お客様の声
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
日本のビジネスに溶け込むリッケイのITエンジニアの優れた適応力を評価しています
Guest Speaker
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
デジタル本部 部長 オンラインデリバリー担当
川崎 大輔 様(写真左)
デジタル本部 デジタル企画
廣瀬 千恵 様(写真右)
首都圏に展開するマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東、3社のスーパーマーケットの共同持株会社であるユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社(以下U.S.M.H)。U.S.M.Hは、デジタルブランド「ignica」を立ち上げ、デジタルを基盤とした構造改革を推進し、次代の礎を築くべく様々なサービスの開発に注力しています。
そのignicaサービスの充実のために、U.S.M.Hは国内外の企業とのパートナーシップにより、新たなサービスをより速いスピードで提供することを目指し、日々取り組んでいます。具体的には、レジ待ちなしでお買い物ができるスマートフォンアプリ「Scan&Go」、オンラインで商品の注文や配送、店頭受取などできる「Online Delivery」、店内にあるフードコーナーの商品の注文(店内飲食・お届け)ができる「Order&Eat」などの消費者に優れた買い物体験を提供する各種ソリューションが登場しています。これらのソリューション開発の現場においては、リッケイなどのオフショア企業も大きな役割を果たしています。
リテール業界は、各国の文化の違いが大きく反映される「ローカライズを踏まえた開発」が求められる現場であり、オフショア開発にとっては高いハードルとも言えます。同社はどのようにこの課題を解決したのか、ベトナムでのオフショア開発やリッケイのサポートについて、U.S.M.Hにおいてignicaの開発を担当する川崎様、廣瀬様にお話を伺いました。
独自開発したリテール向けシステムを製品・サービス化
デジタル本部の業務内容とお二人の役割を教えてください。
川崎様:U.S.M.Hのデジタル本部では、デジタルブランド「ignica」のサービス拡充や機能の充実を図るとともに、開発した製品・サービスを社外向けに販売する外販事業も展開しています。その中で私は主に「Online Delivery」を発展させることをメインタスクとしています。
廣瀬様:私は「Order&Eat」の機能開発を担当しているのに加え、デザインチームのリードをしているので、ブランディングに関係するデザインやCIなどの管理と併せて、アプリのUIなどにも関わっています。
貴社でのオフショア開発体制はどのようになっているのでしょうか?
川崎様:ignicaの開発体制はアジャイル開発を基本としています。開発テーマごとにプロジェクトチームを立ち上げ、U.S.M.Hの各事業会社のメンバーはもちろん、様々なパートナー企業がそのプロジェクトに参加しています。デジタルの方針として、リスク分散の観点から複数の国の複数の開発会社をパートナーに迎えています。リッケイさんとは、業務用のスマホアプリ開発やWebページの製作などに取り組んでいます。難易度が高い案件については、リッケイさんのITエンジニアに依頼しようという会話になるほど、 信頼して一緒に仕事ができています。
日本のローカルな習慣、価値観、購買行動などを正しく理解しようとする姿勢がある
リッケイソフトのITエンジニアが難易度の高いところを優先的に担当させていただける、そのポイントはどこにあるのでしょうか。
川崎様:オフショア開発においては、いろいろな観点での「文化の違い」が非常に難しいところだと感じています。それは、スーパーマーケットにおける商品やサービスの違いから、ソフトウェア開発における品質要求、場合によっては開発手順そのものも含まれるかもしれません。そんな中で、リッケイソフトのITエンジニアには生真面目さ、仕事へのストイックさがありますので、そんな「文化の違い」にも非常に高い順応性を示してくれています。
初めて委託した際も、細かい修正などを「どこまでやり続けるのか」と心配になるほど取り組んでくれて、こちらから「明日でよいので、今日のところは解散しましょう」と声をかけたほどでした。とにかく一生懸命やってくれる印象は強いです。
リテール業界ですから、ITエンジニアが日本特有の買い物文化について理解を深める姿勢を持つことはとても大切ですね。
川崎様:そうですね。ベトナムのスーパーマーケットと日本のスーパーマーケットでは、サービスの内容ややり方も違うはずなので、「スーパーマーケットなら普通はこうだろう」と考える「普通」がまず違っているだろうと考えます。
廣瀬様:その状態で、要件として明文化されていないところまで独自の解釈で作業してしまい、期待していたものとは全く異なるものが納品されたという経験をしたこともあります。
川崎様:違うと気づければまだよいのですが、ブラックボックス化してしまって、知らないうちに「知らない機能」が実装されていたりすると本当に困ります。でも、リッケイさんのITエンジニアは、そこで突っ走ってしまう前に、きちんとこちらにレビューを求めてくれて、バランス感覚がちょうどよいですね。
廣瀬様:文化の違いの一例として、「選択した受取方法により商品へ軽減税率を反映した売価を反映させる機能」が必要となったときに、「イートインとテイクアウトなど、利用シーンによって消費税が変動する」ということを詳しく説明するのですが、なかなか理解してもらえなかった経験があります。たしかに、日本のスーパーマーケットでイートインを利用したことがなければ、日本の軽減税率の仕組みはよく分からないですよね。
その後、同様の案件をリッケイさんに依頼した時に、リッケイさんは「どういう時に使うのか」といったことなど少しでも疑問点があれば、「では○○の場合には××はどのようになるのか」と私たちが気付かなかった細かいところまで確認し理解していただき、依頼した通りのものを作ってもらえたのが印象的でした。
コミュニケーションや理解力に対して不安がないことは大きい
そういった「ズレ」には、言葉の問題も大きいのではないでしょうか。
川崎様:そうですね。リッケイさんは最初から最後まで日本語で仕事ができるので安心ですし、やりやすいです。
また、他社では「ブリッジのSEは日本語OK」と言われた場合であっても、SEというよりはどちらかといえばコミュニケーター的な立場で、実は技術的な知識が心許なかったりするケースもあります。リッケイさんは、ブリッジSEが要件をヒアリングし、その内容を整理して提案書にまとめてくれるので安心感が違います。
日本とベトナムという地理的に離れて仕事をすることで何か問題点や工夫はありますか?
川崎様:ここ数年、リモート会議が主流になってきたこともあり、地理的な距離の差は感じなくなってきました。ただし、現地での稼働確認を一緒にできない点は難しい課題です。テストでは上手くいくけど、現場で上手く動作しないことがシステム開発において発生します。このようなときに、現場の状況をどのように共有するかが非常に難しい課題です。現状では、テストモード画面などを作ってもらい、原因の切り分けを行っています。
一方で、リッケイさんは、新しいことをやるときに要求を正しく理解するためにベトナムからSEが日本へ現地視察に来てくれることがあり、大変なアクティブさがある会社だなと思いました。聞いた話ではありますが、当社の事務所で研修を受けてもらった際には、朝礼と夕礼にも参加して、鳴った電話まで取っていただいて、当時のメンバーが「どこまで馴染もうとするんですか!」と驚いたそうですよ(笑)。
逆に、「違っているからよい」とお感じのことなどはありますか?
廣瀬様:「違い」という観点からは離れるかもしれませんが、日本とベトナムの時差が「2時間」というのは、個人的にちょうどよいと感じています。私たちが朝、始業後に溜まっている連絡を返し終えるのがちょうど1時間くらい、ベトナムのリッケイソフトの始業は私たちより1時間早いので、一区切りついたところでリッケイさんのチームとコミュニケーションを開始できます。
しかもベトナムでは昼休みを長く取る習慣があり、終業時間が少し遅くなりますから、こちらが終業するタイミングや残業を始めるという時でも、リッケイソフトは終業まであと2時間あるんです。確認や依頼の連絡をしやすいですよね。
リッケイソフトと共に、新しいスタイルの買い物体験を広げていきたい
オフショア先の選定や評価にあたって、重視しているのはどのようなことですか?
川崎様:色々とあるとは思いますが、結局は、まず一度やってみなければわからないというところはあります。そのため、新しい会社にいきなり大きな仕事を任せるのではなく、まずパイロット的なプロジェクトで試してみる。その中で、上手くコミュニケーションできるかなど、様子を見ることが多いです。
打ち合わせがスムーズに成立するか。情報の共有を適切に行えるか。適切な課題管理やスケジュール管理ができているかなど。オフショアであっても、パートナーとしてサービス品質は一定の水準にあることが重要です。
エンジニアはQCDの意識を持っていますが、進捗が遅れることでお客様だけでなく、その先にエンドユーザーやステークホルダーがいるという、お客様のビジネス全体への影響まで考えて行動することが大切ですね。
川崎様:そうですね。エンドユーザーを意識せずに、システムを開発してしまうと良いシステムは作れないですよね。
当社におけるプロジェクトはアジャイル開発体制で進めており、システム開発においても単なる委託者・受託者の関係でなく、会社の枠を超えてプロジェクト成功のために一緒に検討してくれるパートナーを求めています。この要求は、オフショア開発先についても同様です。エンドユーザーにどのようなサービスを提供できるかを一緒に考えて頂くことは非常に優先順位が高い事項です。
このようなアジャイル開発体制を進めるため、当初は契約についてもよく協議させていただきましたね。
川崎様:はい。当社はいろいろなことにトライしながら開発を進めていくアジャイルな開発スタイルを採用しています。円滑にプロジェクトを進めていくために、一般的な請負契約では、プロジェクト検討以外の部分に大きな工数が発生すると考えました。
そこで、両社でどのような契約を結ぶかについて協議し、その結果、「この期間、どれくらいの人の工数を確保します」という契約の中で、自分たちがやりたいことをバックログ化して、その時点で、そのリストの中の何を優先するかを決めながら、常にスピード感をもって開発を進めることにしました。
今後、U.S.M.H様としては、どのようなことに取り組んでみたいですか。
川崎様:当社はスーパーマーケットのDXによって、新しいスタイルの買い物体験を浸透させていきたいと考えています。そうなってくると、日本のナレッジや文化の中だけでは限界があります。せっかく国境をまたいでオフショア開発をしているので、その国ならではのアイディア、例えばリッケイさんなら「ベトナムの文化をヒントにもっと面白いサービスができそうだ」といったような提案をいただけると、広がっていきますよね。
お客様プロフィール
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
- 所在地
- 東京都千代田区神田相生町1番地
- 設立
- 2015年(平成27年)3月2日
- 資本金
- 100億円
- 事業内容
- スーパーマーケット事業の管理
- URL
- https://www.usmh.co.jp/