています。また、AIに特化した関連子会社も有しており、ChatGPT搭載のロボットや生成AIを活用した人事向け履歴書分析ツールなどを開発しています。お客様のプロジェクトに最適なAI開発人材を迅速に用意可能ですので、お気軽にお問い合わせください。 

August 16, 2024

ベトナムのアプリ市場が急拡大!アプリ開発ならベトナムオフショア!

ベトナムのアプリ開発市場は、近年急速に成長しており、グローバルなITアウトソーシングのハブとして注目を集めています。本記事では、ベトナムのアプリ市場の最新動向やアプリをベトナムオフショアで開発するメリット・デメリットをご紹介します!  ベトナムのアプリ市場の最新動向 ベトナムのアプリケーション市場は急成長を遂げています。2023年には、ベトナムの開発者によるアプリが56億件以上ダウンロードされると予測されています。  これは、ベトナムが世界で最も急速に成長している市場の一つであることを示しています。2024年7月11日にハノイで開催された「ThinkApps 2024」イベントで、Googleのベトナム市場担当エグゼクティブディレクターであるMarc Woo氏は、ベトナムのアプリとゲーム開発業界が2年連続で世界トップ5に入っていることを強調しました。  特に、ベトナム製のゲームとアプリのダウンロード数は11億増加し、毎分10,700回のダウンロードが行われています。  一方で、ダウンロード数に対してアプリを通じた収益が伸び悩んでいるという課題があります。ベトナムはアプリ内購入による収益で世界第28位に位置していますが、収益は2億ドルにとどまっています。比較として、キプロスでは300のアプリ会社が1.4億ドルの収益を上げているのに対し、ベトナムでは1,500の企業で2億ドルしか収益をあげることができていません。  このため、特にゲームのアプリ開発者は高価値の体験設計に注力し、持続可能な収益源を生み出すことが求められています。  さらに、Googleによれば、ベトナムの開発業界はAI統合においても多くの課題に直面しています。AI専門家や質の高いトレーニングプログラムの不足、AI関連製品の試験や開発のためのインフラの欠如などが挙げられます。  Googleは、最新のAI技術とサポートプログラムを通じて、ベトナムの開発者が高品質のアプリケーションを構築し、グローバルにアクセスし、持続可能なビジネス成長を達成することを目指しています。  ベトナムオフショアでアプリ開発するメリット 開発コストが削減できる 日本国内での開発に比べて、人件費の低いベトナムのITリソースを活用することで、開発コストを大幅に削減することができます。ベトナムオフショアを活用することで、日本と同じスキルセットを有するベトナムのエンジニアを約1/2のコストで調達することが可能です。また、ベトナムのインフラやオフィススペースのコストも比較的安価であるため、総合的な運用費用を削減することができます。これにより、企業は限られた予算内で高品質なアプリを開発することができ、他の重要なビジネス活動に資金を再配分することが可能になります。  多様なスキルを持つIT人材が豊富 ベトナムは、若くて優秀なIT人材が豊富な国として知られています。毎年12万人の大学卒業生がIT関連の学位を取得し、特にプログラミングやソフトウェア開発、データサイエンスなどの分野で高いスキルを持つ人材が市場に供給されています。これにより、企業はプロジェクトのニーズに応じて多様なスキルセットを持つ人材を確保することができます。ベトナムのIT人材は、最新の技術トレンドにも敏感で、AI、ブロックチェーン、IoTなどの新しい技術にも対応可能です。このようなスキルの多様性は、複雑なアプリケーションの開発や革新的なソリューションの実現を可能にし、企業の競争力を高める要因となります。  IT産業を国家の重要産業と位置付けている ベトナム政府は、IT産業を国家の重要な成長分野と位置付け、IT大国を目指して積極的に政策を推進しています。政府は教育機関と連携してIT教育を強化し、2025年までに110万人のIT技術者を育成する目標を掲げています。 また、外国企業の投資を促進するための優遇措置やインフラ整備も進めており、IT産業の発展を支える環境が整っています。これにより、ベトナムは国際的なIT企業やスタートアップの拠点として注目を集めています。ベトナムオフショアを利用する日本企業にとっては、こうした国家的な取り組みが信頼性の高い開発環境を提供し、長期的なパートナーシップを築く上での安心材料となります。  日本と文化が近い ベトナムは親日国として知られており、日本と文化的に多くの共通点を持っています。勤勉さや礼儀正しさ、チームワークを重視する姿勢など、ビジネスにおいて重要な価値観が共有されているため、円滑な協力関係を築きやすいです。また、ベトナムでは日本語教育が盛んで、日本語を話せるIT人材も多く存在します。これにより、コミュニケーションの障壁が少なく、プロジェクトの進行がスムーズになります。さらに、時差が2時間と少ないため、リアルタイムでのやり取りが可能で、プロジェクト管理や緊急対応が迅速に行えます。これらの要素は、ベトナムをオフショア開発のパートナーとして選ぶ際の大きな利点となります。  ベトナム発の世界的なアプリも生まれている ベトナムは、革新的なアプリやゲームが世界的に成功を収める例が増えており、特に注目されています。その一例が、ブロックチェーンゲーム「Axie Infinity」です。このゲームは、ベトナムのスタートアップSky Mavisが開発し、デジタルペットを育成・対戦させるというユニークなコンセプトで、世界中のユーザーを魅了しています。Axie Infinityは、プレイヤーがゲーム内で得たアイテムを暗号資産として取引できる仕組みを持ち、ブロックチェーン技術を活用した新しいビジネスモデルを確立しています。この成功は、ベトナムの開発者が持つ技術力と創造力を示しており、ベトナムがグローバルなIT市場での存在感を高める要因となっています。日本企業にとって、ベトナムのようなイノベーションが生まれる環境で開発を行うことは、新しいアイデアや技術を取り入れたプロジェクトを実現する大きなメリットとなります。  ベトナムオフショアでアプリ開発するデメリット コミュニケーションの課題 言語や文化の違いにより、コミュニケーションがスムーズに進まないことがあります。特に、プロジェクトの細かなニュアンスや仕様変更を正確に伝えるのが難しい場合があり、期待通りの成果が得られないリスクがあります。適切なコミュニケーションを確保するためには、ブリッジSEの活用や日本語能力レベルの確認、定期的なミーティングが必要です。   品質管理の難しさ オフショア開発では、物理的な距離があるため、開発プロセスの進捗や品質を直接確認するのが難しいことがあります。これにより、納期遅延や品質のばらつきが生じるケースが考えられます、品質管理を徹底するためには、明確な基準設定や定期的なレビューが重要です。   データセキュリティの懸念 日本国内、オフショアに関わらず、パートナーにデータを提供する際には、データのプライバシーやセキュリティに関する懸念が生じます。適切なセキュリティ対策が講じられていない場合、データ漏洩や不正アクセスのリスクが高まります。セキュリティを確保するためには、契約時に厳格なセキュリティポリシーを設定し、定期的な監査を行うことが求められます。  アプリ開発はベトナムオフショアがおすすめ! ベトナムは、急成長するアプリ市場と豊富なIT人材で、ITアウトソーシング先として世界から注目されています。ベトナムオフショアを活用したアプリ開発は、コスト効率や多様なスキルを持つ人材の活用が可能で、文化的な共通点や時差の少なさも日本企業にとってメリットのある選択肢と言えます。一方で、オフショアのメリットを存分に享受するためにもコミュニケーション、品質管理、データセキュリティという課題への対策をしっかり行う必要があります。  本記事の読者の中で、ベトナムオフショアを活用したアプリ開発を検討している企業様がいらっしゃいましたら、リッケイにお任せください!  リッケイは、Android、iOS、クロスプラットフォームにおけるアプリ開発、高いセキュリティが求められる金融・証券系アプリ、ヘルスケアアプリなどの開発実績が豊富にございます。グループ全体で1,800名以上のエンジニアが在籍しており、お客様の要件に最適な人材を即座に提供可能です。詳細に関しましてはこちらお気軽にお問い合わせください。  

August 15, 2024

ベトナムのデジタル経済の未来 – 日本にとっての高度IT人材供給源 –

ベトナムのデジタル経済を牽引するAI革命 Googleは、ベトナムのデジタル経済が2030年までに11倍に成長し、2,200億ドルに達すると予測しています。これは、ベトナムの現在のGDPのほぼ半分に相当します。  国家イノベーションセンター(NIC)とGoogleが7月11日に開始した「ベトナムのAI未来の創造」プログラムで、Googleアジアパシフィックのベトナム担当CEOマーク・ウー氏は、東南アジアのデジタル経済が劇的に成長し、AIの力で2030年までに8,350億ドルに達すると述べています。  Googleは、AIがベトナムの経済成長において重要な要素であると考えていますが、AI分野の人材不足や専門家の不足が課題となっています。これにより、市場の需要と人材の供給の間にギャップが生じています。  特に、AIスタートアップ企業は、必要なインフラやツールへのアクセスが不足しており、製品開発や市場拡大に苦労しています。計画投資省のチャン・ズイ・ドン副大臣は、ベトナムが第4次産業革命の課題を克服するために、政府や首相に積極的に助言してきたと述べています。  これに基づき、計画投資省は、以下のことを行うために省庁と調整しました。  (i) 2030 年までの第 4 次産業革命に関する国家戦略を調査し、公布のために首相に提出する。   (ii) エコシステム形成を促進するためのナショナル・イノベーション・センターの設立提案。   (iii) 世界中の何千人ものベトナムの専門家や知識人とベトナムイノベーションネットワークを形成し、発展させる。   (iv) 2030 年までに 50,000人の半導体技術者を育成することを目標とする「半導体産業人材育成プロジェクト」を策定し、内閣総理大臣に提出する。    さらに、計画投資省とGoogleは、「ベトナムのAI未来の創造」プログラムを通じて、人材育成とビジネス創造の2つの柱に焦点を当てています。このプログラムでは、全国の80以上の大学の職員、講師、学生を含むベトナムの若い世代を対象に、最新のAIスキルを学ぶためのコースを提供し、4万人に奨学金を授与する予定です。  ベトナムは引き続き日本にとってのIT人材供給源 上述したように、ベトナムは2030年までAIによってデジタル経済が大きく成長することが見込まれており、多くのAI人材の育成・輩出が期待されています。つまり、ベトナムは日本企業日本企業にとって引き続きIT人材の供給源となることでしょう。  日本におけるベトナムオフショア企業の最新動向として、2024年7月7日にベトナムIT企業によって日越DX協会(VASX JAPAN)が発足しました。当社株式会社リッケイの代表取締役であるBui Quang Huy(ブイ・クワン・フイ)氏は、同協会の共同会長に就任しました。  日越DX協会は、日越間の技術交流を促進し、両国のデジタルトランスフォーメーションの発展を促進することを目的として設立されました。また、先進技術ソリューションの協力と共有を推進し、情報技術および通信分野で活動する企業を結び付けるプラットフォームとして機能します。    日越DX協会は、今後デジタルテクノロジー分野における両国間の協力と発展を促進する戦略的な架け橋となるとともに、デジタルトランスフォーメーションプロセスの加速と効率向上を図り、持続可能な経済社会の発展に貢献することを目指します。 加えて、高度ITエンジニアを育成し、日本に数万人の高品質なITエンジニア、ベトナムに数十万人の日本語が堪能なエンジニアのチームを構築することを掲げ、2030 年までに 789,000 人と推定される日本の人材不足を補うことに貢献することをことを目指しています。  【関連記事】リッケイ、在日ベトナム企業と日越DX協会を設立し、共同会長に就任 まとめ ベトナムは、AIを活用したデジタル経済の成長が期待される中、深刻なITリソース不足に陥っている日本企業にとって今後も重要IT人材供給源となることが考えられます。また、日越DX協会の設立により、日越間の技術交流が促進され、デジタルトランスフォーメーションの発展が期待されています。  数多くあるベトナムオフショア企業の中で、当社リッケイは小売、物流、金融、製造など幅広い業種のお客様への豊富な支援実績がございます。クラウド、AI、IoT、ブロックチェーンなどの最先端技術に精通した1,800名以上のIT人材が在籍しており、お客様のニーズに合った人材を即座にアサインすることが可能です。「ITリソースが不足している」などのお悩みをお持ちの企業様はお気軽にお問い合わせください。 

July 4, 2024

AI開発人材の確保ならベトナムオフショアがおすすめ

AI技術の進展とデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、企業は優秀なAI開発人材の確保が急務となっています。しかし、日本では少子高齢化による労働力不足や教育・研修体制の遅れ、人材獲得競争の激化などの課題から、国内でAI開発人材の確保が難しい状況です。そこでAI開発人材の外部調達が注目されています。本記事では、AI開発人材が求められる背景や社内育成と外部調達の比較、外部調達先としてのベトナムオフショアの魅力などについてご紹介します。  AI開発人材が求められる背景 AI技術の急速な進歩 AI技術は近年急速に進歩しており、特に機械学習やディープラーニングなどの分野で大きな成果が上がっています。これにより、AI技術を活用した新しいサービスや製品の開発が進んでいます。例えば、画像認識、自然言語処理、生成AIなどが多くの分野で実用化されています。企業が競争力を維持するためには、AI開発人材の確保が急務と言えます。  デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める中で、AI技術の導入が不可欠と考えています。AIを活用することで業務の効率化や新たなビジネスモデルの構築、顧客体験の創出が可能となります。  労働力不足 日本では少子高齢化に伴う労働力不足が深刻な問題となっています。AI技術を活用することで、労働力不足を補い、生産性を向上させることが期待されています。特に、単純作業の自動化やデータ分析の効率化などが挙げられます。  日本でAI開発人材の確保が難しい理由 教育・研修体制の遅れ AI技術は急速に進化しており、最新の知識やスキルを継続的に学び続けることが求められます。しかし、日本の教育機関や企業の体制はこのスピードに追いついていないのが現状です。AI技術を習得するためには、統計学や数学、プログラミングスキルなど高度な専門知識が必要であり、これを学ぶためには多大な時間と労力がかかります。  人材獲得競争の激化 AI技術は多くの産業で需要が高まっており、特に大企業や先進的なスタートアップが優秀な人材を争奪しています。このため、中小企業や新興企業が優秀なAI開発者を確保するのが難しくなっています。  海外への人材流出 優秀なAI開発者は、より高い報酬や研究環境を求めて海外に流出する傾向があります。特にアメリカや中国など、AI研究が盛んな国々が魅力的なオファーを提供しているため、日本国内に優秀な人材を留めるのが難しくなっています。 AI開発人材は社内育成すべき?それとも外部調達すべき? 社内育成のメリット 企業文化と業務理解の向上 社内で育成された人材は、企業の文化や業務プロセスに精通しているため、外部から採用する人材よりもスムーズにプロジェクトに適応できます。これにより、AI開発プロジェクトが企業の具体的なニーズや目標に沿った形で進行しやすくなります。 迅速な対応と柔軟性 社内のAIチームは、急な変更や新しい要件に対して迅速に対応できます。外部のパートナーに依存することなく、即座に対応策を講じることが可能です。社内チームは直接的なコミュニケーションが可能であり、フィードバックループが迅速に回るため、プロジェクトの進行がスムーズです。  知識とスキルの蓄積 社内で育成された人材は、プロジェクトを通じて得た知識やスキルを組織内に蓄積することができます。これにより、継続的なプロジェクトや新たな取り組みにおいてもその知識を活用することができます。  社内育成のデメリット 高コスト 社内育成には、設備投資、教育プログラムの設計・実施費用、継続的なスキルアップのための追加コストがかかります。これらのコストは一時的なものではなく、継続的な投資が必要です。これらの費用は特に中小企業にとっては大きな負担となる可能性があります。  最新の技術や知識をカバーできない 社内の教育プログラムだけでは、最新の技術動向や高度な専門知識を完全にカバーすることが難しい場合があります。特にAI分野は急速に進化しているため、外部の専門家や最新の研究成果にアクセスすることが求められることがあります。社内育成だけでは、これらの知識をタイムリーに取り入れることが難しくなる可能性があります。 引き抜きリスク 社内で育成した人材が他社に転職してしまうリスクがあります。せっかく時間とリソースをかけて育成した人材が流出すると、投資が無駄になり、再度新たな人材を育成する必要が生じます。特にAI開発人材は市場での需要が高いため、他社からの引き抜きリスクが常に存在します。  外部調達のメリット コスト効率 外部調達は、社内でAIチームを構築する場合に比べてコスト効率が高いです。特に、インフラやソフトウェアツールの初期投資が不要であり、外部パートナーが既に必要な技術とプラットフォームを持っているため、運用コストを削減できます。  専門知識と技術へのアクセス 外部調達により、AI開発の専門知識を持つグローバルな人材プールにアクセスできます。これにより、最新の技術やトレンドを活用することができ、内部チームでは得られない高度なスキルを持つ専門家と協力できます。  即戦力の確保 外部からAI開発人材を調達することで、即戦力となる専門家を迅速に確保できます。これにより、プロジェクトの立ち上げや進行がスムーズに行え、時間を節約できます。特に、急ぎのプロジェクトや高度な専門知識が必要な場合には大きな利点となります。 柔軟なリソース管理 外部調達により、プロジェクトのニーズに応じて人材を柔軟に増減することができます。これにより、リソースの無駄を減らし、コスト効率を高めることができます。特に、短期的なプロジェクトや特定のスキルセットが必要な場合には、外部調達が効果的です。  外部調達のデメリット データセキュリティの懸念 外部パートナーにデータを提供する際には、データのプライバシーやセキュリティに関する懸念が生じます。適切なセキュリティ対策が講じられていない場合、データ漏洩のリスクが高まります。  コミュニケーションの課題 言語や文化の違いにより、細かなニュアンスが伝わりにくいことがあります。コミュニケーションの質がプロジェクトの成功に直結するといっても過言ではないため、特にオフショア開発を利用する際は、事前にブリッジSEなどの日本語能力に問題がないか確認する必要があるでしょう。    コントロールの喪失 外部パートナーに依存することで、プロジェクトの進行や品質に対するコントロールが難しくなることがあります。特に、外部パートナーが企業のビジネスプロセスや文化を十分に理解していない場合、期待通りの成果が得られないことがあります。  AI開発人材の外部調達ならベトナムオフショア! 近年、ベトナムはオフショア開発先として最も注目されています。ベトナムオフショアはコストメリットだけでなく、ベトナムTopの理系大学であるハノイ工科大学がベトナム初の生成AIに特化したプログラムを開講するなど、優秀なAI開発人材の調達先として関心を集めています。ここでは、一般的なベトナムオフショアのメリットを紹介します。  コスト削減 ベトナムのAIエンジニアの人月単価は日本と比べて大幅に低く、ベトナムオフショアを利用することで、国内企業に依頼するよりも大幅にコストを削減することができます。国内企業に依頼すると、1人月150万円以上かかる場合がありますが、ベトナムのAIエンジニアだと半額程度に削減することができる場合もあります。  豊富な若手人材 ベトナムは若くて優秀なIT人材が豊富であり、政府もICT分野の人材育成に力を入れています。毎年57,000人ものIT技術者が育成されており、AIやデータサイエンスに関心を持つ若手が多いです。 地理的・文化的な親和性 ベトナムは親日国として知られており、時差も2時間と少なく、地理的に日本が一緒にビジネスをしやすい国の一つと言われています。また、勤勉な国民性という共通点もあり、文化的にも非常に協働しやすいです。  […]