ベトナム
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13/02/2025
3 minutes
オフショア開発の新潮流:チャイナリスクを避け、分散とリソース確保へ
近年、オフショア開発の目的は「コスト削減」から「リソース確保」へとシフトしています。特にチャイナリスクの高まりを受け、多くの企業が開発拠点の分散を進めています。 最新の「オフショア開発白書2024」によると、オフショア先としてベトナムが42%のシェアを獲得し、依然として最も人気のある国であることが明らかになりました。一方、中国は26%と2位を維持していますが、規制強化や単価上昇により新規発注の割合は減少傾向にあります。 本記事では、「オフショア開発白書2024」のデータを基に、チャイナリスクの現状、オフショア先分散の重要性、オフショア開発の最新トレンドについて解説します。 チャイナリスクの現状 「オフショア開発白書2024」によると、中国をオフショア先として活用する企業の割合は26%と依然として高いものの、近年さまざまなリスクが浮上しています。ここでは、企業が直面する具体的なチャイナリスクを整理します。 カントリーリスクの高まり 中国政府による規制強化や日中関係の悪化は、オフショア開発に大きな影響を与えています。特に以下の点がリスクとして指摘されています。 データセキュリティ規制の強化 近年、中国ではデータ管理に関する法律が厳格化され、国外とのデータのやり取りが制限されるケースが増えています。 ジオポリティクスの影響 米中対立の影響により、中国に拠点を置く企業が輸出規制や制裁の対象となるリスクが高まっています。 規制によるビジネス環境の不透明さ 突然の法律改正や政策変更が事業運営に影響を及ぼすことが懸念されています。 エンジニア単価の上昇 中国のプログラマーの平均人月単価は44.4万円と、ベトナムの39.4万円と比較して約12%高い水準となっています。さらに、シニアエンジニアやプロジェクトマネージャーの単価も高騰しており、特に高度技術分野(AI、ブロックチェーンなど)では、日本国内とほぼ同等、またはそれ以上のコストが発生するケースもあります。 中国には多くの優秀なエンジニアが存在し、先端技術(AI、クラウド、ブロックチェーン)の分野では依然として強みを持っています。しかし、これまで中国に開発を集中させていた企業は、カントリーリスクやコスト増により、開発の分散を進める必要性を感じています。「オフショア開発白書2024」によると、オフショア先の分散を検討している企業の割合は前年より増加しており、ベトナムやインド、フィリピンへのシフトが進んでいます。 最新のオフショア開発委託先ランキング 前章でも述べたように、中国のデータセキュリティ規制の強化や米中対立の影響、中国のエンジニア単価の上昇等の理由により、中国から他の国へ開発拠点を移行する企業が増加しています。 「オフショア開発白書2024」のランキングによると、2024年のオフショア開発委託先は以下のようになっています。 引用元:オフショア開発白書 2024年版 なぜベトナムがオフショア委託先として最適なのか ① コストパフォーマンスが高い ベトナムのプログラマーの平均人月単価は39.4万円と、中国より約12%安価です。シニアエンジニアやプロジェクトマネージャーの単価も、他のオフショア国と比べて競争力があります。 ② IT人材が豊富 ベトナムは国家としてIT人材の育成に力を入れており、エンジニアの供給が安定しています。日本語対応エンジニアの育成も進んでおり、日本市場向けの開発に強みを持っています。 ③ 日本との親和性が高い ベトナムは親日国であり、日本市場をターゲットにするIT企業が多いです。ブリッジSEの充実により、日本企業とのコミュニケーションもスムーズです。 ④ 開発分野の多様化 近年、ベトナムのオフショア開発は、従来のWebシステム開発やスマホアプリ開発に加え、AI・ブロックチェーン・クラウドなどの先端技術開発にも対応する企業が増えています。 ベトナム以外のオフショア開発候補として、インド、フィリピン、東欧諸国も注目されています。それおぞれの特徴は以下の通りです。 インド: AI・ブロックチェーンなどの先端技術に強い。エンジニアのスキルレベルが高いが、プロジェクト管理が難しいことも。 フィリピン: 英語対応が可能で、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)やグローバル案件に適している。 東欧諸国: 高品質な開発が可能。欧米市場向けの案件が多いが、日本市場向けの経験が少ない。 オフショア開発の委託先を分散する重要性 近年、オフショア開発の戦略として「開発拠点の分散」が注目されています。ここでは、分散化が求められる理由と、具体的な分散戦略のポイントについて解説します。 1カ国依存のリスク オフショア開発の拠点を1カ国に集中させることは、ビジネスの継続性に大きなリスクをもたらします。 ①カントリーリスク 中国の規制強化、ミャンマーの政情不安、突然の法改正や貿易規制により、開発継続が困難になる可能性があります。 ②為替リスク 円安や現地通貨の変動によって、開発コストが大きく変動するリスクがあります。例えば、円安の影響で、中国の開発単価が前年比約10%上昇しました。 ③人材確保のリスク 特定の国でエンジニアの需給バランスが崩れると、採用競争が激化し、コスト増加につながります。 分散戦略のメリット ①事業継続性(BCP)の確保 特定の国で問題が発生しても、別の拠点で開発を継続できます。 例:ミャンマーの政情不安を受け、開発をベトナム・フィリピンへ分散する企業が増加。 ②コスト最適化 国ごとの単価差を活用し、コストパフォーマンスを最適化できます。 例:ベトナムでの基本開発 + インドでの高度技術開発 + フィリピンでのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)などの組み合わせ。 ③技術・スキルの最適配置 国ごとの得意分野を活かし、開発効率を向上できます。 例:AI・ブロックチェーン開発はインド、モバイルアプリ開発はベトナム、サポート業務はフィリピンなど。 オフショア開発の分散化は、カントリーリスクやコスト上昇リスクを軽減し、安定した開発体制を構築するために不可欠な戦略です。多くの企業が中国依存を避け、ベトナムを中心に複数の国へ開発拠点を分散させる動きを加速させています。 特にベトナムは、コスト・技術・リソースのバランスが取れており、分散戦略の中心に適した国です。 オフショア開発の最新トレンド:コスト削減からリソース確保へ オフショア開発は従来「コスト削減」を最大の目的として活用されてきました。しかし、2023年から「開発リソースの確保」が主要な目的へと変化しています。 ここでは、その変化の背景と、今後のオフショア開発の方向性について解説します。 […]
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12/02/2025
3 minutes
ポストチャイナとベトナムの可能性 – (1)チャイナリスクと米中貿易摩擦の行方
近年、日本企業の中国から他国への拠点移転が加速しています。中国の人件費高騰や地政学リスクの増大を背景に、製造業を中心とする企業は、より安定した生産体制の確保を迫られています。さらに、2025年に発足したトランプ政権の関税政策がこの流れを一層強めています。 こうした状況の中で、チャイナリスクを回避しつつ、新たな成長市場を求める企業が注目しているのがベトナムです。本記事では、サプライチェーンの変化を踏まえ、日本企業の新たな選択肢としてのベトナムの可能性を探ります。 記事は2部構成の後編です。前編では、日本企業が直面しているチャイナリスクと米中貿易摩擦の影響について解説しました。後編では、日本企業が中国から他国へ拠点を移転する動向と、その中でも特に注目されているベトナムの優位性について詳しく見ていきます。 チャイナリスクとは何か? かつて「世界の工場」として多くのグローバル企業を惹きつけた中国ですが、近年は「チャイナリスク」という言葉が経済界で頻繁に取り上げられるようになりました。この言葉は、中国の政治・経済・社会的リスクが企業の経営やサプライチェーンに与える影響を指します。 近年、中国が抱えるリスクとして特に顕著なのは、地政学的リスク、経済政策の変動、人件費の高騰、貿易摩擦の影響、そしてコロナ政策に伴う供給網の混乱です。 まず、地政学リスクとして、米中対立の激化や台湾問題、南シナ海での緊張の高まりが挙げられます。これらの要因により、対中投資や貿易に対する不確実性が増大し、日本企業にとっても長期的な事業展開のリスク要因となっています。 次に、経済政策の変動も無視できません。中国政府は、外資企業に対する規制を強化する一方、国内産業を保護するための補助金や税制変更を行い、ビジネス環境に大きな影響を与えています。特に、データ管理や技術移転に関する規制の強化は、外資企業の競争環境を不安定にさせています。 さらに、人件費の高騰も企業にとって深刻な課題です。中国の労働コストは年々上昇を続けており、2025年には主要都市における製造業の平均月給が1,000ドルを超えると予測されています。この労働コストの急騰により、製造業の利益圧迫が避けられない状況になっています。 また、関税・貿易摩擦の影響も企業の戦略に大きな影響を与えています。2018年以降、米中貿易戦争が激化し、米国は中国製品に対して大幅な関税引き上げを実施しました。これにより、中国を経由した米国向け輸出のコストが大幅に上昇し、日本企業もサプライチェーンの再編を迫られることとなりました。 最後に、ゼロコロナ政策の影響も企業活動に深刻な影を落としました。中国政府は2022年まで厳格なロックダウンを継続し、その結果、物流網の混乱や生産遅延が頻発しました。これにより、現地工場の操業が停止するケースも相次ぎ、日本企業は供給網の安定性に対する不安を抱えるようになりました。 これらの要因により、中国を主要な生産拠点としていた企業は、サプライチェーンのリスク分散を余儀なくされています。 米中貿易摩擦の背景と2025年のトランプ政権の関税政策 日本企業が「チャイナリスク」に直面するようになった背景には、以前から続く米中貿易摩擦の拡大があります。この貿易摩擦は、米中間の経済対立が激化したことに起因しており、日本企業もその影響を免れることはできませんでした。 特に、2018年に発生した米中貿易戦争は、日本企業の事業戦略に大きな転換をもたらしました。トトランプ政権は中国の知的財産権侵害や不公正な貿易慣行を理由に、中国からの輸入品に対して段階的に追加関税を課しました。それに対抗する形で中国も米国からの輸入品に対して同等の報復関税を実施しました。結果として、日系企業が中国経由で米国に輸出する際のコストが大幅に上昇し、多くの企業が調達・生産拠点の見直しを迫られることとなりました。 2025年に再任されたトランプ政権は、対中輸入品に対する関税政策をさらに強化しました。具体的には、2025年2月1日に発令された大統領令により、中国からの全製品に対して10%の追加関税が課されました。これにより、既存の関税率に加えて新たに10%の関税が上乗せされることとなり、中国からの輸入品全般が対象となっています。 また、同時期にカナダとメキシコからの全製品にも25%の追加関税が適用されました。これらの措置は、米国の貿易赤字の是正や国内産業の保護を目的としています。さらに、トランプ政権は「相互関税(レシプロカル・タリフ)」の導入も検討しており、これは貿易相手国が米国製品に課す関税率と同等の関税を米国がその国からの輸入品に課すというものです。この政策により、中国、インド、トルコ、ブラジルなどが対象となる可能性があります。 これらの関税強化策により、日本企業はサプライチェーンの見直しや生産拠点の多角化を検討する必要性が一層高まっています。特に、中国を経由した米国向け輸出のコスト増加が予想されるため、生産拠点の分散や新たな市場の開拓が求められています。 ※本記事はここまでです。続きは後半の記事 「2025年、ポストチャイナとベトナムの可能性(2) ー 日本企業がベトナムへ拠点を移転させる理由」でご覧いただけます。ぜひ続きもお読みください。 無料eBookのダウンロード チェックリストでわかる 失敗しないオフショア開発会社の選び方 オフショア開発会社選びの準備から開発開始まで、多様な角度からチェックポイントを網羅。チェックリストを活用して効率的な選定や基準作りに役立ちます。 今すぐダウンロード(無料) 無料eBookのダウンロード 保存版 オフショア開発入門ガイド オフショア開発を始める前の気になる疑問を解決!オフショア開発を検討中の方に向けて、オフショア開発の基本的な知識から注意点までを解説します。 今すぐダウンロード(無料)
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12/02/2025
3 minutes
ポストチャイナとベトナムの可能性 – (2)日本企業が新たな拠点を求める理由
本記事は2部構成の後編です。前編では、日本企業が直面しているチャイナリスクと米中貿易摩擦の影響について解説しました。後編では、日本企業が中国から他国へ拠点を移転する動向と、その中でも特に注目されているベトナムの優位性について詳しく見ていきます。 ▼前編の記事はこちら2025年、ポストチャイナとベトナムの可能性 ー (1)チャイナリスクと米中貿易摩擦の行方 日本企業の中国から他国への移転状況 近年、日本企業は中国から他国への生産拠点の移転を加速させています。この動きの背景には、チャイナリスクの高まりやコスト競争力の低下があり、企業は新たな展開先を模索しています。 事業展開が有望な国・地域ランキング 国際協力銀行(JBIC)が実施した「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」によると、今後3年程度の有望な事業展開先として、インドが3年連続で首位を維持し、ベトナムが2位となっています。一方で、中国は6位に順位を落とし、有望国としての中国離れが鮮明になっています。このランキングは、日本企業が中国から他国への移転を検討する際の指標となっており、特にインドとベトナムが注目されています。 日本企業の海外直接投資(FDI)動向:中国 vs ベトナム 本企業の海外直接投資の動向を見ると、ベトナムへの投資が増加傾向にあります。大和総研のレポート「ベトナムへの進出/ビジネス拡大の好機(2024/11 /20 )」(PDF)によると、2023年の日本の対ベトナム投資額は、対中国投資額の1.1倍に達しており、ベトナムへの投資選好の高まりが示されています。この傾向は、ベトナムが製造業の新たな拠点として注目されていることを反映しています。 日本企業の拠点移転動向(製造業・IT業) 製造業においては、人件費の上昇や地政学的リスクを背景に、中国からベトナムやインド、メキシコなどへの生産拠点の移転が進んでいます。一方で、IT業界では、ベトナムがオフショア開発の拠点として注目を集めています。ベトナムの若年層の豊富な労働力と技術力の向上が、IT業界の進出を後押ししています。 これらの動きは、企業がリスク分散とコスト競争力の確保を目指していることを示しています。中国からの移転先としては、ベトナム、インド、メキシコが有力な選択肢となっており、中でもベトナムは製造拠点と市場の両面での魅力が評価されています。 ベトナムの優位性と今後の展望 ベトナムの経済成長率と労働人口 ベトナムは近年、安定した経済成長を遂げています。ベトナム統計総局によると、2024年の実質GDP成長率(推計値)は前年比7.09%であり、1人当たりGDPは4,700ドル(前年より377ドル増)と推定されています。 労働人口に関しては、2023年にベトナムの人口は約1億300万人に達し、そのうち6,700万人以上が生産年齢人口(15~64歳)に該当します。平均年齢は31歳と若く、豊富な労働力が経済成長を支えています。 このような経済成長と若年層の豊富な労働力は、ベトナムが製造業やIT業界の新たな拠点として注目される要因となっています。 チャイナ・プラスワンの他の候補国に比べてベトナムが有利な点 チャイナ・プラスワン戦略において、ベトナムは他の候補国と比較していくつかの優位性を持っています。 まず、ベトナムの賃金水準は他の新興国と比較して依然として低く、豊富な労働力を有しています。これにより、低コストでの生産が可能となり、多くの企業が進出を検討する要因となっています。 次に、ベトナムは政治的に安定しており、外交リスクが小さいため、企業の進出先としての安心感があります。加えて、地理的にも中国と国境を接しており、中国のサプライチェーンとの連携が容易であることも大きなメリットとなっています。 また、ベトナムは積極的に貿易協定を締結しており、多くの貿易相手国と関税面での優遇措置を享受する環境にあります。これにより、輸出入のコストが抑えられ、企業にとっての競争力を高める要因となっています。 これらの要因により、ベトナムはチャイナ・プラスワンの候補地として他国よりも有利な位置にあると考えられます。 低賃金と豊富な労働力:ベトナムは他の新興国と比較して賃金が安く、豊富な労働力を有しています。 政治・外交リスクの低さ:ベトナムは政治的に安定しており、外交リスクも小さいため、企業の進出先として安心感があります。 地理的優位性:ベトナムは中国と国境を接しており、中国のサプライチェーンとの連携が容易です。 積極的な貿易協定の締結:ベトナムは多くの貿易協定を締結しており、輸出入における関税面での優遇を受けやすい環境にあります。 ポストチャイナ時代に向けた日本企業の新たな選択肢 日中関係の変化や米中貿易摩擦の影響を受け、日本企業の「ポストチャイナ」戦略は今後も続くと予想されます。その中で、ベトナムは製造業の生産拠点としてだけでなく、IT開発の拠点としても成長を続けています。 製造業の拠点移転に留まらず、ITオフショア開発を活用しながらDXを推進することで、日本企業の競争力強化が求められます。ベトナムは「生産」「市場」「IT開発」の3つの側面で、日本企業の成長を支える重要な拠点となる可能性が高いと考えられます。 日本企業のサプライチェーンは、大きな転換期を迎えています。地政学リスクやコストの上昇、貿易摩擦の影響により、中国への依存を見直す動きは不可避となりました。 その中で、ベトナムは製造業の新たな拠点としての競争力を高めるだけでなく、IT開発・デジタル市場の成長により、日本企業にとって多面的な魅力を持つ国へと変貌しつつあります。チャイナ・プラスワンの有力候補として、今後もその存在感を増していくことは間違いありません。製造・市場・IT開発の3つの軸で、新たな事業展開を模索する日本企業にとって、ベトナムは今、最も注目すべき国の一つといえるでしょう。 ▼前編の記事はこちら2025年、ポストチャイナとベトナムの可能性──チャイナリスクと米中貿易摩擦の行方 無料eBookのダウンロード チェックリストでわかる 失敗しないオフショア開発会社の選び方 オフショア開発会社選びの準備から開発開始まで、多様な角度からチェックポイントを網羅。チェックリストを活用して効率的な選定や基準作りに役立ちます。 今すぐダウンロード(無料) 無料eBookのダウンロード 保存版 オフショア開発入門ガイド オフショア開発を始める前の気になる疑問を解決!オフショア開発を検討中の方に向けて、オフショア開発の基本的な知識から注意点までを解説します。 今すぐダウンロード(無料)
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16/08/2024
3 minutes
ベトナムのアプリ市場が急拡大!アプリ開発ならベトナムオフショア!
ベトナムのアプリ開発市場は、近年急速に成長しており、グローバルなITアウトソーシングのハブとして注目を集めています。本記事では、ベトナムのアプリ市場の最新動向やアプリをベトナムオフショアで開発するメリット・デメリットをご紹介します! ベトナムのアプリ市場の最新動向 ベトナムのアプリケーション市場は急成長を遂げています。2023年には、ベトナムの開発者によるアプリが56億件以上ダウンロードされると予測されています。 これは、ベトナムが世界で最も急速に成長している市場の一つであることを示しています。2024年7月11日にハノイで開催された「ThinkApps 2024」イベントで、Googleのベトナム市場担当エグゼクティブディレクターであるMarc Woo氏は、ベトナムのアプリとゲーム開発業界が2年連続で世界トップ5に入っていることを強調しました。 特に、ベトナム製のゲームとアプリのダウンロード数は11億増加し、毎分10,700回のダウンロードが行われています。 一方で、ダウンロード数に対してアプリを通じた収益が伸び悩んでいるという課題があります。ベトナムはアプリ内購入による収益で世界第28位に位置していますが、収益は2億ドルにとどまっています。比較として、キプロスでは300のアプリ会社が1.4億ドルの収益を上げているのに対し、ベトナムでは1,500の企業で2億ドルしか収益をあげることができていません。 このため、特にゲームのアプリ開発者は高価値の体験設計に注力し、持続可能な収益源を生み出すことが求められています。 さらに、Googleによれば、ベトナムの開発業界はAI統合においても多くの課題に直面しています。AI専門家や質の高いトレーニングプログラムの不足、AI関連製品の試験や開発のためのインフラの欠如などが挙げられます。 Googleは、最新のAI技術とサポートプログラムを通じて、ベトナムの開発者が高品質のアプリケーションを構築し、グローバルにアクセスし、持続可能なビジネス成長を達成することを目指しています。 ベトナムオフショアでアプリ開発するメリット 開発コストが削減できる 日本国内での開発に比べて、人件費の低いベトナムのITリソースを活用することで、開発コストを大幅に削減することができます。ベトナムオフショアを活用することで、日本と同じスキルセットを有するベトナムのエンジニアを約1/2のコストで調達することが可能です。また、ベトナムのインフラやオフィススペースのコストも比較的安価であるため、総合的な運用費用を削減することができます。これにより、企業は限られた予算内で高品質なアプリを開発することができ、他の重要なビジネス活動に資金を再配分することが可能になります。 多様なスキルを持つIT人材が豊富 ベトナムは、若くて優秀なIT人材が豊富な国として知られています。毎年12万人の大学卒業生がIT関連の学位を取得し、特にプログラミングやソフトウェア開発、データサイエンスなどの分野で高いスキルを持つ人材が市場に供給されています。これにより、企業はプロジェクトのニーズに応じて多様なスキルセットを持つ人材を確保することができます。ベトナムのIT人材は、最新の技術トレンドにも敏感で、AI、ブロックチェーン、IoTなどの新しい技術にも対応可能です。このようなスキルの多様性は、複雑なアプリケーションの開発や革新的なソリューションの実現を可能にし、企業の競争力を高める要因となります。 IT産業を国家の重要産業と位置付けている ベトナム政府は、IT産業を国家の重要な成長分野と位置付け、IT大国を目指して積極的に政策を推進しています。政府は教育機関と連携してIT教育を強化し、2025年までに110万人のIT技術者を育成する目標を掲げています。 また、外国企業の投資を促進するための優遇措置やインフラ整備も進めており、IT産業の発展を支える環境が整っています。これにより、ベトナムは国際的なIT企業やスタートアップの拠点として注目を集めています。ベトナムオフショアを利用する日本企業にとっては、こうした国家的な取り組みが信頼性の高い開発環境を提供し、長期的なパートナーシップを築く上での安心材料となります。 日本と文化が近い ベトナムは親日国として知られており、日本と文化的に多くの共通点を持っています。勤勉さや礼儀正しさ、チームワークを重視する姿勢など、ビジネスにおいて重要な価値観が共有されているため、円滑な協力関係を築きやすいです。また、ベトナムでは日本語教育が盛んで、日本語を話せるIT人材も多く存在します。これにより、コミュニケーションの障壁が少なく、プロジェクトの進行がスムーズになります。さらに、時差が2時間と少ないため、リアルタイムでのやり取りが可能で、プロジェクト管理や緊急対応が迅速に行えます。これらの要素は、ベトナムをオフショア開発のパートナーとして選ぶ際の大きな利点となります。 ベトナム発の世界的なアプリも生まれている ベトナムは、革新的なアプリやゲームが世界的に成功を収める例が増えており、特に注目されています。その一例が、ブロックチェーンゲーム「Axie Infinity」です。このゲームは、ベトナムのスタートアップSky Mavisが開発し、デジタルペットを育成・対戦させるというユニークなコンセプトで、世界中のユーザーを魅了しています。Axie Infinityは、プレイヤーがゲーム内で得たアイテムを暗号資産として取引できる仕組みを持ち、ブロックチェーン技術を活用した新しいビジネスモデルを確立しています。この成功は、ベトナムの開発者が持つ技術力と創造力を示しており、ベトナムがグローバルなIT市場での存在感を高める要因となっています。日本企業にとって、ベトナムのようなイノベーションが生まれる環境で開発を行うことは、新しいアイデアや技術を取り入れたプロジェクトを実現する大きなメリットとなります。 ベトナムオフショアでアプリ開発するデメリット コミュニケーションの課題 言語や文化の違いにより、コミュニケーションがスムーズに進まないことがあります。特に、プロジェクトの細かなニュアンスや仕様変更を正確に伝えるのが難しい場合があり、期待通りの成果が得られないリスクがあります。適切なコミュニケーションを確保するためには、ブリッジSEの活用や日本語能力レベルの確認、定期的なミーティングが必要です。 品質管理の難しさ オフショア開発では、物理的な距離があるため、開発プロセスの進捗や品質を直接確認するのが難しいことがあります。これにより、納期遅延や品質のばらつきが生じるケースが考えられます、品質管理を徹底するためには、明確な基準設定や定期的なレビューが重要です。 データセキュリティの懸念 日本国内、オフショアに関わらず、パートナーにデータを提供する際には、データのプライバシーやセキュリティに関する懸念が生じます。適切なセキュリティ対策が講じられていない場合、データ漏洩や不正アクセスのリスクが高まります。セキュリティを確保するためには、契約時に厳格なセキュリティポリシーを設定し、定期的な監査を行うことが求められます。 アプリ開発はベトナムオフショアがおすすめ! ベトナムは、急成長するアプリ市場と豊富なIT人材で、ITアウトソーシング先として世界から注目されています。ベトナムオフショアを活用したアプリ開発は、コスト効率や多様なスキルを持つ人材の活用が可能で、文化的な共通点や時差の少なさも日本企業にとってメリットのある選択肢と言えます。一方で、オフショアのメリットを存分に享受するためにもコミュニケーション、品質管理、データセキュリティという課題への対策をしっかり行う必要があります。 本記事の読者の中で、ベトナムオフショアを活用したアプリ開発を検討している企業様がいらっしゃいましたら、リッケイにお任せください! リッケイは、Android、iOS、クロスプラットフォームにおけるアプリ開発、高いセキュリティが求められる金融・証券系アプリ、ヘルスケアアプリなどの開発実績が豊富にございます。グループ全体で1,800名以上のエンジニアが在籍しており、お客様の要件に最適な人材を即座に提供可能です。詳細に関しましてはこちらお気軽にお問い合わせください。
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15/08/2024
3 minutes
ベトナムのデジタル経済の未来 – 日本にとっての高度IT人材供給源 –
ベトナムのデジタル経済を牽引するAI革命 Googleは、ベトナムのデジタル経済が2030年までに11倍に成長し、2,200億ドルに達すると予測しています。これは、ベトナムの現在のGDPのほぼ半分に相当します。 国家イノベーションセンター(NIC)とGoogleが7月11日に開始した「ベトナムのAI未来の創造」プログラムで、Googleアジアパシフィックのベトナム担当CEOマーク・ウー氏は、東南アジアのデジタル経済が劇的に成長し、AIの力で2030年までに8,350億ドルに達すると述べています。 Googleは、AIがベトナムの経済成長において重要な要素であると考えていますが、AI分野の人材不足や専門家の不足が課題となっています。これにより、市場の需要と人材の供給の間にギャップが生じています。 特に、AIスタートアップ企業は、必要なインフラやツールへのアクセスが不足しており、製品開発や市場拡大に苦労しています。計画投資省のチャン・ズイ・ドン副大臣は、ベトナムが第4次産業革命の課題を克服するために、政府や首相に積極的に助言してきたと述べています。 これに基づき、計画投資省は、以下のことを行うために省庁と調整しました。 (i) 2030 年までの第 4 次産業革命に関する国家戦略を調査し、公布のために首相に提出する。 (ii) エコシステム形成を促進するためのナショナル・イノベーション・センターの設立提案。 (iii) 世界中の何千人ものベトナムの専門家や知識人とベトナムイノベーションネットワークを形成し、発展させる。 (iv) 2030 年までに 50,000人の半導体技術者を育成することを目標とする「半導体産業人材育成プロジェクト」を策定し、内閣総理大臣に提出する。 さらに、計画投資省とGoogleは、「ベトナムのAI未来の創造」プログラムを通じて、人材育成とビジネス創造の2つの柱に焦点を当てています。このプログラムでは、全国の80以上の大学の職員、講師、学生を含むベトナムの若い世代を対象に、最新のAIスキルを学ぶためのコースを提供し、4万人に奨学金を授与する予定です。 ベトナムは引き続き日本にとってのIT人材供給源 上述したように、ベトナムは2030年までAIによってデジタル経済が大きく成長することが見込まれており、多くのAI人材の育成・輩出が期待されています。つまり、ベトナムは日本企業日本企業にとって引き続きIT人材の供給源となることでしょう。 日本におけるベトナムオフショア企業の最新動向として、2024年7月7日にベトナムIT企業によって日越DX協会(VASX JAPAN)が発足しました。当社株式会社リッケイの代表取締役であるBui Quang Huy(ブイ・クワン・フイ)氏は、同協会の共同会長に就任しました。 日越DX協会は、日越間の技術交流を促進し、両国のデジタルトランスフォーメーションの発展を促進することを目的として設立されました。また、先進技術ソリューションの協力と共有を推進し、情報技術および通信分野で活動する企業を結び付けるプラットフォームとして機能します。 日越DX協会は、今後デジタルテクノロジー分野における両国間の協力と発展を促進する戦略的な架け橋となるとともに、デジタルトランスフォーメーションプロセスの加速と効率向上を図り、持続可能な経済社会の発展に貢献することを目指します。 加えて、高度ITエンジニアを育成し、日本に数万人の高品質なITエンジニア、ベトナムに数十万人の日本語が堪能なエンジニアのチームを構築することを掲げ、2030 年までに 789,000 人と推定される日本の人材不足を補うことに貢献することをことを目指しています。 【関連記事】リッケイ、在日ベトナム企業と日越DX協会を設立し、共同会長に就任 まとめ ベトナムは、AIを活用したデジタル経済の成長が期待される中、深刻なITリソース不足に陥っている日本企業にとって今後も重要IT人材供給源となることが考えられます。また、日越DX協会の設立により、日越間の技術交流が促進され、デジタルトランスフォーメーションの発展が期待されています。 数多くあるベトナムオフショア企業の中で、当社リッケイは小売、物流、金融、製造など幅広い業種のお客様への豊富な支援実績がございます。クラウド、AI、IoT、ブロックチェーンなどの最先端技術に精通した1,800名以上のIT人材が在籍しており、お客様のニーズに合った人材を即座にアサインすることが可能です。「ITリソースが不足している」などのお悩みをお持ちの企業様はお気軽にお問い合わせください。
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04/07/2024
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AI開発人材の確保ならベトナムオフショアがおすすめ
AI技術の進展とデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、企業は優秀なAI開発人材の確保が急務となっています。しかし、日本では少子高齢化による労働力不足や教育・研修体制の遅れ、人材獲得競争の激化などの課題から、国内でAI開発人材の確保が難しい状況です。そこでAI開発人材の外部調達が注目されています。本記事では、AI開発人材が求められる背景や社内育成と外部調達の比較、外部調達先としてのベトナムオフショアの魅力などについてご紹介します。 AI開発人材が求められる背景 AI技術の急速な進歩 AI技術は近年急速に進歩しており、特に機械学習やディープラーニングなどの分野で大きな成果が上がっています。これにより、AI技術を活用した新しいサービスや製品の開発が進んでいます。例えば、画像認識、自然言語処理、生成AIなどが多くの分野で実用化されています。企業が競争力を維持するためには、AI開発人材の確保が急務と言えます。 デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める中で、AI技術の導入が不可欠と考えています。AIを活用することで業務の効率化や新たなビジネスモデルの構築、顧客体験の創出が可能となります。 労働力不足 日本では少子高齢化に伴う労働力不足が深刻な問題となっています。AI技術を活用することで、労働力不足を補い、生産性を向上させることが期待されています。特に、単純作業の自動化やデータ分析の効率化などが挙げられます。 日本でAI開発人材の確保が難しい理由 教育・研修体制の遅れ AI技術は急速に進化しており、最新の知識やスキルを継続的に学び続けることが求められます。しかし、日本の教育機関や企業の体制はこのスピードに追いついていないのが現状です。AI技術を習得するためには、統計学や数学、プログラミングスキルなど高度な専門知識が必要であり、これを学ぶためには多大な時間と労力がかかります。 人材獲得競争の激化 AI技術は多くの産業で需要が高まっており、特に大企業や先進的なスタートアップが優秀な人材を争奪しています。このため、中小企業や新興企業が優秀なAI開発者を確保するのが難しくなっています。 海外への人材流出 優秀なAI開発者は、より高い報酬や研究環境を求めて海外に流出する傾向があります。特にアメリカや中国など、AI研究が盛んな国々が魅力的なオファーを提供しているため、日本国内に優秀な人材を留めるのが難しくなっています。 AI開発人材は社内育成すべき?それとも外部調達すべき? 社内育成のメリット 企業文化と業務理解の向上 社内で育成された人材は、企業の文化や業務プロセスに精通しているため、外部から採用する人材よりもスムーズにプロジェクトに適応できます。これにより、AI開発プロジェクトが企業の具体的なニーズや目標に沿った形で進行しやすくなります。 迅速な対応と柔軟性 社内のAIチームは、急な変更や新しい要件に対して迅速に対応できます。外部のパートナーに依存することなく、即座に対応策を講じることが可能です。社内チームは直接的なコミュニケーションが可能であり、フィードバックループが迅速に回るため、プロジェクトの進行がスムーズです。 知識とスキルの蓄積 社内で育成された人材は、プロジェクトを通じて得た知識やスキルを組織内に蓄積することができます。これにより、継続的なプロジェクトや新たな取り組みにおいてもその知識を活用することができます。 社内育成のデメリット 高コスト 社内育成には、設備投資、教育プログラムの設計・実施費用、継続的なスキルアップのための追加コストがかかります。これらのコストは一時的なものではなく、継続的な投資が必要です。これらの費用は特に中小企業にとっては大きな負担となる可能性があります。 最新の技術や知識をカバーできない 社内の教育プログラムだけでは、最新の技術動向や高度な専門知識を完全にカバーすることが難しい場合があります。特にAI分野は急速に進化しているため、外部の専門家や最新の研究成果にアクセスすることが求められることがあります。社内育成だけでは、これらの知識をタイムリーに取り入れることが難しくなる可能性があります。 引き抜きリスク 社内で育成した人材が他社に転職してしまうリスクがあります。せっかく時間とリソースをかけて育成した人材が流出すると、投資が無駄になり、再度新たな人材を育成する必要が生じます。特にAI開発人材は市場での需要が高いため、他社からの引き抜きリスクが常に存在します。 外部調達のメリット コスト効率 外部調達は、社内でAIチームを構築する場合に比べてコスト効率が高いです。特に、インフラやソフトウェアツールの初期投資が不要であり、外部パートナーが既に必要な技術とプラットフォームを持っているため、運用コストを削減できます。 専門知識と技術へのアクセス 外部調達により、AI開発の専門知識を持つグローバルな人材プールにアクセスできます。これにより、最新の技術やトレンドを活用することができ、内部チームでは得られない高度なスキルを持つ専門家と協力できます。 即戦力の確保 外部からAI開発人材を調達することで、即戦力となる専門家を迅速に確保できます。これにより、プロジェクトの立ち上げや進行がスムーズに行え、時間を節約できます。特に、急ぎのプロジェクトや高度な専門知識が必要な場合には大きな利点となります。 柔軟なリソース管理 外部調達により、プロジェクトのニーズに応じて人材を柔軟に増減することができます。これにより、リソースの無駄を減らし、コスト効率を高めることができます。特に、短期的なプロジェクトや特定のスキルセットが必要な場合には、外部調達が効果的です。 外部調達のデメリット データセキュリティの懸念 外部パートナーにデータを提供する際には、データのプライバシーやセキュリティに関する懸念が生じます。適切なセキュリティ対策が講じられていない場合、データ漏洩のリスクが高まります。 コミュニケーションの課題 言語や文化の違いにより、細かなニュアンスが伝わりにくいことがあります。コミュニケーションの質がプロジェクトの成功に直結するといっても過言ではないため、特にオフショア開発を利用する際は、事前にブリッジSEなどの日本語能力に問題がないか確認する必要があるでしょう。 コントロールの喪失 外部パートナーに依存することで、プロジェクトの進行や品質に対するコントロールが難しくなることがあります。特に、外部パートナーが企業のビジネスプロセスや文化を十分に理解していない場合、期待通りの成果が得られないことがあります。 AI開発人材の外部調達ならベトナムオフショア! 近年、ベトナムはオフショア開発先として最も注目されています。ベトナムオフショアはコストメリットだけでなく、ベトナムTopの理系大学であるハノイ工科大学がベトナム初の生成AIに特化したプログラムを開講するなど、優秀なAI開発人材の調達先として関心を集めています。ここでは、一般的なベトナムオフショアのメリットを紹介します。 コスト削減 ベトナムのAIエンジニアの人月単価は日本と比べて大幅に低く、ベトナムオフショアを利用することで、国内企業に依頼するよりも大幅にコストを削減することができます。国内企業に依頼すると、1人月150万円以上かかる場合がありますが、ベトナムのAIエンジニアだと半額程度に削減することができる場合もあります。 豊富な若手人材 ベトナムは若くて優秀なIT人材が豊富であり、政府もICT分野の人材育成に力を入れています。毎年57,000人ものIT技術者が育成されており、AIやデータサイエンスに関心を持つ若手が多いです。 地理的・文化的な親和性 ベトナムは親日国として知られており、時差も2時間と少なく、地理的に日本が一緒にビジネスをしやすい国の一つと言われています。また、勤勉な国民性という共通点もあり、文化的にも非常に協働しやすいです。 […]
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04/07/2024
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ベトナムの暗号資産市場が急成長!最新動向やブロックチェーン開発事例
ベトナムの暗号資産市場への流入額は、ベトナムへの海外直接投資(FDI)額の5倍にも相当し、近年急速に成長を遂げています。ベトナムの人口の20%が暗号資産を所有しているというデータもあり、暗号資産の所有者数では世界2位です。 一方で、ベトナムでは暗号資産に関する法整備が間に合っておらず、法的枠組みの構築が急務となっています。また、暗号資産市場の成長に伴い、関連技術であるブロックチェーン技術の開発人材も多く輩出されており、ベトナムオフショアによるブロックチェーン技術の導入が注目されています。 本記事では、ベトナム暗号資産市場の現状、課題、ベトナムのブロックチェーン開発力などをご紹介します。 ベトナム暗号資産市場の最新動向 仮想通貨投資利益は世界3位 米国のブロックチェーン分析企業チェイナリシス(Chainalysis)が発表した暗号通貨投資利益国別ランキングによると、ベトナムは11.8億ドルの利益を上げ、世界で第3位にランクインしています。これは、1位の米国(93.6億ドル)、2位の英国(13.9億ドル)に次ぐ結果であり、ベトナムの暗号資産市場の急成長を示しています。 暗号通貨所有人口は世界2位 暗号資産所有データを提供するトリプルA(Triple-A)によると、ベトナムの人口の約21.2%にあたる2000万人が暗号資産を所有しており、所有者数で世界2位となっています。これは、UAEに次ぐ順位であり、3位の米国(15.6%)を上回っています。このデータは、ベトナムにおける暗号資産の普及率の高さを物語っています。 暗号通貨投資家は若年層が大半を占める Coin98 Insightsが2023年12月に実施した調査によれば、ベトナムの仮想通貨所有者の47%が26~36歳のグループで、38%が18~25歳のグループに属しています。低額から投資できるという特性が、幅広い所得層に受け入れられている要因と考えられます。この若年層の投資家が市場を牽引していることが、ベトナムの暗号資産市場のダイナミズムを象徴しています。 暗号資産市場への流入額は海外直接投資の5倍 チェイナリシス(Chainalysis)の統計データによると、2022年8月から2023年7月までの1年間におけるベトナムへの暗号資産の流入額は前年比20%増の1200億USD(約18兆7000億円)に達しました。この金額は、同期間におけるベトナムへの海外直接投資(FDI)認可額の5倍にも相当し、ベトナムの暗号資産市場の規模と成長速度を強調しています。 DeFiの普及 ベトナムの仮想通貨市場の特徴の一つとして、分散型金融(DeFi)の普及率の高さが挙げられます。調査によれば、回答者の約9割がDeFiを使用しており、そのうち51.7%が分散型取引所(DEX)を利用しています。 ベトナム暗号資産市場の課題 法的枠組みの不足 ベトナム中央銀行は、暗号通貨を合法的な支払い手段として認めておらず、違反した場合には高額の罰金が科されてしまいます。このため、暗号資産に関する明確で包括的な法的ガイドラインが不足しており、投資家はリスクにさらされています。さらに、法的枠組みの欠如は国の税収にも影響を及ぼす可能性があります。ベトナム政府は2017年に仮想資産の管理と取り締まりに関する法的枠組みの整備を目指すプロジェクトを承認しましたが、具体的な規制や管理方法はまだ確立されていません。 詐欺行為とセキュリティリスク ベトナム国内では、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)活動に関連する詐欺やハッキングが問題となっています。市場の透明性が不足しているため、詐欺や不正行為が横行しやすい環境となっており、多くの投資家が被害を受けています。暗号資産市場の急成長に伴い、セキュリティリスクも増大しており、投資家は自らの資産を守るために高度なセキュリティ対策を講じる必要があります。 このように、ベトナムの暗号資産市場は多くの可能性を秘めていますが、法的枠組みの整備と市場の透明性向上が急務です。 ベトナムはブロックチェーン活用事例も豊富! ブロックチェーンとは? ブロックチェーンとは、BTCをはじめとした暗号資産の基盤であり、デジタル情報を分散型ネットワーク上で安全かつ透明に管理するための技術です。特徴として、分散型管理による信頼性と耐障害性、全トランザクション(取引の詳細情報)の公開による透明性、一度記録されたデータの改ざんが困難な不変性、暗号技術による高いセキュリティが挙げられ、金融、サプライチェーン、医療など多岐にわたる分野での応用が進んでいます。 そして、暗号資産市場が急速に成長しているベトナムでも、当然ブロックチェーン技術の活用が進んでいます。 金融業界 金融業界では、ブロックチェーン技術が特に注目されています。ベトナムの銀行や金融機関は、ブロックチェーンを利用して国際送金の効率化、透明性の向上、コスト削減を図っています。例えば、HSBCはベトナムで初めてブロックチェーンを利用した信用状取引を実施しました。また、Nam Á Bankはブロックチェーン技術を利用して、送金、貿易金融、顧客ロイヤルティプログラムの改善を試みています。 エンターテインメント業界 ベトナムでは、ブロックチェーン技術を基盤としたNFTゲームが注目を集めています。例えば、Axie Infinityは世界的にも人気のあるベトナム発のゲームですが、プレイヤーがゲーム内で稼ぐことができる仕組みを提供しており、ブロックチェーンゲームの成功事例となっています。 公共サービス 公共サービス分野でもブロックチェーン技術の導入が進んでいます。例えば、学位証明書の管理や政府のデジタル化プロジェクトにブロックチェーンが利用されています。これにより、データの改ざん防止や透明性の向上が図られています。 ブロックチェーン開発ならベトナムオフショアがおすすめ! ベトナムの暗号資産市場は急成長を遂げ、世界でトップクラスの投資利益と所有者数を誇ります。しかし、法的枠組みの不足やセキュリティリスクが課題です。一方で、ベトナム国内では、ブロックチェーン技術を活用したプロジェクトが多数あり、その技術力は世界レベルと言っても過言ではありません。 ブロックチェーンの活用や導入を検討している企業様は、ぜひベトナムオフショア企業のリッケイにお任せください。当社は、ブロックチェーンを含め、最先端テクノロジーに精通したエンジニアが1500名以上在籍しており、お客様のニーズに合わせて、開発リソースを迅速にご用意可能です。また、当社には、DeFi、GameFi、NFT、暗号資産ウォレットなど、豊富なブロックチェーン開発実績がございますので、開発体制や実績の詳細など、お気軽にお問い合わせください。
12/10/2022
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【2022年最新】オフショア開発の人月単価相場動向、人気のベトナムほか国別比較
オフショア開発で最適な国を決定するときには、コスト、言語、文化、時差(タイムゾーン)、信頼性など考慮すべき要素がいくつかあります。詳しくは『オフショア開発とは|メリット・デメリット・成功に導く6つのポイント』でも紹介していますのでご覧ください。本記事では、オフショア開発に最適な国を知る上で重要となる、各国の人月単価と国ごとの特徴について紹介します。 オフショア開発国のITエンジニアの人月単価相場 ITエンジニアにかかるひと月あたりの人件費を人月単価と言います。人月単価は、コスト削減を目的としたオフショア開発で最適な国を決定する際の1つの尺度となります。昨今の日本国内のITエンジニアの平均人月単価の相場が80~100万円前後と言われています。 それでは、オフショア開発委託先の国の人月単価相場はどの程度低いのでしょうか。人月単価相場は、それぞれの国の物価や人件費、ITエンジニアの技術力の差などによって異なります。以下の表は、株式会社Resorz(オフショア開発.com)が発表した『オフショア開発白書 2022年版』によるオフショア開発委託先の国のITエンジニアの人月単価相場を元に当社が作成したものです。 日本企業のオフショア開発の聡明期から委託先として主流だった中国とインドは、他国に比べて人月単価相場が高めになっています。また、中国とインドのブリッジSEの相場が昨年から高騰しており、日本との人件費の差がかなり縮まって相場的にはコスト削減効果は薄れています。なお、最新の北京や上海のSEの人月単価は下記の表よりも大幅に値上昇して「日中逆転現象」も発生しています。 一方、ベトナム、バングラディッシュ、ミャンマーなどの東南アジアの国々の相場は、日本の相場と比較してもまだ魅力的な人月単価相場となっています。 特に、ベトナムは、ITエンジニアのレベルが高い人材が多い上に、人月単価相場は急騰することもなく安定的に推移しており大変魅力的な国となっています。 また、バングラディッシュでは、PG、SE、ブリッジSEの相場が急騰しており、今後が気になるところです。 ITエンジニアの人月単価相場は、必要とされるリソースの需要と供給のバランスによって左右されるほか、各国の経済状況や雇用状況、為替変動などの影響により変動します。円安・円高などの為替変動によるリスクを回避するために、円建ての取引きやその他の為替リスクヘッジ対策を行うことも重要です。 オフショア開発で人気の各国の特徴と国内事情 ベトナム ベトナムは、日本のIT企業に人気No.1のオフショア開発国です。ベトナムは古くから日本が政府開発援助(ODA)などで支援をしていたこともあり、親日派が多いことで知られています。また日本の電機メーカーや自動車メーカーや二輪メーカーが多く進出しており、身近に日本を想起させるものが多いことも日本への親近感を強くしている理由です。 ベトナムは社会主義国ですが、安定した政治と高い経済成長率を保っています。柔軟で慎重な金融政策により、消費者物価指数は年率4%未満を維持しており、世界でも急速に経済成長を遂げている国のひとつです。 IT政策の面では約300の大学と専門学校でICTトレーニングを提供し、ICT履修生徒数は約55,000人を数えるなど、インダストリー4.0向けのデジタル人材を国家戦略として積極的に育成しています。充実したICT教育により、高度なスキルとモチベーションの高い豊富なIT人材プールを保有しています。IT人月単価は中国、インドよりも安く、バングラデシュ、ミャンマーよりはやや高めです。 中国 オフショア開発の黎明期に人気No.1だったのが中国です。中国は文化大革命後に驚異的な経済発展を遂げ、今やGDPでは日本を抜き世界第2位となりました。政情は中国共産党一党独裁であり、国の事情に応じて規制がすぐ変化するのが難点と言えます。これをカントリーリスクと捉え、中国から撤退する外国企業や日本企業も近年は多くなっています。 中国は人口が多く、IT人材も豊富で高度な技術力を持つ優秀なITエンジニアがいることが特徴です。一方、人月単価は相対的に高騰しており、直近では日米逆転現象も起こっているケースが見られます。また、転職を繰り返すジョブホッパーが多いので、人材の入れ替わりが激しいことは覚悟しておく必要があります。 インド インドは中国と並び、昔からオフショア開発が盛んな国です。中国と同様に人口が多くIT人材も豊富で、高度な技術力を持つ優秀なITエンジニアがいることが特徴です。なお、未だにカースト制度の影響が残っているため高度な教育を受けられる人は限られています。 日本とは友好関係にあり、円借款によりインド国内では上下水道の整備や鉄道の拡充などが行われています。インドのオフショア開発は欧米企業との取引が多く、コミュニケーションは英語が中心です。IT人月単価は相対的に高めです。 フィリピン フィリピンもオフショア開発では人気の高い国です。フィリピンには、以前から日本が積極的に経済援助しているため両国の関係は良好です。日本企業も多く進出しており、ソフトウェアを中心としたIT人材も比較的多いと言えるでしょう。 ただし、フィリピンは近年こそ政情的に安定はしていますが、治安には問題があります。犯罪率は年々減少しているものの、強盗や殺人などの重大犯罪が多く、赴任や出張などの際にはセキュリティに注意が必要です。コミュニケーションは英語が中心です。IT人月単価はベトナムと同程度で、バングラデシュやミャンマーよりもやや高めです。 バングラデシュ 人件費によるメリットと年21%のICT市場の年間平均成長率(バングラデシュICT省2019資料より)を背景に、近年ポストベトナムと呼ばれるほど注目を集めてたのがバングラデシュです。バングラデシュは全方位外交を進める国であり、近隣のインドをはじめ、中国、アメリカ、日本などと友好関係にあります。 日本からは政府開発援助として資金提供しており、運輸や電力などのインフラ整備を積極的に行っています。しかし、原材料・部品の現地調達の難しさや通関に時間を要すること、電力不足・停電、従業員の賃金上昇など、まだ不安定な要素が多いことが課題となっています。 国としてはIT立国を目指しており、教育投資の結果、近年はIT人材が急増しています。人月単価はベトナムやフィリピンより安く、ミャンマーより若干高い水準。ただしインターネット環境など、ITのインフラ整備がまだ追いついていなかったり、電力需要が日々増加しており電力需要が発電能力を常に超えているため、しばしば停電を強いられることなどが難点となっています。 ミャンマー 以前から日本はミャンマーに対して多額の政府開発援助を行っており、日本との関係が深い国です。IT系大学のトップレベルの優秀なIT人材でも買い手市場と言われ、人月単価もバングラデシュより若干低い水準で「アジア最後のフロンティア」などと呼ばれて注目を集めた時期もありました。しかし、まだまだ発展途上のためにITインフラが整っておらず、輩出する人材数はそれほど多くなく技術レベルにも差があります。 2021年2月1日に国軍によるクーデターが発生して1年以上を経過しましたが、現在もなお同国は揺れている状態です。これまでに国軍の弾圧により多くの民間人の死者や拘束者が出ており、2022年になった現在も増加しています。クーデターに加えてコロナの影響も加わり経済状況は悪化しています。このような状況下において、進出している日系企業のビジネスへの影響が懸念されています。 オフショア開発委託先の選定は総合的に判断 コスト削減を目的としたオフショア開発では、ITエンジニアの人月単価だけに注目することは危険です。オフショア開発国を選定する際には、優秀な人材やスキルの供給源として長期的な視点で関係性を築いていくことも大切なことです。そういった視点を加味したうえで、IT人材が豊富であることや、人月単価、政情や治安など総合的にバランスがとれているベトナムに人気が集中している点はうなずけます。 また、何よりオフショア開発のプロジェクトを円滑に進められなければ、オーバヘッドにより人件費オーバーになってしまう危険性もあります。オフショア開発の委託先となるパートナーが信頼関係を築くことができる相手なのか、優秀なIT人材が確保できるのか、自社の開発プロセスで必要な工程をアウトソーシングできるのか、言語やコミュニケーションの壁をどのように乗り越えられるのかなど、日本企業とのビジネスが円滑にできるかどうか、実績や経験も踏まえて総合的にチェックしておきましょう。 無料eBookのダウンロード 保存版 オフショア開発入門ガイド2023 オフショア開発を始める前の気になる疑問を解決!オフショア開発を検討中の方に向けて、オフショア開発の基本的な知識から注意点までを解説します。 今すぐダウンロード(無料) 無料eBookのダウンロード チェックリストでわかる 失敗しないオフショア開発会社の選び方 オフショア開発会社選びの準備から開発開始まで、多様な角度からチェックポイントを網羅。チェックリストを活用して効率的な選定や基準作りに役立ちます。 今すぐダウンロード(無料)
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