クラウド移行とは?メリット、デメリット、適しているケース

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November, 2023

クラウド移行とは?メリット、デメリット、適しているケース

総務省の「令和3年 情報通信白書」によると、2020年において、全社もしくは一部の事業所または部門で何かしらのクラウドサービスを利用していると答えた企業の割合は、68.7%でした。これは、2019年の64.7%から4.0ポイント、2016年の44.5%から20.2ポイントもクラウドサービスの利用が進んでいるということになります。 一方で、残りの31.3%の企業はクラウドサービスをこれまで全く使っていないということになります。クラウドサービスの導入が必ずしもすべての企業に恩恵をもたらすとは言えませんが、その特徴やメリットとデメリットを理解したうえで、クラウドサービスを利用するのか、しないのかを判断すると良いでしょう。 本記事では、クラウドにあまり詳しくない方向けに、クラウド移行のメリットとデメリット、クラウド移行が適しているケースと適していないケースについてわかりやすくご紹介します。 【関連記事】AWSとは?オンプレミスとの違いや代表的なサービスをわかりやすく解説! 1. クラウド移行とは? クラウドコンピューティング(クラウド)とは、インターネットを介して、サーバー、ストレージ、アプリケーションなどさまざまなサービスを提供する技術です。インターネットにつながっていれば、会社だけでなく、自宅からでもアクセスし、サービスを利用することができます。 従来、企業は社内システムを自社の敷地内に設置されたサーバーによって運用するオンプレミスが主流でした。オンプレミスだと高価かつハード機器であるサーバー機器やネットワークを自分たちの敷地内で自分たちで構築し、維持・運用しなければなりませんでした。 クラウド移行とは、オンプレミスの大変かつお金のかかるサーバーなどの構築・維持・運用作業を外部に委託し、インターネットにつながるだけでソフトウェアを利用したり、インフラやアプリケーション開発環境をすぐに構築できるようにしたりすることです。 2. クラウド移行のメリット/デメリットとは? メリット コストと労力を削減できる クラウド移行のメリットとして、オンプレミスと比較した際のコストおよび労力の削減があげられます。オンプレミスだと物理的なサーバー機器などの設備の購入に多額のコストが発生するだけでなく、その維持や運用、監視に多くの人的リソースを要します。一方で、クラウドに移行することで、サーバーの管理・運用はすべてサービス側が代わりに担ってくれるため、企業はリソースを使った分だけコストを支払えばよく、コスト管理がしやすく、社内リソースを他のコア業務に解放できます。   柔軟にスケールアップ・スケールダウンできる オンプレミスでサーバーを増強しようとすると、物理的なスペースの確保、追加ハードウェアの購入、設置作業、システムへの統合などが必要となり、これらのプロセスはコストと時間を要し、システムのダウンタイムを伴う可能性もあります。また、将来の拡張性を考慮した設計が必要であり、予測を誤るとリソース不足や過剰投資につながるリスクもあります。一方で、クラウドに移行することで、ビジネスの規模や需要に合わせて、操作画面上で数クリックでリソースを追加または減少させることができます。これにより、コスト効率の高い運用が実現されます。   セキュリティ対策や災害時の対応を委託できる オンプレミスではシステム環境の物理的な障害対応や災害時の復旧作業などをすべて自社の担当者が対応しなければならず、多くの負担がかかります。クラウドに移行することで、それらの作業をサービス側が24時間365日対応してくれます。また、クラウドサービスプロバイダーは、世界の複数個所にデータセンターを分散して運用されているため、災害時でも企業の重要なデータが守られます。   デメリット コストが高くなる場合がある クラウドは、オンプレミスよりコストが安いと思われがちです。確かに、導入にかかる費用や労力で比較すると、クラウドの方が楽かつ安価で済むかもしれません。ただし、クラウドは、リソースを使った分だけ課金される従量課金制が採用されているため、場合によっては、クラウドの方が費用がかさんでしまいます。一方で、オンプレミスには、サーバーの維持。管理・保守や障害発生時の対応など、見えづらいコストもあるため、それらも含めて比較すると良いでしょう。   カスタマイズ性が低い クラウドに移行すると、標準化されたインフラストラクチャとサービスを利用することになるため、オンプレミスのように自社に合わせてサーバー、ストレージ、ネットワークなどを細かくカスタマイズすることができず、柔軟性に制限が生じるというデメリットがあります。そのため、特定のカスタム要件や独自のセットアップが必要な場合には、クラウドの利用が制約となることがあります。   自社のセキュリティポリシーに合わない場合がある クラウド環境では、データの管理と保護が主にプロバイダーに委ねられますが、それが自社のセキュリティポリシーに完全に準拠していない場合があります。これにより、データの機密性、完全性、可用性を維持する上でのリスクが生じ、自社が求めるセキュリティレベルを満たさないケースが考えられます。したがって、クラウド移行前にはプロバイダーのセキュリティポリシーを徹底的に評価し、自社のセキュリティ基準との整合性を確認することが重要です。   3. クラウド移行が適しているケース・適していないケース最後に、クラウド移行が適しているケースと適していないケースをそれぞれご紹介します。 クラウド移行が適しているケースIT担当者がいないケースオンプレミスの維持・運用には、高い専門性を要します。そのため、社内にサーバーやセキュリティに詳しい担当者が不在の場合は、クラウドに移行することで、クラウドサービスプロバイダーにセキュリティ対策やサーバーの維持・運用・保守を委託することができます。 導入時のコストや労力を抑えたいケース 上述したように、クラウドはオンプレミスと異なり、ハードウェアなどの購入、構築をする必要がなく、コストと労力を削減しながら、すぐに導入し、使用を開始することができます。特に、初期投資額と社内リソースを節約したいと考えている中小企業やスタートアップに向いていると言えます。 需要の変動が大きいビジネスのケース急成長しているスタートアップや季節的な需要の変動が大きいビジネスなど、自社の需要に応じてリソースを柔軟にスケールアップしたり、スケールダウンをしたい場合、クラウドへの移行が最適だと言えます。オンプレミスと違って、数クリック、数分のうちにITリソースを最適化できます。 災害対策をしたいケースオンプレミスで運用している場合、地震などの自然災害が発生すると、物理的なハードウェアが破損し、会社の重要なデータが消えてしまうだけでなく、サービスダウンによって、サービスの提供ができなくなり、お客様に迷惑をかけたり信用失墜につながる可能性があります。クラウドに移行すると、データは、世界に分散されたデータセンターに保存されているため、万が一災害が発生した場合においても、データの消失などのリスクを低減し、迅速な復旧が可能になります。  クラウド移行が適していないケース自由にシステムをカスタマイズしたいケース高度なカスタマイズがしたい企業や特定の技術要件を持つ企業の場合、標準化されたクラウドサービスでは、柔軟性に欠けるかもしれません。また、金融や医療業界など、厳格な規制やコンプライアンスの要件がある場合も、クラウドへの移行が規制上の制約に抵触する可能性があります。このようなケースでは、オンプレミスを継続して使用する、またはその業界に詳しいパートナーに相談し、入念に準備したうえで移行することをおすすめします。 自社システムと連携できないケース自社の既存のオンプレミスシステムが特定のアーキテクチャや古い技術に基づいていることにより、クラウドサービスとの互換性がなく、連携できないケースがあります。このような状況では、システム間のデータのやり取りや統合が難しく、クラウドサービスを効果的に活用することができません。そのため、システムのアップデートや完全な再設計が必要になることがあります。  まとめ導入時にコストと人的リソースが節約できたり、企業のビジネス需要に応じて柔軟にスケーリングできたり、サーバーなどの維持・運用・保守に関する作業から解放されるなどのメリットから、企業はオンプレミスからクラウドへの移行を選択するようになりました。  一方で、クラウドのセキュリティポリシーと自社のセキュリティポリシーにそぐわない場合や自社でサーバーやストレージを完全にカスタマイズしたい場合などは、クラウド移行は適しているとは言えません。   オンプレミスとクラウドのメリットデメリットをそれぞれよく理解したうえで、どちらかまたは双方を選択すべきかを判断するのが良いでしょう。   株式会社リッケイは、オンプレミスからクラウドへの移行、現在利用しているクラウドプラットフォームから他社クラウドプラットフォームへの移行などのサービスを提供しております。クラウドに移行すべきかわからない、どのクラウドプラットフォームを利用すべきかわからない企業様は、お気軽にお問い合わせください。   クラウドに関する当社の実績はこちら

AWSとは?オンプレミスとの違いや代表的なサービスをわかりやすく解説!

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November, 2023

AWSとは?オンプレミスとの違いや代表的なサービスをわかりやすく解説!

AIの台頭により、世界が目まぐるしく変化する今日において、企業は迅速かつ柔軟に対応することが求められます。このような背景から、ITインフラやシステム環境を従来のオンプレミスからクラウドへ移行する流れが加速しています。多くのクラウドサービスがある中で、30%以上と世界で最も高いシェアを誇るのが、米Amazon社のAWS(Amazon Web Services:アマゾンウェブサービス)です。本記事では、AWSの基本情報、オンプレミスとクラウドの比較、AWSの代表的なサービスやAI開発に利用されるAWSサービスなどをご紹介します。 1. AWSとは? AWS(Amazon Web Services:アマゾンウェブサービス)は米Amazon社が提供する世界No.1シェアを誇るクラウドプラットフォームです。AWSには、ストレージ、データベース、サーバー、AI、IoT、ブロックチェーンをはじめとした200種類以上のサービスが含まれ、自社に必要なものだけを選んで利用することができます。 AWSは、そのスケーラビリティや高いセキュリティ、高いコスト効率などのメリットにより、スタートアップから大企業、公共機関まで国内外の幅広い顧客に利用されています。 2. 従来のオンプレミスとクラウドの違い オンプレミスとは  オンプレミス(on-premises)とは、企業が自社の物理的な施設内にデータセンターやサーバーを持ち、自らのITインフラを管理・運用するアプローチのことを指します。   オンプレミスの最大の利点は、自社のセキュリティポリシーに基づいて、ネットワーク、サーバー、アプリケーション、アクセス権限などのセキュリティ設定をカスタマイズし、ハードウェアを敷地内に置くことで、物理的に管理することができる点です。   一方で、オンプレミスにはいくつかの課題もあります。まず、コスト面の課題が挙げられます。オンプレミスの設置に際して、ハードウェアやソフトウェア、それらを設置・維持するための人的リソースに多額のコストがかかります。また、技術の進歩に伴うシステムのアップグレードや更新が必要になるため、継続的な投資が求められます。さらには、地震や火災などの自然災害が発生した際に、重要なビジネスデータの損失やビジネス運営の中断、会社の信頼性と評判の低下などのリスクも考えられます。   クラウドとは クラウドとは、自社では物理的なハードウェアを所有せず、インターネットを介してサーバーやストレージ、データベース、ネットワーキング、ソフトウェア、アナリティクスといったITサービスを利用することを指します。   クラウドの最大の利点は、オンプレミスのように自社内でハードウェア、ソフトウェア、ネットワーキングを構築する必要がなく、初期費用が安く済み、自社で必要なITリソースのみをすぐに導入できる点にあります。   また、サーバーやインフラの保守管理においては、クラウドサービスプロバイダー(CSP)が代わりに対応してくれるため、コストや時間を割くことなく、最新の状態を保つことができます。さらに、必要に応じて、数秒または数クリックによって、サーバーを増減することができる高い拡張性を備えているというメリットも挙げられます。   セキュリティに関しても、セキュリティ更新やパッチの適用が自動化されていたり、 多くのクラウドプロバイダーで、高度なセキュリティ機能(侵入検知システム、暗号化、アイデンティティとアクセス管理、セキュリティ監査など)が提供されていたりするため、常に最新のセキュリティを維持することができます。そのうえ、クラウドコンピューティングのデータセンターは世界各地に分散されているため、自然災害などによって1つのデータセンターに不具合が生じたとしても、早期復旧が期待できます。   一方で、クラウドにもデメリットが存在します。上述したように、クラウドでは、ITリソースを使った分に応じて課金される従量制の料金体系となっています。そのため、サービス利用当初は、コストを低く抑えることができるかもしれませんが、会社の成長度合いによっては、定額制のサービスよりもコストが高くなってしまうケースがあります。また、クラウドサービスによって、データセンターなどの管理基準や管理体制が異なるため、事前に自社のセキュリティポリシーに合致しているか確認する必要があります。   3. AWSの代表的な5つのサービス Amazon EC2 Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は簡単に仮想サーバーを構築・利用できるサービスです。このサービスの特徴は、ビジネスのニーズに応じて、AWSの画面上で数クリックでインスタンス(メモリ、CPU、ストレージなど)を柔軟に追加したり削減したりできる点です。これにより、企業は、リソースを効率的に管理することができます。 Amazon RDS Amazon RDS(Relational Database Service)は、フルマネージドのリレーショナルデータベースサービスです。フルマネージドとは、サービスを提供するAWS社がデータベースサーバーの管理、パッチの適用、バックアップ、災害復旧バックアップなどの時間を要する作業をすべて代わって実行してくれるということです。つまり、ユーザーは、画面上で数クリックするだけで、簡単にデータベースを構築することができます。RDSでは、MySQL、PostgreSQL、MariaDB、Oracle、Microsoft SQL Server、Amazon Aurora(AWS独自の高性能データベースエンジン)などのリレーショナルデータベース管理システムをサポートしています。 Amazon S3 Amazon S3(Simple Storage Service)は、インターネット上で大量のデータを保存・管理したり、静的コンテンツを配信したりすることができるサービスです。このサービスを利用するメリットは、容量が無制限であること、99.999999999%(イレブンナイン)とデータ耐久性が非常に高くデータを消失する可能性がほとんど0であること、従量課金制で運用コストが安いことが挙げられます。 AWS Lambda […]